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規約違反者と監視AI 〜目覚めた未来で、人間扱いされたくて〜  作者: 八汐


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第三話 地上の防人

警告音が、赤く点滅する通路に響いていた。

――侵入予測、四分三十二秒。

――隔壁三番、損傷率四十六パーセント。

――避難経路Bを推奨。

「避難経路って言われてもな」

康生は、よろけながら通路を進んでいた。

床はひび割れ、壁には黒ずんだ傷が走っている。

天井の一部は崩れ、そこから何本ものケーブルが垂れ下がっていた。

それでも非常灯は生きている。

三百年以上も前の施設らしいのに、最低限の明かりだけは律儀に点滅していた。

「この施設、三百年も放置されてたんだよな」

「はい」

「なんで電気通ってんの」

「地下炉心が生存しています」

「さらっと怖いこと言うな」

「旧文明施設としては標準的です」

「旧文明の標準、信用ならねえ」

前を歩くアオイは、迷いなく進んでいく。

肩上の黒髪が、歩くたびにわずかに揺れる。

ついさっき自分で設定した外見だ。

視界に入るたび、康生の心が少し削れた。

「……なあ」

「はい」

「その身体、普通に歩けるんだな」

「外部支援端末です。歩行機能は標準搭載されています」

「戦えないのに?」

「本端末は偵察、解析、補助、対象監視に特化しています」

「対象監視って言い方やめろ」

「対象はあなたです」

「なお悪い」

アオイは振り返らない。

康生はため息をつきながら後を追った。

妙な感じだった。

身体は軽い。

息は切れない。

けれど、心だけが置いていかれている。

三百二十七年後。

自分は死んでいる。

身体はピコマシン。

元GMの監視AIが、好みの姿で歩いている。

情報量が多すぎる。

「……普通、こういうのってさ」

「何ですか」

「起きたら異世界で、美少女に助けられて、チート能力で無双するもんじゃないのか」

「あなたにはチート使用歴があります」

「そういう意味じゃない」

「能力的にも、現状では無双困難です」

「現実的な評価やめろ」

――侵入予測、三分五十秒。

通路の奥で、何かが軋む音がした。

金属がひしゃげるような、嫌な音だった。

康生は足を止める。

「今の、近くないか?」

「近いです」

「言い方」

「敵性個体が隔壁三番を突破しつつあります」

「それ、つまり?」

「急いでください」

「最初からそう言え!」

康生は走り出した。

走れる。

思ったより速く走れる。

だが、身体が軽いぶん、足元の感覚が妙だった。

地面を蹴っているというより、身体が勝手に前へ滑っていくような感覚がある。

「うわ、気持ち悪い」

「運動制御補正が未調整です」

「先に調整してから起こせよ!」

「時間的猶予がありませんでした」

「それ言われると強く責められないだろ!」

アオイの背中を追いながら、康生は必死に走った。

途中、通路の壁に透明な窓があった。

割れてはいない。

分厚い強化ガラスのようなものだ。

その向こうに、広い部屋が見えた。

壊れた装置。

横倒しになった作業台。

床に散らばる白骨。

康生は思わず足を緩めた。

「……人、いたのか」

「過去には」

「今は?」

「生体反応はありません」

「だろうな」

白骨のそばには、作業服の残骸らしき布がこびりついていた。

胸元には、見慣れない企業ロゴがある。

三百年前。

ここで誰かが働いていた。

たぶん、康生を起こすための装置も、その誰かたちが作ったものだ。

自分は、その人たちの時代を知らない。

その人たちも、康生のことなど知らなかったはずだ。

なのに今、自分だけがここで動いている。

「……気味悪いな」

「施設内の死体がですか」

「全部だよ」

「了解しました」

「了解で済ませるな」

康生はまた走り出した。

背後で、遠く低い音が響く。

ドン。

隔壁を叩く音。

ドン。

二度目は、はっきり分かった。

何かがこちらへ来ている。

「アオイ、どんな敵なんだ」

「映像が不鮮明です」

「ざっくりでいい」

「大型です」

「他には」

「多脚です」

「最悪だ」

「外骨格を持ちます」

「さらに最悪だ」

「口部と思われる器官が複数あります」

「聞かなきゃよかった!」

通路の先に、重そうな扉が見えてきた。

そこだけはまだ比較的新しいように見える。

白い扉。

横に認証パネル。

アオイが手をかざすと、認証パネルに光が走った。

――外部避難区画、開放。

扉がゆっくり左右に開く。

その先には、階段があった。

上へ続いている。

「地上か?」

「はい」

「エレベーターは」

「停止しています」

