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もし信長が生きていたら ― 本能寺から始まるもう一つの天下 ―  作者: マーたん


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信長と義昭、最後の一騎討ち

今宵の信長は?

第五十四章 信長と義昭、最後の一騎討ち


夜明けの光が戦場を照らす。


両軍の兵たちは、天下人と元将軍の一騎討ちを固唾をのんで見守っていた。


織田信長。


足利義昭。


二人は静かに刀を構える。


義昭が先に口を開いた。


「信長。」


「おぬしと出会わねば、この乱世も違う結末を迎えておったかもしれぬ。」


信長は静かにうなずく。


「そうかもしれぬ。」


「だが、過去は変えられぬ。」


「変えられるのは未来だけだ。」


義昭は大きく踏み込み、鋭い斬撃を放つ。


信長はその一撃を受け流し、反撃へ転じる。


金属音が戦場に響き渡る。


互いに一歩も譲らない。


「はあああっ!」


義昭の連撃。


信長は冷静に見切り、一太刀で義昭の太刀を弾き飛ばした。


刀は宙を舞い、地面へ突き刺さる。


義昭は膝をついた。


「見事だ……。」


しかし信長は刀を振り下ろさなかった。


義昭は驚き、顔を上げる。


「なぜだ。」


信長は静かに刀を納める。


「余は復讐のために戦っているのではない。」


「乱世を終わらせるために戦っている。」


義昭は苦笑した。


「甘い男になったものだ。」


信長は微笑む。


「そうかもしれぬ。」


「だが、その甘さこそが、新しい時代には必要なのだ。」


義昭は空を見上げた。


朝日が雲の間から差し込んでいる。


「負けたよ、信長。」


「おぬしの天下を認めよう。」


その言葉に、戦場は静まり返った。


青龍智玄は静かに仮面を外し、深く頭を下げる。


「義昭様……。」


義昭は立ち上がり、信長を見つめる。


「智玄。」


「もう十分だ。」


「戦は終わりじゃ。」


智玄も静かにうなずく。


「御意。」


その様子を見た足利軍は武器を置き、次々と降伏した。


秀吉は満面の笑みを浮かべる。


「終わりましたな、上様。」


家康も深く息をつく。


「ようやく、乱世が終わります。」


十兵衛は刀を納めた。


「これが、本当の勝利なのですね。」


信長は戦場を見渡す。


「皆の者。」


「今日より、この国に争いは要らぬ。」


兵たちは一斉に歓声を上げた。


「おおーーっ!」


その歓声は山々へ響き渡り、新たな時代の始まりを告げる鐘の音のように広がっていった。


本能寺から始まったもう一つの歴史。


その長き戦いは、ついに終わりを迎えた。


そして、新たな天下泰平の時代が静かに幕を開けた。

次回も楽しみに

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