表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もし信長が生きていたら ― 本能寺から始まるもう一つの天下 ―  作者: マーたん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/55

蘇る本能寺の記憶

本能寺の変


天正十年六月二日――。


京の本能寺で、天下人・織田信長は家臣・明智光秀の謀反に遭った。


「敵は本能寺にあり。」


その一言で歴史は大きく動き、信長は炎に包まれた本能寺で命を落としたと伝えられている。


しかし、この物語では、信長は奇跡的に生き延び、新たな歴史を歩み始めた。


それでも、本能寺で見た炎、家臣たちの叫び、そして絶望の記憶は、信長の心の奥深くに眠り続けていた。


そして今――。


封じられていた「あの日」の記憶が、再び信長の胸によみがえる。

第二十九章 蘇る本能寺の記憶


黒き鬼衆との戦いを前にした夜。


信長は陣幕の中で、一人、地図を見つめていた。


外では兵たちが静かに休み、焚き火の炎だけが揺れている。


ふと、信長の頭に激しい痛みが走った。


「……ぐっ!」


額を押さえ、その場に膝をつく。


信栄が慌てて駆け寄る。


「父上!」


弥助も刀を手に陣幕へ飛び込んだ。


「上様!」


信長は苦しそうに息を整える。


「大丈夫だ……。」


しかし、その瞬間。


信長の脳裏に、忘れていたはずの光景が鮮明によみがえった。


燃え盛る本能寺。


崩れ落ちる天井。


家臣たちの叫び。


そして――。


「敵は本能寺にあり!」


明智光秀の声。


信長は目を見開いた。


「……そうだ。」


「ワシは……。」


「ワシは本能寺で死んだはずだった……。」


その言葉に、その場にいた者たちは息をのむ。


信栄は戸惑いながら尋ねる。


「父上……何をおっしゃるのですか。」


信長はゆっくりと立ち上がる。


「思い出した。」


「あの日、炎の中で、余はすべてを失った。」


「だが、気づけば生きていた。」


「まるで天が、もう一度生きよと言ったかのようにな。」


信長は静かに拳を握る。


「だからこそ、この命には意味がある。」


「もう二度と、あのような悲劇を繰り返してはならぬ。」


そこへ秀吉と家康も陣幕へ入ってくる。


「上様、どうなさいました。」


信長は二人を見つめ、穏やかに笑った。


「猿、家康。」


「余は本能寺の炎を思い出した。」


秀吉は驚き、言葉を失う。


家康は静かに目を閉じた。


「その記憶が戻ったのですな……。」


信長は力強くうなずく。


「ああ。」


「だからこそ、この戦には負けられぬ。」


「平和を守るための戦だ。」


外では夜明けを告げる太鼓が鳴り響く。


黒き鬼衆との決戦の朝が訪れようとしていた。


信長はゆっくりと刀を抜く。


「皆の者。」


「出陣じゃ!」


「この戦で、乱世に終止符を打つ!」


兵たちの雄叫びが大地を震わせる。


本能寺で終わるはずだった男は、再び天下のために立ち上がる。


その瞳には、炎ではなく、未来への希望が宿っていた。

織田信長とは?


織田信長は、戦国時代を代表する武将の一人です。


尾張国から天下統一を目指し、数々の戦を勝ち抜きながら、新しい時代を切り開いていきました。


その革新的な考え方や行動力は、多くの武将に影響を与え、日本の歴史を大きく動かした人物として知られています。


本作では、「もし本能寺の変で信長が生き延びていたら」という歴史の”もしも”を描いています。


史実とは異なる展開もありますが、それは「もう一つの歴史」としてお楽しみいただければ幸いです。


これからも信長が目指す天下泰平の物語を、最後まで見届けていただけるとうれしいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