信長とレオン、共闘の誓い
艦隊総督レオン・ヴァルディスの一言
信長。
私は海を越え、多くの国を巡ってきた。
国が滅びる姿も、民が戦火に泣く姿も、この目で数え切れぬほど見てきた。
だからこそ誓った。
二度と無意味な戦を繰り返さないと。
しかし今、かつて共に戦った副司令官ヴォルグが、その誓いを踏みにじろうとしている。
これは日本だけの戦いではない。
私自身が決着をつけなければならない戦いだ。
信長。
どうか私に力を貸してほしい。
あなたとなら、剣ではなく未来を守るために戦えると信じている。
さあ、海を越えた友情の力を見せよう。
――艦隊総督 レオン・ヴァルディス
第五十九章 信長とレオン、共闘の誓い
若狭の港は、かつてない緊張に包まれていた。
副司令官ヴォルグ・カイゼルが率いる反乱軍は、港の倉庫や見張り台を次々と占拠し、港に停泊する艦隊の一部までも支配下に置いていた。
港町の人々は家々へ避難し、子どもたちは不安そうに親の手を握る。
兵士たちが必死に民を安全な場所へ誘導していた。
京では、信長が重臣たちを集めて緊急の軍議を開く。
広間には秀吉、家康、十兵衛、弥助、信栄、綾姫、そして艦隊総督レオン・ヴァルディスが並んでいた。
信長は静かに地図を広げる。
「敵の狙いは若狭だけではない。」
「港を奪い、補給路を確保し、やがて京へ攻め上がるつもりだ。」
家康が頷く。
「兵站を押さえれば、日本全体を揺さぶることができます。」
秀吉は地図の港を指差した。
「上様、このままでは堺や博多にも手を伸ばすでしょう。」
レオンは深く息をついた。
「ヴォルグは私の副官でした。」
「剣の腕も戦術も優れていましたが、力による支配を信じる男でした。」
「私が友好を選んだことを、最後まで理解してはくれませんでした。」
信長はレオンの肩に手を置く。
「誰にでも道を違える者はいる。」
「それは日本も同じだ。」
「大切なのは、その過ちを止めることだ。」
レオンは静かに頭を下げた。
「ありがとうございます。」
その頃、若狭の港では――。
ヴォルグは旗艦の甲板から日本の海岸を見渡していた。
「美しい国だ。」
「だからこそ、我らが支配する価値がある。」
部下が報告する。
「副司令官。」
「総督派の兵士たちの多くは投降を拒んでいます。」
ヴォルグは冷たく笑う。
「ならば牢へ入れろ。」
「従わぬ者は不要だ。」
さらに別の部下が駆け寄る。
「織田軍が出陣しました!」
ヴォルグはゆっくりと剣を抜く。
「ようやく来たか。」
「天下人・織田信長。」
「その名が本物か、この戦場で証明してもらおう。」
一方、織田軍は若狭へ向けて進軍していた。
先頭には信長。
その隣にはレオンが馬を並べる。
異なる国で生まれ、異なる文化で育った二人。
しかし、その志は同じだった。
「民を守る。」
その一念だけが、二人を結び付けていた。
秀吉は笑みを浮かべる。
「まさか異国の総督と肩を並べて戦う日が来るとは。」
家康も穏やかに微笑む。
「歴史とは、実に面白いものですな。」
十兵衛は静かに刀を握る。
「敵が誰であれ、守るべきものは変わりません。」
弥助は槍を肩に担ぎ、大きく頷いた。
「この槍は、民を守るために振るいます。」
やがて若狭の港が見えてきた。
黒煙が空へ立ち昇り、港のあちこちから炎が上がっている。
信長は拳を握り締めた。
「急ぐぞ!」
「これ以上、民を苦しめるわけにはいかぬ!」
その時、港から巨大な砲声が響き渡った。
ドォォォン!!
異国の大砲が火を吹き、海岸線が激しく揺れる。
兵士たちに緊張が走る。
レオンは険しい表情でつぶやいた。
「ヴォルグ……。」
「ついに、大砲まで使うつもりか。」
信長は静かに刀を抜いた。
「ならば。」
「天下人として、この乱を鎮めるのみ!」
海と陸を舞台にした新たな戦いが、ついに始まろうとしていた。
織田信長の一言
レオン。
おぬしの覚悟、この余がしかと受け取った。
国は違えど、民を想う心に違いはない。
それこそが、真の武人の証であろう。
ヴォルグは力による支配を望み、余とおぬしは平和による未来を望む。
ならば、この戦いは避けては通れぬ。
異国の兵も、日本の兵も、守るべき命は同じだ。
この戦に勝ち、再び笑顔あふれる海を取り戻そう。
次なる戦いでは、天下人と艦隊総督が並び立ち、新たな歴史を切り開く。
――織田信長




