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執務室に戻ってきた俺たちに、リーゼルは「お帰り」と言葉をかけてきた。
俺だけじゃなくて、オーギュストとアレクもいることから、調査隊と商業ギルドの件だろうと見当をつけたようで、文官たちに手を止めるように指示を出した。
俺たちがリーゼルの執務机の前に来る頃には、他の文官たちも話を聞ける態勢になっている。
「……どうかしたのかい?」
話を待っていたリーゼルが、自分を見つめる俺の視線の生温かさに気付いたようで首を傾げている。
「いや、なんでもないですよ。団長」
領主も大変だなぁ……という思いは伝えずに、オーギュストに話をするように促した。
「ん? ああ……。閣下、承諾は前以て頂いておりましたが、セラ副長の調査隊のメンバーの追加と変更についての報告に参りました。こちらが名簿です」
「ご苦労。先に確認させてもらうよ」
オーギュストから名簿を受け取ったリーゼルは、すぐにそれに目を通していく。
その間を繋ぐためなのか、隣の席のセリアーナが口を開いた。
「貴方たちが下で話している間にリーゼルから説明があったわ。どうやらクラウスが苦労することになりそうね?」
「それと旦那様もだね」
リーゼルは黙って名簿を見ていたが「フッ」と笑った。
「これも領主の役割だよ。……意見を抑え付けることは出来るけど、それをやってしまうと信頼関係に影響が出てしまうからね」
「まあ……商業ギルドの混乱は早いうちに収めて頂戴。外から人が来る時期まで引きずられたら面倒よ」
「わかっているよ。さて……君も見るかい?」
名簿に目を通し終えたリーゼルが、セリアーナにファイルを渡そうとするが。
「必要ないわ。さっさと進めましょう」
セリアーナは首を横に振ると、オーギュストに「続けなさい」と先を促した。
「はっ。決定していたメンバーに、商業ギルドから派遣された冒険者二名を加えることになりました。それに合わせて少々こちら側のメンバーも変更しています」
「うん。セラ君も構わないかい?」
「商隊の護衛のために情報がいるんでしょう? 加わった人たちの能力に問題もなさそうだし、それならオレが言うことは何もないよ」
「装備の提供もあるようだし……まあ、この任務そのものに関しては心配は無用か。強いて言うなら一の森に入るセラ君だが……」
「大丈夫ですよ。あの辺の魔物なら余程大量の群れを一度に相手にする……とかでもない限り、まずやられることはないですから」
俺がハッキリと言い切ると、リーゼルは「結構」と答えて席を立った。
そして、室内の文官たちに向かって口を開いた。
「今まで商業ギルドは騎士団とも冒険者ギルドとも、素材の買取や緊急時の消耗品提供などを除けば、関わり合いを持つことに消極的だった。だが、ここ最近の一の森や領内東部の状況の変化から、彼らも魔物や領内の状況を把握する必要が出て来た。今回がそうだね」
「今までは商業ギルド絡みの案件はクラウスが窓口になって処理することが多かったけれど、今回からは多少変わるかもしれないわね。まあ……慣れるまでは面倒かもしれないけれど、対応するのは向こうよ。私たちが焦って動く必要はないわ」
事前に打ち合わせでもしていたのか、リーゼルとセリアーナが二人で今回の任務や商業ギルドの変化について説明をしている。
基本的にここで働く者たちは二人の関係が良好なのは知っているだろうが、今は外から派遣されている者たちもいるし……丁度いいアピールだな。
「セラ、お前の任務の際も、無理に合わせようとしないで今まで通りに進めていいわよ?」
「……りょーかい」
どうやら、セリアーナはリーゼルと商業ギルドのゴタゴタを切り離すつもりらしい。
まぁ……セリアーナも別に商業ギルドを無視するつもりじゃないのは、関係者がいるここで話したことからもわかるだろうしな。
この忙しい時期にリーゼルの手を煩わせずに、さっさとどうにかしろって言いたいんだろう。
リーゼルもわかっているのか、俺たちの背後にいる文官たちに向かって苦笑しながら首を横に振っている。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】+1【赤の剣】【猿の腕】・0枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




