綾姫、命を懸けた密書
今宵の信長は?
第四十七章 綾姫、命を懸けた密書
綾姫が足利義昭の姪であるという事実を知る者は、まだほとんどいなかった。
しかし、義昭のもとを去った綾姫は、一つの決意を胸に京へ戻っていた。
「信長様……。」
綾姫は懐から一通の密書を取り出す。
そこには青龍智玄が立てた作戦が記されていた。
「この密書があれば、義昭様の次の一手を止められるかもしれません。」
夜道を急ぐ綾姫。
だが、その前に黒装束の忍びたちが立ちはだかった。
「綾姫様。」
「義昭様は、あなたを生かしてはおけぬとのご命令です。」
綾姫は静かに短刀を抜いた。
「私はもう、義昭様の命には従いません。」
忍びたちが一斉に襲いかかる。
その時だった。
「そこまでだ!」
一陣の風とともに、一人の剣士が駆け込んできた。
柳生十兵衛である。
鋭い剣筋が忍びたちを次々と退けていく。
「綾姫様、お急ぎください!」
綾姫はうなずき、京を目指して走り出した。
やがて二条御所へたどり着く。
「信長様!」
信長は綾姫のただならぬ様子に立ち上がる。
「どうした。」
綾姫は密書を差し出した。
「青龍智玄の作戦です。」
信長は密書を開く。
そこには、織田軍を各地へ分散させたうえで京を急襲する計画が詳しく記されていた。
家康は驚く。
「これほど詳細な策とは……。」
秀吉は綾姫を見つめる。
「命懸けで持ち帰られたのですな。」
綾姫は深く頭を下げた。
「私は信長様を裏切りたくありません。」
「どうか、この国を守ってください。」
信長は優しく綾姫を見つめた。
「ありがとう。」
「お前の勇気は、この天下を救う。」
その頃、山寺では。
青龍智玄が静かに目を閉じていた。
「密書は渡ったか。」
義昭は険しい表情を浮かべる。
「綾姫め……。」
智玄は小さく笑った。
「ですが義昭様。」
「まだ勝負は終わっておりません。」
「最後の策は、すでに動き始めています。」
信長は密書を握りしめる。
「智玄。」
「お前の策は見抜いた。」
しかし、智玄の真の狙いは、まだ誰にも見えていなかった。
最後の四天王との決戦は、いよいよ最終局面へと突入する。
次回も楽しみに




