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秋の夜話  作者: ふりまじん
前略剛様

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13/18

わがまま


剛、私たちの思い出を書き残そうと考えたけれど、結構、大変だよ。

あんた、ロクデナシだし、私は口が悪いし、炎上は、しなくても、嫌なものを見たとか読者に言われたら嫌だなって思うんだもん。


それに、我々が良くても、田舎で身バレしたら家族親族のほかに、クラスのみんなにバレちゃうもんね。

なんか、フィクションだって、どう見てもフィクションって感じにしないといけない気がするんだもん。


アンタが死んで、もう、名古屋の旅費を小説で貯めなくても良くなって、無理ゲーから解放はされたんだけれど、私は未だに書いているよ。

私は、お金も貯めたかったけれど、アンタのいいところをなんとか表現しようと思っていたよ。

私はこの通り、口は悪いから、アンタに素直にいいところなんて言ってことは、ほぼ、ないし、アンタも私のことを煙たがっていたもんね。それでも、お互い、友達だってところが不思議なんだけれど。

アンタはどうあれ、私はアンタとの旅行を楽しみにしていたよ。


私は子供の頃、冒険したいとか思っていたんだ。でも、結局、どこにもいけなかったわ。

だから、アンタと漫画喫茶で一泊してみたかったな。やった事のある人は、みんなやめておけっていうんだけれど。一晩中、本を読んでみたいとか思ったわ。


お互い、夢で終わってしまったけれど。


それでも、私は異世界に言ってみようと思ってるよ。アンタに話したネットの小説の世界の、ね。

まだ行けるかわからないけれど、いけたら、きっと、すごいと思うよ。だって、自分で物語を考えて作り出した世界を旅できるなんて、ほんの数百人いるかどうかだと思うもん。


でも、最近、自分の弱点がやっと見えてきたんだ。

私は、人前で自慢したり、ねだったり、マウントを取るのは下手なんだもの。

どういう事かというと、

例えば、アンタでも、他の人でも、きっと、自分の作品ついて訊かられた、

「あ、いいえ、そんな大した話ではないんですよ。なんかテンプレ?適当ってゆーか、そんな面白くないですよ。は、あははは。」

とか、誤魔化しちゃうと思うんだ。

でも、それではダメなんだ、って、そんな気がしてきた。自分の作った世界をすごいって言って、そして、見て欲しいって言わないと、いや、違うか、アンタのように自然に夢を語れないといけないんだよ。


剛、アンタは、ずっと、何もしてなかったけれど、それでも、ずっと『名古屋にゆきたい』って言い続けたよね?結局、いけなかったけれど、努力もロクにしてないけれど、でも、私に馬鹿にされたり罵倒されても、アンタはずっと言い続けていたね。

正直、バカだと思ったけれど、今ならそれがどんなにすごいかわかるよ。

自分の夢を、誰かの評価に流されずに、言い続けるのって、結構難しいんだから。



ああ、でも、アンタは本当に、すごい奴だったよ。

最後のあの年、消費する目的で政府からお金が振り込まれて、そして、旅行の推進もされてたんだもん。そして、それが絶妙に人生最後の大チャンスだったんだよね。

その時、私は2025年まで待とうって、そう言ったんだよね。

当時は、感染症が流行っていたし、それが剛と旅行の最後のチャンスだなんて、私には分からなかった。

アンタは、バカでロクデナシで、そして、神様に愛されていたよね。

あのお金があったら、私が行く方向で頑張ったら、もしかしたら、名古屋に行けたのかな?


今でも自問するわ。でも、まあ、仕方ないよね。


そんな事を考えるから、私は今でもこうして書いているのかもしれない。

そして、アンタのやったように、誰にバカにされても笑って受け流しながら、異世界に行くんだと、そう、言っていたいのかもしれない。

でも、それはとても難しいわ。


わがままって、悪い言葉だと思っていたよ。

でも、最近は我のまま=わがままって感じがするんだ。

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