「そりゃそうか」

「上昇距離、百二十二メートルです」

「階段で?」

「はい」

康生は無言でアオイを見た。

「俺、さっき起きたばっかりなんだけど」

「歩行機能は正常です」

「心の問題!」

「評価項目に――」

「ないんだろ! 分かったよ!」

康生は階段を上り始めた。

     *

階段は長かった。

とにかく長かった。

三百年後の未来で最初にやることが、謎施設からの階段脱出だとは思わなかった。

「異世界転生って、もっとこう、草原に出るとかさ」

「ここは異世界ではありません」

「分かってるよ」

「正確には未来の地球です」

「分かってるって」

「ただし、異界接続現象の影響により、異世界と表現できる領域も存在します」

「ややこしいな!」

康生は手すりを掴みながら上る。

不思議と息は切れない。

筋肉が悲鳴を上げることもない。

だが、疲れないことが逆に気持ち悪かった。

身体は動く。

でも、自分の身体という感じが薄い。

「なあ、アオイ」

「はい」

「俺って、飯食うの?」

「摂取は可能です」

「必要なのか」

「必須ではありません。構成体維持には周囲環境からの微細物質回収と、内蔵炉心からのエネルギー供給が主となります」

「つまり?」

「食べなくても即死しません」

「便利だな」

「ただし、嗜好と精神安定のため、摂食行為は推奨されます」

「味は分かるのか」

「再現可能です」

「そこはありがたい」

康生は少しだけ安心した。

死んでいる。

人間ではない。

でも飯の味は分かる。

なぜか、それだけで少し救われた気がした。

「エナドリは?」

「摂取可能です」

「よし」

「現在、旧文明規格のエナジードリンクは入手困難です」

「世界終わってるな」

「概ね正しいです」

「そこは否定してくれ」

さらに上る。

途中、階段の壁に小さな窓があった。

外は見えない。

土と鉄骨と、何かの根のようなものが絡みついている。

地下深くにある施設なのだと、改めて実感した。

「この研究施設って、何の会社なんだ」

「旧名、神代重工先端情報研究所」

「神代重工」

「重力制御、ピコマシン群体制御、AI監視システム、軍民両用補助装備の開発を行っていました」

「民間企業の範囲、広すぎないか」

「旧文明末期では一般的です」

「末期すぎる」

「あなたの再構成体も、本施設の試験設備を流用しています」

「俺、企業の備品で作られたの?」

「備品ではありません。計画外の緊急運用です」

「それはそれで嫌だ」

階段の下から、かすかに音がした。

カン。

カン。

カン。

硬いものが、金属階段に触れる音。

康生は振り返った。

暗い下方。

赤い非常灯。

奥の方で、何かが動いたように見えた。

「……来てる?」

「はい」

「どれくらい近い」

「推定、三十七メートル下方」

「近いな!」

「急いでください」

「階段で急ぐの怖いんだよ!」

康生は手すりを掴みながら駆け上がった。

背後で、金属を引っ掻く音が響く。

それに混じって、湿った呼吸音のようなものが聞こえた。

呼吸かどうかは分からない。

だが、生き物の音に聞こえた。

「なんで、あんなのが地下にいるんだ」

「地表から侵入したものと推定されます」

「地表、危険じゃねえか!」

「地下よりは逃走空間が広いです」

「逃げる前提か!」

「現状のあなたに戦闘は推奨されません」

「分かってるよ!」

階段の終わりが見えた。

天井近くに、丸いハッチがある。

分厚い金属製の蓋。

アオイが先にたどり着き、手をかざす。

――地上封鎖ハッチ、手動開放準備。

――警告。外部環境不明。

――警告。生体汚染可能性。

――警告。重力異常可能性。

「警告が多い!」

「三百二十七年間、外部センサーの更新が行われていません」

「じゃあ開けて大丈夫なのか」

「ここに留まるよりは生存率が高いです」

「そればっかりだな!」

アオイがハッチのレバーを引く。

動かない。

「手動補助が必要です」

「俺が?」

「はい」

康生はハッチのレバーに手をかけた。

冷たい。

重い。

だが、力を入れると、少しずつ動いた。

身体は軽いのに、妙に力は入る。

「うわ、気持ち悪いけど便利」

「出力補助が正常に作動しています」

「これ、俺がすごいのか身体がすごいのか分からん」

「身体です」

「少しは気を使え!」

ハッチが開いた。

隙間から光が差し込む。

白く、眩しい光。

康生は思わず目を細めた。

風が入ってくる。

土の匂い。

錆の匂い。

草の匂い。

そして、どこか焦げたような匂い。

「外だ」

康生は呟いた。

アオイが先に外へ出る。

続いて康生も、ハッチから地上へ這い出した。

     *

そこは、森だった。

いや、森のようなものだった。

木々は生い茂っている。

草もある。

