里帰り
更新1日遅れました、もし待ってていただいていたらごめんなさい。楽しんでいただけると嬉しいです☆彡
翌日朝からクラウスは忙しかった。
妖精王から俺の庭への道をつなげるよう打診され、俺を叩き起こし、妖精王の前にかしこまっていた。
朝まだ早く、俺は寝ぼけ眼でぼさぼさの髪のまま妖精王の前にいた。
一応髪は撫でつけてみたのだが、俺の強情な髪はぴんぴんとはねたくり、結局ぼさぼさヘアー。
結果、そのまま食堂へやってきた。
妖精王御一行様は蜂蜜とジュースをおいしそうに飲んでいた。
「いやぁ美味、美味」
ご満悦である。
一応この屋敷の当主であるティにお伺いをたて、俺が良いならと言われたので俺も呼ばれたということらしい。
「で、どうだ。道はつけてもらえるのかな?」
「それは問題ありませんが、蜂蜜とか摂取されるのでしょうか?」
「いや、あそこは生気が濃いのでいさせてもらえるだけでいい。そりゃたまには蜂蜜やジュースをごちそうしてもらえるのならそれは至福であるが。道をつけてもらえるなら日々の管理はこちらでみよう。採取も手伝う。」
「いいですよ。あの庭は俺の趣味なんで管理も俺がしますし。いるだけなら好きに居てもらってかまいません、大丈夫です。」
俺が言うと王様は嬉しそうにその一文を和平条約に盛り込んだ。
あら…和平条約に入れられた模様ですが、大丈夫だろうか…?
俺の心配をよそにみな和やかに今回の会談はすべて終わり、妖精王御一行様は帰って行った。
その後、早速妖精族の扉が設置され、日に何人かこの庭へ遊びに来ることとなった。
妖精族は虫たちとも意思疎通できるらしくあっちの木の受粉、こっちの畑の受粉と色々指示してくれているらしい。
おかげでうちの畑は次回も大豊作な予感で嬉しい限り。
朝、妖精王をお見送りするとクラウスがティを庭に呼び出した。
「どうするかきまりましたか?」
そういえば今日俺の里帰りに付き合うのはどっちかって話だったな。
「1か月もひろむとはなれるなんて無理です。」
「じゃぁ、あなたがいくんですね?」
「ヴ…」
「そうですよね、あなたにはかたづけなければいけない仕事が山積みですからね。では今回はあなたはお留守番ということで。」
「ひとつだけいわせてください。」
「なんですか?」
「帰りの生気の補充は絶対にひろむでしないでくださいね。」
「もちろんです。ひろむの意にそわぬことはしないと誓いましょう。」
「神に誓って」
「神に誓って」
話がついたところで俺はクラウスと里帰りすることになった。
ここで道をつなげるにあたっての注意事項を聞いた。
こちらと向こうをつなぐのは簡単だが、どこへつながるかの指定はできないらしい。
あの角の空中が一番道がつながりやすいようで、だからみんなあそこへ落ちてきたらしい つまりは地上につながる可能性も0ではないが、どこへつながるかは運次第ということらしい。
ということで、俺はクラウスにしがみつくようにして魔法陣をくぐることとなった。
クラウスは羽根をみえなくしているだけで、ちゃんと羽根があるから空中に放りだされても問題ないが、俺は落下するしかない。
もし断崖絶壁に道がつながったら…俺はいきなり天国への階段を一人で登ることとなる…
クラウスは向こうへ跳ぶ瞬間、俺を抱きかかえた。
そしてやはりつながったところはあのコンビニ近くの角の空中。
ふわりとクラウスが降り立つ。
「つきましたよ、ひろむ」
怖くてぎゅっと目をつむり、クラウスの首にしがみついていた俺は恐る恐る目をあけた。
あぁ、見覚えのあるコンビニの灯りが見える。
なんて懐かしい半額弁当。
もどってきたんだなぁっとしみじみ。
そして気が付く
「わぁ、ごめん。クラウス、俺重かっただろ。」
クラウスの腕から飛び降りた。
「ひろむは羽根のように軽かったですよ。」
にっこりと笑われてすこしドキッとする。
いつもの道を家へ急いだ。
家の表札はまだ俺の名前がかけてあった。
なんで?解約してない?
鍵もいつものところにおいてはあったが、開いていた。
部屋に入ると巨大な繭…?いや、羽根の塊。
ま、まさか…
塊から赤川が顔を出した。
「あれ?おかえり?出戻りか?」
羽根が開くと、カーエルと…しのぶ君?
