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もし信長が生きていたら ― 本能寺から始まるもう一つの天下 ―  作者: マーたん


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34/50

その陰には足利義昭

第三十四章へようこそ。


黒鬼玄武との激戦は終わり、天下には再び平和が訪れました。


しかし、歴史は平穏なまま終わることはありません。


戦が終われば、新たな思惑が動き始めます。


信長の天下を快く思わない者。


かつて将軍として天下に君臨した男。


その男が、長い沈黙を破り、ついに姿を現します。


新たな物語の幕開けを、どうぞ最後までお楽しみください。

第三十四章 その陰には足利義昭


黒鬼玄武との戦いが終わり、天下には再び平穏が戻った。


人々は信長の勝利を喜び、各地では復興が進められていた。


しかし、その平和を遠くから見つめる一人の男がいた。


「……信長。」


薄暗い寺の一室。


一人の僧が静かに立ち上がる。


その僧は頭巾を外した。


そこにいたのは――。


足利義昭。


かつて室町幕府最後の将軍として天下に君臨した男である。


義昭は静かに笑った。


「黒鬼玄武まで敗れたか。」


「やはり信長は、あの程度では倒れぬ。」


部屋の奥から家臣が口を開く。


「では、将軍様。」


「このまま織田の天下を認めるのでございますか。」


義昭は首を横に振った。


「いや。」


「まだ終わってはおらぬ。」


「天下とは、一人の力だけで治められるものではない。」


義昭は巻物を広げる。


そこには全国の大名の名が記されていた。


「信長は武力では勝った。」


「だが、人の心までは支配できまい。」


家臣が尋ねる。


「次の一手は。」


義昭は静かに微笑んだ。


「戦ではない。」


「信長の天下を内側から揺るがす。」


その言葉に、家臣たちは静かに頭を下げた。


一方、京では信長が黒鬼玄武との戦いを終え、家臣たちを前に語っていた。


「戦は終わった。」


「だが、天下人に休みはない。」


秀吉が笑う。


「上様らしいお言葉ですな。」


家康も穏やかにうなずく。


「これからが本当の天下泰平でしょう。」


信栄は父を見つめる。


「父上。」


「まだ何か起きるのでしょうか。」


信長は窓の外へ目を向けた。


「……胸騒ぎがする。」


その頃、義昭は京へ向かう密使を送り出していた。


「行け。」


「新しい時代の幕を開けよう。」


密使は深く頭を下げると、夜の闇へ姿を消した。


信長はまだ知らない。


黒鬼玄武の反乱は終わった。


だが、その陰では、かつての将軍・足利義昭が静かに動き始めていたことを。


天下を巡る新たな戦いは、剣ではなく、知略と信念の戦いへと姿を変えようとしていた。

第三十四章をお読みいただき、ありがとうございました。


黒鬼玄武との戦いが終わり、信長は再び平和な天下へ歩み始めました。


ですが、その裏では足利義昭が静かに動き出しています。


今度の敵は、大軍を率いて正面から攻めてくる相手ではありません。


知略を巡らせ、人の心を揺さぶり、天下そのものを動かそうとする存在です。


信長は、この新たな試練をどう乗り越えるのでしょうか。


次章からは、剣と槍だけでは決着のつかない、新たな戦いが始まります。


ぜひ、引き続き『もし信長が生きていたら ― 本能寺から始まるもう一つの天下 ―』をお楽しみください。

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