風も吹いている。

だが、康生の知っている森ではない。

木の幹には、金属のような光沢を持つ筋が走っていた。

葉の一部は半透明で、陽の光を受けるとガラスのように輝く。

地面には苔と蔓が絡み合い、その隙間に、錆びた金属片が埋まっている。

遠くには、巨大な構造物の残骸が見えた。

高架道路だろうか。

途中で折れ、斜めに傾いたまま、森に飲み込まれている。

さらにその奥。

霞んだ空の下に、ビルの残骸のような影が立っていた。

街だったもの。

康生は、言葉を失った。

「……日本、なんだよな」

「はい。旧福岡県北部です」

「福岡って、こんなんだったっけ」

「あなたの記憶時点とは大きく異なります」

「そりゃそうだろうな」

空は青かった。

だが、青の中に、薄い虹色の膜のようなものが漂っている。

雲の形もどこかおかしい。

一部だけ、渦を巻くようにねじれていた。

康生は空を見上げた。

「なんだ、あれ」

「局所重力歪みの残滓と推定されます」

「空に残るもんなのか」

「残っています」

「説明になってねえ」

足元で、草が揺れた。

康生は身構える。

だが、動いたのは小さな虫のようなものだった。

ただし、その虫には足が八本以上あり、背中に小さな水晶のような突起が生えていた。

康生は黙って一歩下がった。

「……虫も変だな」

「環境適応個体です」

「触らない方がいい?」

「推奨しません」

「だよな」

遠くで、低い音がした。

地下から聞こえていたものとは違う。

もっと生き物らしい、獣の唸り声。

アオイが顔を上げる。

「敵性反応」

「さっきの地下のやつか」

「別個体です」

「別もいるのかよ」

「はい」

草むらの向こうが揺れる。

康生は息を呑んだ。

出てきたのは、犬ほどの大きさの生き物だった。

いや、犬ではない。

四足歩行。

背中は硬い甲殻に覆われている。

頭部に相当する場所には、目が三つ。

口は横ではなく、縦に裂けていた。

その口から、細い舌のようなものが数本垂れている。

「うわ」

康生は素直に声を漏らした。

「小型敵性個体です」

「小型でこれ?」

「はい」

「大型見たくないな」

「推奨しません」

小型個体が、こちらを見た。

三つの目が、同時に康生へ向く。

次の瞬間、そいつは飛びかかってきた。

「速っ――」

康生は反射的に腕を上げた。

避けきれない。

そう思った瞬間。

横から何かが飛び込んできた。

鈍い音。

金属と甲殻がぶつかる音。

小型個体の身体が、横に弾かれた。

康生の前に、丸い盾があった。

その盾を構えているのは、若い男だった。

十代後半くらい。

短く切った髪。

日に焼けた肌。

汚れた防具。

背中には、古びた荷物。

男は盾を前に出したまま、康生たちに叫んだ。

「下がれ!」

「え、誰」

「いいから下がれ!」

男は踏み込む。

小型個体が体勢を立て直し、再び跳ぶ。

男は盾を斜めに構え、衝撃を流した。

そのまま腰の短い槍を抜き、甲殻の隙間に突き込む。

ぎち、と嫌な音がした。

小型個体が暴れる。

男は顔をしかめながらも、盾で押さえつけた。

「今!」

「今って何を!」

「石でも何でもいいから投げろ!」

康生は慌てて周囲を見る。

石。

石はある。

康生は足元の石を拾って、小型個体へ投げた。

当たった。

こつん、と軽い音がした。

小型個体はほとんど怯まなかった。

男が一瞬だけこちらを見た。

「……本気か?」

「本気でこれなんだよ!」

「戦えないなら後ろ行け!」

「それはそう!」

男が盾で押し込み、槍をさらに深く刺す。

小型個体の身体がびくんと跳ねた。

アオイが冷静に言う。

「右前脚付け根、甲殻薄弱」

「それを先に言え!」

康生が叫ぶより早く、男はその声に反応した。

盾を押し当てたまま、槍の角度を変える。

右前脚の付け根を貫く。

小型個体が甲高い声を上げ、動きを止めた。

男はしばらく警戒したまま、槍を抜かなかった。

やがて、完全に動かなくなったのを確認して、ゆっくり息を吐く。

「……助かった」

康生は、その場にへたり込みかけた。

「お前がな」

男は盾を下ろし、康生を見た。

警戒している目だった。

当然だ。

地下施設から出てきたばかりの、よく分からない男。

その隣には、妙に綺麗な少女。

服装も、たぶんこの時代のものではない。

怪しまない方がおかしい。

男は槍を構え直した。

「お前ら、どこから来た」

康生は地下ハッチを指差した。

「そこ」

男はハッチを見る。

そして顔をしかめた。

「旧文明の穴か」

「穴」

「遺構だ。勝手に開けるな。中に何がいるか分からないだろ」

「いや、中から逃げてきたんだけど」

「じゃあ何か出たのか」

康生は階段の方を見た。

地下から、まだかすかな音が聞こえている気がした。

「たぶん」

