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「ふぅ……何だかんだで時間がかかっちゃったね。グズグズしてると、ウチの隊が追い付きそうだ」
商隊と別れた俺は来た道を引き返しているんだが、予定していた一の森に入る地点を大分離れてしまっていることに気付いた。
まだ街道を移動する者は多くないようで、先程の商隊を除けば今は誰もいないし……久々に【浮き玉】の速度をガンガンと上げていき、あっという間に一の森への侵入予定ポイントにやって来た。
「んじゃ……さっさと森に入ろうかね」
【祈り】を上書きすると、周囲の様子を探りながら一の森にゆっくりと近づいて行く。
そして、あっさりと一の森の中に入り込んだ。
「北の森の方は浅瀬や草原まで出て来てたのに、こっちは……何もいないと」
まだ商隊が一の森の前を通過して大して時間は経っていない。
俺が街道を引き返していた時も、北の森の魔物はまだ森の浅瀬付近をウロウロしていたし、一の森の魔物も通常なら同じくらいうろついていてもおかしくないんだが……全く姿を見せない。
「そもそも街道をさっき通った時にもいなかったから、そんな気はしてたんだけどね。まぁ……これならそこまで気を使わなくても戦闘は避けられそうかな?」
俺は森の中を見回して「ふむふむ」と頷くと、高度を上げて木の枝近くまで上がっていった。
◇
周囲に魔物の気配もないし、俺は普段は軽く確認だけしている木の枝も含めて、じっくりと森の様子を探っている。
昨日まで調査をしていたところだと、どうしても地上をうろつく魔物が気になってここまで詳しく見て回ることは出来なかったからな。
「雨上がったばかりだから虫がいないのは幸いかな。こうやって見てみると、何かが齧ったり爪で引っ掻いたような傷が残ってるね。あんまり大きくはないみたいだけど……このサイズの獣はこの辺にはいないはずだし……見つけたかな?」
じっくり見て回ったのがよかったのか、それとも今日この辺りに来たのがよかったのか……それとも両方か。
恐らくこれは俺が追っている魔物が付けた跡だろう。
北側では見つけられなかったし、向こうに来る前に上手いことこっち側に追いやれたみたいだ。
「それじゃー……この辺を中心に見て回ろうかな? 上手いことどっちに逃げたとかが分かればいいんだけどね……」
ここに来るまで痕跡はなかったし北側には来ていないはずだし、南側に引き返したか森の奥に向かったかのどっちかだろう。
「上から見て回れたらいいんだけど……無理は止めておくか」
この辺りにいる可能性が高いのなら、上空から一気に広範囲を飛び回るって方法を採りたいんだが……奥の方にはあのトリの姿がいくつかあった。
戦ったことがない相手だし、どれくらいの距離が縄張りなのかはわからないが、この状況で戦いたい相手じゃない。
地道に森の中から探してみようかね。
「……お? あったあった」
別の木に伝ったようで、傷跡を見失いかけたがすぐに見つけることが出来た。
どうやらこの辺りにはコイツ以外は木の枝を伝って逃げるような魔物はいないみたいだ。
「地上を移動する魔物だったら流石にオレじゃ見つけられなかったかもね。まぁ……それならそもそもここまで逃げられなかっただろうけどね」
コイツと初めて遭遇したのはいつだっけ?
あのオオカミのデカい群れとかと戦った時だよな?
それから延々逃げられ続けて……気付いたら一の森の北側から領都の南側に至るまで、浅瀬の魔物を相当倒した気がする。
北の森の調査と探索任務も含めて、この辺りの面倒な魔物は粗方倒せた気もするし、リアーナにとっては決して悪いことではないんだが、それでも仕留めそこなっているってのはあまり気分が良いことじゃない。
「これだけ逃げる先で魔物をガンガン倒されたら、もう近づこうとはしないかもしれないけど……それでも出来れば自分の手で仕留めたいしね。……あっちか」
愚痴をこぼしつつも、俺はまた別の木に付いた傷を見つけて、それを追っていった。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】+1【赤の剣】【猿の腕】・0枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




