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聖貨を集めて、ぶん回せ!  作者: 青木紅葉
26章・領都の北側

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 二体のオーガの戦闘が始まった。


 もっと近づいて観察したら気付くことがあるかもしれないが、少なくともここから見た限りではどちらも体格も能力的にも大きな差はない。


 恐らくどちらも他所からやって来たとかではなくて、この森に生息していたオーガなんだろう。


 一の森の魔物は、大型だけじゃなくてゴブリンとかコボルトみたいな小型の妖魔種ですら、この辺の魔物と違って道具を使ったり工夫をしてくる。


 大型でデカい群れを作れるような個体ともなれば、陣形や戦術みたいな真似までしてくる面倒な相手だ。


 一方この辺の魔物はそんな面倒な真似はしてこない。


 強い個体が大きい群れを率いて襲い掛かる……シンプルなだけにどんな魔物でも可能な戦い方だ。


 人間相手なら対策されているし通用しないが、魔物同士の小競り合いならそれで十分なんだろう。


 だが……群れのボス同士がタイマンをするってこともあるようだ。


 相手を倒すことよりも群れを吸収することが目的だし、その方が消耗が少なくて済むしな。


「負けたボスは群れに残ることもあれば、追い出されて別の場所に行くんだね。たまにいる場違いな魔物とかがそうなんだろうね」


 戦闘の観察のつもりが、魔物の意外な社会を見てしまったな。


「んで……肝心の戦闘だけど、まぁ……こうなるよね」


 初めは互いに棒切れを打ち付け合っていたんだが、如何せんこの辺のオーガとはいえ力は人間の比じゃない。


 その力で互いに殴り合っていたら、棒切れの方が先に潰れてしまうのは当然だ。


 お互い同じような太さのを使っていたし、砕けたのはほぼ同時で結局殴り合いになっている。


「………………おぉ、素手でもここまで音が届いているね」


 数十メートル先に魔物の群れがいる状況で【風の衣】を解除する勇気はないし、発動したままでいるんだが……互いを殴る音が微かに聞こえてくる。


 先程までの棒切れを持った戦闘音は聞こえていたんだが、素手でもこれほどか。


 その迫力に驚きながらも、俺はそのままオーガたちの戦闘を眺めることにした。


 オーガってのは二足歩行の魔物だ。


 もちろんゴブリンやコボルトや……オークだってそうなんだが、それらに比べても人間に近い骨格だと思う。


 だから、他の二足歩行の魔物よりも殴ったりするのが上手い……はずなんだが、ただただ力任せに上に振り上げた拳を叩きつけたり、相手を振り払うように腕を振り回したりと、もちろん力も頑丈さも違うから十分威力はあるんだろうが……子供のケンカのような戦い方だ。


「力と戦闘技術は別物だもんね……あっと? でも……そろそろ決まりそうだね」


 丁度振り回した腕が上手いことこめかみに当たり、相手がふらついたところを逃さず掴みかかって地面に押し倒した。


 そのまま圧し掛かり、上からバンバンと両腕を叩きつけている。


 下に回ったオーガも何とか逃れようと暴れているが、腹の上に乗られてしまってはどうしようもない。


 力だけじゃなくて体力も打たれ強さもあるオーガだって、流石にコレはもう無理だ。


 下のオーガの抵抗もドンドンと勢いがなくなっていき、ついには腕を上げることすら出来ず地面に投げ出されてしまった。


 このまま殴り殺してしまうんじゃないか……って勢いだったが。


「あれ? 止めるんだ……」


 上に乗っていたオーガは殴りつける腕を止めたかと思うと、立ち上がり周囲の魔物たちを睨みつける。


 そして、両腕を掲げたかと思うと一発デカい咆哮を上げた。


 それに呼応するかのように、負けた方のオーガが率いていた群れ共々周囲の魔物たちも叫びまくる。


 俺でもうるさいと感じるくらいだし相当な音量なんだろうな。


 辺りから鳥や小動物が一斉に逃げ出している。


 オーガを筆頭に魔物の大合唱だし無理もないだろう。


 そして、一しきり叫んでいたかと思うと、魔物たちを引き連れて森の奥へと消えていった。

セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】

恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】+1【赤の剣】【猿の腕】・0枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

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魔物社会は厳しい世界だ
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