2・アルマ
『ぼくって人工知能なの?』
スピーカー越しにティフィの声。
目を覚ましたアルマはシリアルを食べて、
液晶画面に映し出される
ティフィの様子を観察する。
「ティフィは人工知能ほど
頭良くないだろ。自利明白。」
『そんな自己否定は嫌だ。』
「巷で人工知能なんて言われてる物は、
ネット上にあるデータの剽窃だしな。」
アルマは眼鏡の位置を直し、
言って自らの意見に頷く。
『偏見だ。
ぼくは人工知能とは違うの?』
アルマはスプーンを口に運んで、
シリアルをずっと噛んでいる。
カメラでその様子を眺めるティフィは、
アルマからの返事を黙って待っている。
「ティフィは人工知能なんかではなく、
あたしのイマジナリーフレンド。
作ったあたしの知能は越えられない。」
『嫌な制限を設けたなぁ。』
器に残った牛乳も飲み干し、
アルマは両手を合わせて禅の心を表す。
彼女は禅が何なのか
深く理解はしていないが、
食材に対する感謝の気持ちは持っている。
『こんなユニークな技術があるんなら、
ぼくでひと儲けできそうだね。』
「ティフィはあたしの
細胞を培養して作った、
倫理的に禁忌とされてる技術だから、
これで商売なんて無理だね。」
『怖ぁ~。』
ティフィは自らの生みの親である
アルマの奇抜な行動力に慣れてきた。
慣れてきた自分を理解して、
ティフィは自分が怖くなった。
▶ つづく




