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もし信長が生きていたら ― 本能寺から始まるもう一つの天下 ―  作者: マーたん


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黒き反乱

登場人物


織田信長おだ のぶなが

天下人。平和を脅かす「黒き鬼衆」の反乱を知り、自ら軍を率いて討伐へ向かう。


織田信栄おだ のぶひで

信長と濃姫の嫡男。父とともに出陣し、民を守るため初めて大規模な戦に挑む。


羽柴秀吉はしば ひでよし

織田家の重臣。冷静に戦況を見極めながら、信長を支える。


徳川家康とくがわ いえやす

信長の盟友。反乱の情報を分析し、織田軍と協力して天下の平和を守る。


弥助やすけ

信長の忠臣。信栄の護衛を務めながら、最前線で勇敢に戦う。


濃姫のうひめ

信長の正室。京で織田家の留守を守り、戦場へ向かった信長たちの無事を祈る。


綾姫あやひめ

信長の側室。負傷兵や避難した人々の世話をしながら、平和を願い続ける。


黒鬼玄武こっき げんぶ

黒き鬼衆を率いる首領。乱世の復活を掲げ、信長の天下へ反旗を翻す謎多き武将。


黒き鬼衆くろきおにしゅう

黒鬼玄武に従う武装集団。各地の村や城を襲撃し、天下の平和を崩そうと暗躍する。


使者

北国で起きた反乱を二条御所へ知らせるため、命がけで駆けつけた伝令。

第二十八章 黒き反乱


天下泰平――。


誰もが、この平和は永遠に続くと信じていた。


しかし、その夜。


二条御所へ血相を変えた早馬が駆け込んできた。


「ご注進! ご注進!」


信長は重臣たちと政について話し合っていた。


「何事だ。」


使者は息を切らしながら叫ぶ。


「北国で城が次々と襲われております!」


「襲っている者たちは、自らを『黒き鬼衆』と名乗っております!」


広間に緊張が走る。


秀吉が顔をしかめる。


「黒き鬼衆……聞いたことがありません。」


家康も腕を組む。


「ただの盗賊ではなさそうですな。」


さらに使者は続ける。


「村々を焼き払い、役人を人質にしております!」


信長は立ち上がった。


「民が危険にさらされているのか。」


「すぐに出陣する。」


信栄も前へ出る。


「父上、私も参ります。」


弥助は大太刀を背負い、静かにうなずく。


「若君は私がお守りします。」


数日後。


織田軍は北国へ到着した。


そこに広がっていたのは、焼け落ちた村々だった。


子どもたちは泣き、大人たちは家を失い、途方に暮れている。


信長は拳を強く握る。


「また……このような悲劇を。」


その時だった。


山の上から不気味な笑い声が響く。


「ハハハハハ!」


黒い甲冑をまとった男たちが姿を現す。


その中央には、巨大な薙刀を持つ一人の男。


「織田信長!」


「待っていたぞ!」


男はゆっくりと兜を脱ぐ。


その額には大きな傷跡が刻まれていた。


「我が名は黒鬼玄武こっき げんぶ。」


「戦なき世など、弱き者の夢にすぎぬ!」


信長は静かに刀を抜く。


「お前が民を苦しめている首領か。」


黒鬼玄武は不敵に笑った。


「そうだ。」


「私は乱世を復活させる!」


「強き者だけが生き残る国こそ、真の天下だ!」


その言葉に信栄が怒りをあらわにする。


「そんな天下は認めない!」


黒鬼玄武は信栄を見つめる。


「若造。」


「お前が織田家の跡継ぎか。」


「ならば、まずはお前から叩き潰してやろう!」


その瞬間、山中から無数の黒き鬼衆が姿を現した。


織田軍は完全に包囲される。


秀吉が叫ぶ。


「上様!」


「囲まれました!」


信長は静かに笑った。


「面白い。」


「ならば、ここからが天下人の戦だ。」


刀を天へ掲げる。


「皆の者!」


「民を守るため、一歩も退くな!」


「おおーーっ!!」


怒号が山々に響き渡る。


こうして、平和を揺るがす最大の反乱が幕を開けた。


そして、この戦いは織田家にとって、かつてない試練となるのであった。

信長の一言


皆、第二十八章を読んでくれて感謝する。


ようやく手に入れた平和を乱そうとする者が現れた。


天下を治めるとは、戦に勝つことではない。


民の笑顔を守り続けることこそ、真の天下人の務めだ。


黒鬼玄武――。


余の前に立ちはだかるのであれば、その野望は必ず打ち砕く。


次なる戦は、織田家の誇りを懸けた戦いとなる。


最後まで見届けてくれ。


――織田信長

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