第二十八話 初飛行
ブロロロロロ……
青々とした野原。
一機の複葉機が超低空飛行を披露していた。
「今回の機体は、飛竜への対処を主眼として設計されております。速度についても――」
上昇していた戦闘機が、急に高度を下げ始めた。
「急に下がり始めたぞ?」
「故障か?」
ブォン……ウォォンオォン……
「重力で加速して、最高速度試験に挑みます!」
戦闘機はさらに加速する。エンジン音が一段と高くなる。
ウォンウォンウォオオン……!
機体が計測区間へ突入する。
旗が振られた。
戦闘機が目の前を一気に通過する。
プゥオォォン!
遅れて風が吹き抜けた。
誰かの帽子が宙を舞っている。
「速度は!」
「140kt! 時速にして約260km/hです!」
「遅おい!」
一通りの試験を終えた試作機は、整備員たちに押されて工場併設の格納庫へと運ばれていった。
「いやあ、良い飛行機でしたね」
「我々の要求には十分達しています。制式採用の連絡をお待ちください」
「はあ、ありがとうございます」
「今後の改良にも期待していますよ」
「進めておきます……」
その後ろで、白い軍服の二人が話していた。
「我々も、航空機の導入を本格的に考える時期かもしれませんね」
「海軍からも、水上機の開発を頼むか」
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