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五.
午後の授業。
窓の外では、風に乗って桜の花びらが舞っていた。
黒板を書き写しながら、ふと隣を見る。
宮野は真面目にノートを書いている。
……いや。
よく見ると、眠そうだ。
ペンを持ったまま、少しずつ頭が下がっていく。
そして。
こくっ。
また上がる。
こくっ。
また上がる。
俺は思わず笑った。
そのとき。
宮野がこちらを見る。
目が合う。
一瞬驚いたあと、宮野は口元だけで笑った。
俺も笑い返した。
先生に見つからないように。
ただ、それだけ。
なのに。
その瞬間、胸の奥がほんの少しだけ暖かくなった。
理由は、まだ分からなかった。
分からなくてもいいような気がした。




