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騎士団本部での顔合わせも兼ねた会談は無事終わり、そのまま解散する流れとなった。
兵たちはそのまま本部に残って仕事に向かい、冒険者たちは各々所属先に向かい……そして、アレクとオーギュストは俺と一緒に執務室に向かっている。
商業ギルド側の冒険者を調査隊に加えたことの説明を行うためなんだとか。
「……承諾したって言ってたし、旦那様は知ってるんでしょう?」
地下通路に入って周りに人がいなくなったし、会議室でも疑問だったことを訊ねることにした。
「ああ。だが、改めて執務室で報告する必要がある。そうすることで閣下も次の行動に移れるからな」
「面倒なもんだねぇ。偉いんだからパパっと自分で決めちゃってもいいだろうに」
毎度のことではあるがリーゼルは周囲の意見を尊重する傾向がある。
設立したばかりの公爵家だし、領地だって分割してもらったようなものだ。
領地を安定させるためには各所のバランスを考えているってのはわかるんだが、特に今回の件だとリーゼルが主導権を握れていない。
リーゼルは別に優柔不断ってわけじゃないんだから、必要ならある程度は独断で動いてもいいんだけどな。
オーギュストの話を聞きながら首を傾げていると、反対側のアレクが「そう簡単じゃないぞ」と苦笑しながら話し始めた。
「ウチは力関係が複雑なんだ。そもそも単純な立ち位置ってことを考えたら、お前が第三位に入るんだぞ?」
「……む」
「冒険者ギルドなら騎士団の傘下組織だが、商業ギルドは表立っての派閥は領主派閥でも、直轄組織ってわけじゃないだろう? 今回は騎士団と冒険者ギルドと商業ギルド……そこにフィオさんの魔導研究所が加わっているし、領内の各拠点も関わって来る」
「商隊の護衛とかだね?」
街や村だけじゃなくて、開拓を進めている拠点もリアーナの立派な居住地だ。
商業ギルドと契約している冒険者たちを、そことどうやって関わらせていくか……って話にもなっていたな。
そう言うと、アレクとオーギュストが揃って「そうだ」と頷いた。
「今回のように商業ギルド内の意見が割れていると、閣下も独断専行……とはいかないだろう」
「微妙なところだよな。もっと領地の決定的な危機なら旦那様も迷わず決断するんだが、今回の件は……まあ、最終的にクラウスの立場が弱まるかもしれない……って程度だしな」
「ああ。セリアーナ様との関わりが今後増えていくかはわからないが、商業ギルドそのものは変わらず領主派閥でいることに違いはない。だからこそ閣下も下手に動けないわけだな」
「色々大変なんだねぇ……」
我ながら他人事のような言い方になってしまったが、それも仕方がない。
結局のところ商業ギルドの方針の問題だしな。
俺やセリアーナはもちろん、領地にも別に影響があるわけじゃない。
リーゼルが商業ギルドに任せているのも、そういうことだからってこともわかったしな。
「言ったろ? ウチは力関係が複雑だって。旦那様が圧倒的に力があるのならそういうことも出来ただろうが、奥様とお前と……実際は協力関係にあっても、表向きには対等の派閥だからな。踏むべき手順ってのがあるんだ」
「うむ。だが、その手間をかけていることでリアーナとゼルキス……王都圏と幅広く繋がりが維持出来ているわけだしな」
二人の話に、俺は「なるほどー……」と頷いた。
いくらリーゼルが王族で、このリアーナが重要な土地だとはいえ、国どころか世界的に見てもド辺境だ。
そのリアーナにこれだけ人と物が集まるのは、リーゼルが極力平等に振る舞うように気を付けているからってことだな。
クラウスとかその辺の頼みごとは簡単に引き受けようとは思わないが……リーゼルから取り成しや仲裁を頼まれたら、セリアーナだろうがフィオーラだろうが誰が相手の時でも間に入ろうかな。
今までも特別断るようなことはなかったが……改めてそう思った。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】+1【赤の剣】【猿の腕】・0枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




