3・ティフィ
カメラがアルマの動きを追い、
ティフィが部屋に入って来た荷物を見た。
ランチボックスと呼ばれる小さな箱型の、
屋内用の輸送ロボットが去っていく。
『今度はなに買ったの?
ギャビーにまた叱られるよ。』
「必要経費だから、平気だよ。」
『それ、倫理的に大丈夫なやつ?』
「これはただのロボットのパーツ。
法に触れないヤツを、
注文したんだよ。」
アルマは腕の外装をカメラに向け、
モータやセンサを床に敷き広げていく。
「…にしてもパーツ数、多いな。」
『アルは工作とか苦手だもんね。』
「説明書を付けて貰ったから、
このくらいできる、はず。
これがティフィの身体になるんだから、
あんたも手伝いなよ。」
『ぼくの?』
パーツが人の形に並べられ、
事件現場が完成した。
「なんていうか…。」アルマが呟く。
『グロい…。』彼女の呟きに続くティフィ。
カメラ越しに自分の内臓になるものを見て、
迷走神経反射を起こす。
『ぼくには似合わないと思うから、
いまから返品しなよ。』
「これから組み立てるんだから、
ティフィだってずっと箱の中に居るも
嫌だろ?」
アルマが添付された説明書を見せる。
『…わかったよぉ。』
ティフィの入ったパソコンの、
ファンの回転速度が早くなった。
――それから作業は順調に進んで、
ランチボックスに取り付けられた
車輪が回転し、床を走り回る。
「もう、これでいいだろ。」
『アルのポンコツ!』
ランチボックスにされたティフィが、
スピーカー越しに抗議した。
▶ つづく