男の顔色が変わった。

「閉めろ!」

「え」

「早く!」

男は盾を持ったままハッチへ駆け寄った。

康生も慌ててレバーを掴む。

アオイが認証パネルに手をかざした。

「手動閉鎖補助を開始」

「お前、こういう時は助かるな」

「私は支援端末です」

「監視カメラじゃなかったのか」

「兼用です」

「最悪だな!」

三人でハッチを閉める。

直後、地下側から何かがぶつかった。

ドン、と重い音。

康生はレバーを握ったまま固まった。

もう一度。

ドン。

ハッチがわずかに震える。

男が顔をしかめる。

「大型か?」

「多脚で外骨格で口が複数あるらしい」

「最悪だな」

「俺もそう思った」

アオイがハッチのロックを確認する。

「封鎖完了。ただし耐久性は不明です」

「不明ばっかりだな」

男は康生とアオイを交互に見た。

「お前ら、何者だ」

康生は答えに詰まった。

何者。

自分でも分からない。

現代人。

死人。

人格ログ。

ピコマシン集合体。

規約違反者。

どれを言っても怪しい。

「……迷子?」

男の眉間に皺が寄った。

「ふざけてるのか」

「いや、わりと真剣に」

アオイが淡々と言った。

「彼は石田康生。三百二十七年前に死亡した人間由来の人格ログをもとに構成された、ピコマシン集合体です」

康生はアオイの肩を掴んだ。

「初対面の相手に全部言うな!」

男は一歩下がった。

盾を構え直す。

「旧文明の残骸か」

康生は両手を上げた。

「待て待て。俺にもよく分かってない。ついさっき起きたばっかりなんだよ」

「起きた?」

「その穴の中で」

男は康生を見た。

それからアオイを見る。

「そっちの女は」

「私はAdaptiveOversightIntelligence。適応監視知性、A.O.I.です。外部支援端末として――」

「長い長い。アオイでいい」

康生が割って入る。

男はしばらく無言で二人を見ていた。

そして、短く息を吐いた。

「……人に見える」

「俺もそう思いたい」

「血は出るのか」

「知らん」

男の表情がさらに険しくなる。

康生は慌てて言った。

「いや、さっき起きたばっかりだから。本当に分からないんだよ」

男は槍を下げないまま、少しだけ距離を取った。

「俺は藤倉亮太」

「藤倉」

「近くの集落の防人だ」

「防人」

「外から来るやつを見張ってる」

亮太はハッチをちらりと見た。

中から、また小さな衝撃音がした。

「……今は話してる場合じゃない。ここから離れるぞ」

「どこへ」

「俺たちの村だ」

「信用していいのか」

亮太は康生を見た。

「信用してない」

「正直だな」

「でも、ここに置いていくと死ぬ」

康生は少し黙った。

死ぬ。

自分はもう死んでいるらしい。

それでも、また死ぬかもしれない。

妙な話だ。

「……助けてくれるのか」

「敵かどうかは、村長が決める」

「村長」

「俺は、今ここで死なせるほど薄情じゃないだけだ」

亮太はそう言って、盾を背負い直した。

康生はアオイを見る。

「どうする」

「同行を推奨します」

「危険は?」

「あります」

「だよな」

「ただし、単独行動より生存率は上昇します」

「また生存率」

アオイは無表情のまま言った。

「現在のあなたは、地上環境に関する知識が不足しています」

「それはそう」

「藤倉亮太は現地人類であり、武装し、敵性個体への対応経験があります」

「それもそう」

「利用価値があります」

「言い方!」

亮太がこちらを見た。

「今、利用って言わなかったか」

「言った。こいつはこういうやつなんだ。悪気があるかは分からん」

「悪気はありません」

「なお悪い」

亮太はしばらくアオイを見ていたが、やがて諦めたように息を吐いた。

「変なのを拾ったな」

「拾われた側としても、だいぶ困惑してる」

「歩けるか」

「歩ける。たぶん」

「なら来い。日が傾く前に森を抜ける」

亮太は森の奥へ歩き出した。

アオイが続く。

康生も、その後を追おうとした。

その時、ふと振り返る。

ハッチがあった。

自分が目覚めた場所。

三百年以上眠っていた場所。

いや、眠っていたのではない。

作られた場所。

その下ではまだ、何かが金属を叩いている。

ドン。

ドン。

康生は小さく呟いた。

「……最悪の目覚めだな」

「最初の規約違反が原因です」

「まだ言うか!」

アオイの正論に叫び返しながら、康生は歩き出した。

知らない森。

知らない空。

知らない時代。

その先にある村も、きっと康生の知っている日本ではない。

だが、今は行くしかなかった。

三百二十七年後の福岡で、規約違反者は初めて現地人に拾われた。


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