*第55話*
久しぶりの更新です。
「ただいまぁ・・・」
『おかえり』
少しげんなりしながら家に帰ると、家にはなぜか和意外の人たちがいた。
玲、海李、望幸、和が揃っていた。
「へ・・・?なんでみんないるの・・・?」
不思議におもい聞くと、和が少し苦笑いをした。
「俺が帰ってきたら海ちゃんがいて、そのあとに望幸君がなぜかきて、そのあと玲君が唯の帰り待つからって言ってきたんだ。・・・玲君以外俺にもなにがなんだか」
「なるほどなぁ・・・。それで、海ちゃんと望幸はどうしてきたの?」
改めて聞くと、二人とも同じような声で揃って言った。
『今日は暇だったんだよ』
・・・声をそろえて言われるとどうにもなんともいえない。
玲でさえ少し苦笑いしている。
いい歳した社会人が「今日は暇だった」とか言っていいものなのかなぁ・・・。
「海ちゃん患者さんいないの?」
「なんか今日はぜんっぜんいなくてさ。暇だったから適当に切り上げてきたってわけだ」
「・・・望幸とお酒飲もうとおもって私の家にきたんでしょ」
「案外ばれんの早いな・・・」
やっぱり・・・と私はため息をつく。
どうもこうも海莉は、私の家にくれば望幸とお酒が飲めるとおもっているらしく、暇になるとたまにくるのだ。
これもどうにかしないとなぁ・・・。
「・・・望幸は?・・・残業とかはなさそうだけど、学校にいなくていいの?」
「ちょっと失礼だけど、残業もなければ残る理由もないからね。暇だったから来たんだ」
「・・・望幸も海ちゃんと__」
「飲む気満々だよ」
にこりっとさわやかな笑顔を私にむける望幸。
・・・ここでさすが兄弟だなんていいたくないけれど、言わざる得ない状況で。
「はぁ・・・。あんまり飲みすぎちゃだめだよ?体に差し支えない程度に。あと、和とか玲とかに絡んじゃわないようにね、特に望幸っ」
びしっと言うと、望幸がへらっと笑って「どーしよっかなぁ?」とかいい出してしまった。
「・・・明日はお休みだから、少しぐらいオーバーしてもいいけど、ほんっとにちゃんと体に気をつけて飲んでね?」
『はいはーい』
本当にわかってるのかな、この人たち・・・。
私は少し不安におもいながらも、ルームウェアーに着替えるため一度部屋に戻った。
******
着替えている最中、コンコンとノックがした。
「ちょっと待ってね」
ささっと着替えてドアを開けると、そこには玲がいた。
「着替えてる最中だった?ごめんね」
「ぜんぜん大丈夫だよ。どうしたの?」
「どうもしないけどなんとなくね。下にいるとどうも望幸先生が・・・」
「・・・望幸、そろそろ怒らないとね・・・。あ、でも丁度よかった!ちょっと、玲に話したいことがあるの」
「俺に?」
「うん」
玲を部屋に促す。
んー・・・どう切り出せばいいかな。
「文化祭の曲、二人で歌うことになったの」っていきなり言っていいものなんだろうか。
でもいきなり言われても「は?」ってなるだろうなぁ・・・。
そんなことを考えていると、玲がくすくすと笑いはじめた。
「な、なに?」
「いや、唯が可愛くってね。ずっと困り顔してると思えば、ちょっと閃いた顔して、でもまた困り顔して・・・百面相だったよ」
「そんなことで笑ってたのね・・・。相変わらずイジワル」
「イジワルなんて最高のほめ言葉」
そういって玲は私の頬をツンッとしてきた。
も、もう・・・・!恥ずかしいんだからっ・・・。
「真っ赤だよ?」
「玲のせいですーっ!」
「はは、ごめんごめん。怒らないで」
反省してる感ゼロ・・・。
・・・けど、もうその笑顔に負けて許すことしました・・・。
「それで、俺に話ってなに?」
「あ、そう・・・。あ、あのね?ちょっと単刀直入になったちゃうんだけど・・・いいかな」
「そういうのは聞くもんじゃないよ?まぁ返事としてはどうぞってなるけど」
自分の間違えに少し恥ずかしくなる。
・・・けど、今そんなこと考えてる場合じゃないんだよね・・・。
「あ、あのね?・・・文化祭に歌う曲、あるでしょう」
「うん」
「・・・玲、ね?この前さらっとだけど、『むしろ唯だけのピアノで歌いたい』・・・って言ってくれた、でしょ?」
「よく覚えてたね」
「うん・・・でね?それが叶ったらいいなぁ・・・とおもって、今日の放課後先生に相談しにいったら、なんかもう決定事項になっちゃって・・・。楽譜もあれだけ仕上がってたのに、なんだかごめんなさい・・・」
そう謝ると、玲はきょとんとした顔で平然と言い放った。
「別に謝ることじゃないでしょ?むしろ俺は嬉しいよ」
「え・・・?」と下げていた頭を上げると、そこには満面の笑みの玲。
「唯のピアノだけで歌えるなんて、本望だよ」
「玲・・・ありがとっ」
嬉しさに玲に飛びつくと、玲はいつもの優しく甘い笑顔で笑った。




