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2年前のトラウマに囚われたら、幻覚が話しかけてくるようになった  作者: スズミヤ


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4/6

彼女のいない一週間

【前回までのあらすじ】


2025年1月中旬。キョウラはコンビニでアイスクリームを買った。でも、外で待っていたはずのナユキは、そこにいなかった。彼女はまた、突然消えた。


アイスクリームは袋の中で溶けていった。まるで、キョウラの記憶がぼやけていくように――。

今日 2025年2月3日。


いよいよ決定的な日がやってきた。試験が始まる。


鉛筆を走らせる音と壁掛け時計の秒針の音だけが、この教室の中の唯一の旋律だった。深呼吸をして、心臓の鼓動を落ち着かせる。私はここ2週間で学んだすべての知識を振り絞って、一つひとつの問題に取り組んだ。数字と公式の向こう側にあるものが、この世界でたった一つ残された現実のように感じられた。


5日が経過した。


私は毎日を同じルーティンで過ごした。いつもより早く登校し、頭を絞る問題用紙と格闘し、日が傾き始める頃に帰宅する。


試験が終わって家に帰るたび、リビングのソファに座ってため息をつく。母が「どうしたの?」と聞いてくるが、「何でもない」と答えるしかなかった。何かを伝えたいのに、何を伝えればいいのかわからない。そんなもどかしさが、毎晩のように私を包んでいた。


この試験期間中、ナユキの姿を廊下で一度も見かけなかった。隣の教室の前も同様だ。休み時間に探してみたこともあった。でも、あの教室はいつもどこかよそよそしく感じられた。


なぜだろう。


昼休み、ふと隣の教室の扉を覗き込んだ。中には見覚えのある顔がいくつかあった。でも、ナユキはいなかった。いや――最初から、彼女があの教室にいた記憶があるのだろうか?


ふと、そんな疑問が頭をよぎる。気のせいだ。そう思いながらも、その考えはしばらく頭から離れなかった。


今日 2025年2月7日。


終業のベルが響き、試験がすべて終了したことを告げた。


私は長く息を吐きながら、筆記用具をバッグに片付けた。


「つまり、あとは卒業式を待つだけか。」


独り言のように、小さく呟いた。


校舎を出る。2月の空気はまだ冷たく凍えそうだが、日差しは少しだけ長く感じられるようになった。校庭は広く、そして静かだ。


校門の近くで立ち止まった。


彼女がいつも待っていてくれた場所。


誰もいない。


ただ、冷たい風に吹かれて枯れ葉が転がっているだけだった。


あの「欠落感」が再び脈打つ。学校の試験は終わったけれど、私の中のある何かはまだ答えを見つけていない。そのことを思い知らされるように。


家に着くまで、ずっと空を見上げていた。冬の空はどこまでも青くて、冷たくて――まるで、何もかもを飲み込んでしまうかのようだった。

読んでくれてありがとう!


昨日言った通り、残り2話でこの物語は完結だよ。

1時間ごとに投稿するから、楽しみに待っててね。


次の話もよろしく!

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