カーエルの胸にしがみつくしのぶ君と優雅に横たわるカーエルがいた。
「なんだ、まだいきておったか。」
「生きてます!」
「カーいくら和平が締結されたとはいえ、そろそろ戻ってきてください。仕事はほかにもいろいろあるんですよ。」
クラウスの言葉にげんなりとした顔で
「我はいなくても仕事ならほかにまわせばよかろう。誰にでもできる簡単な仕事であろう。我はこいつらを愛でるのに忙しいのだ。クラウス、帰りの生気を補充せんとだろ、まざるか?ひろむもこい」
「毎回言ってますが、まざりません。なんで俺ん家で解約もせずみんなあつまってるんだよ」
「都合がいいので契約更新した。ここはたまり場となったのだ。」
えらそうにふんぞりかえる赤川から目をそむけ
「そう、ふんぞりかえるのはいいから、服着ろ、お前らいつから裸族だよ。」
「あれ?そういえば…服…」
「なに、服だけどっかへ脱ぎ捨ててきたのか?」
「思い出した、俺たち銭湯へ行ったんだった。銭湯行って、風呂はいって、そしたらこいつらが盛りだしたからここへ移動したんだった。服はまだ銭湯のロッカーの中だ」
「で、どうすんだ。素っ裸で取りに行くのか?」
「しかたない、我がとってきてやろう。」
カーエルが姿を消し、ばさばさと音だけ残し取りにいった。
「ちゃんと帰ってくるんですよ。」
クラウスの声も届いたかどうか。
「で、お前は何しに出戻ったんだ?」
「出戻りじゃなくて、里帰りだ。」
「里帰り?1か月で?」
「向こうでは2年くらいはたってるの。なにも言わずに向こうへ行ったから…俺はいなくなるってちゃんとお別れいっとかないとって。」
「カーエルにきいた。こっちの1日が向こうの1月なんだっけ?」
うんとうなずく。
「なら適当に何年かおきに帰ってきたらいいじゃん。」
「何年かおき?」
「別に男が実家になんか普通でも1年に1回くらいしか帰らないだろ。紹介する彼女もいなくて報告することもないとかって言ったら5年くらいは音信不通でもおかしくはないだろ? まぁ実家の方でなにか連絡あれば別だろうけど。」
「その実家でなにかが怖いじゃん、俺連絡とれないし。 それならちゃんといっておかないと。」
「そか、まぁ好きにしな。 たまにはかえってくるんだろ?」
「うん、そうだね。向こうの何年かおきにくらいなら帰ってこれるよね…」
話しているとカーエルが服を持って帰ってきた。
「では、ひろむの実家に行ってきます。カー帰る準備しといてくださいね。」
「ただいま」
おそるおそる玄関に入る。
「あら、おかえり…どっかの仮装パーティ帰り?」
「なになに、おにいちゃん バリにでも行ってたの?お土産は?」
「え…?」
俺は向こうでの格好のままだった。
向こうではゆったりとした1枚布をつまんで服にしたものが好んで着ていた。でそのままそれを着てきてしまっていた。
どうしよう着替えてくるの忘れてた。
言い訳をかんがえていると横からクラウスが話し出した。
「初めまして。わたくしクラウスと申します。ちょっと余興で着た衣装のままですみません。」
「あ、あら…ひろむったらお友達つれてきたのね。さぁあがってくださいな。」
ぽっと頬を赤らめた母がスリッパを出してくれた。
さすが魅了の天使様。
母はクラウスを案内して居間へ入っていく。
俺の裾をつまんでひっぱる妹が耳元で
「おにいちゃん、あの人だれ? すごくきれいね。 もしかしてお兄ちゃんの彼氏?」
とテンションがややバグってる。
「ちがうよ、ばか。」
居間に行き、父と母に写真を見せた。
事前に女体化したティを撮らせてもらっていた。
綺麗な金髪美女が俺の横で微笑んでいた。
「俺、結婚したんだ。何も言わなくてごめん。 向こうで所帯もって…」
「あら…外人さん? どこの国の人? きれいな人ね。あんたもしや妄想結婚じゃないでしょうね。」
言うにことかいて、なんてこというかな。
まぁいいたくなる気持ちはわかるけど。
「ちゃんと…いや、まだか…今はまだ婚約だった。」
「逃すなよ、兄貴。次はないと思って死ぬ気で結婚までちゃんとゴールしろよ。」
「そうだよ、おにいちゃんみたいな人を好きになってくれるような奇特な人なんてもう現れないかもしれないんだからね。こんなきれいな人 逃したらだめだよ。」
妹よ、弟よ、俺の評価って…
「で、今は同棲中ってこと?所帯もったって、どこで?仕事はどうしたの?ちゃんと行ってる?」
「仕事はやめて彼女の会社を手伝ってる。」
「経営者さんなの?すごいわね。」
「で、今どこにすんでるの?外国?」
「そだね…」
「外国のどこ?」
それ以上きかないでほしい。
「んっと…携帯とか使えなくって、連絡つかないけどたまに帰ってくるから。」
「で、どこよ。」
なんだか雰囲気があやしくなってくる。
どこといわれましても…
「なにもない小国ですよ。」
クラウスが助け船をだしてくれるがうちの家族はしつこかった。
「どこって言えないなら、つれていきなさい。」
「それは異世界なのであなた方をお連れすることはできないのです。」
言っちゃったよ。クラウスの言葉になんだかみんなぼんやりした目で
「そうなんだ…行けないんだ。」
「そうね、遠くだといけないわね。」
「お兄ちゃんの婚約者さん会いたかったなぁ。」
「海外いってみたかったなぁ」
と口々に答えた。
「クラウス、なにしたの。」
こっそり俺がきくとクラウスはにっこり笑って
「幻惑のようなものをね。明日になれば夢だったかな?くらいに思います。家に帰りましょう」
といって、実家を出た。
せっかく報告したのに、夢にされたら来た意味なくないか?
とは思ったがあれ以上追及されてもこたえられるはずもないので今回はこれで良いことにした。
家に帰るとまだ繭が転がっていた。
「あなたたちは…いい加減にしなさい!」
めずらしいクラウスの怒鳴り声に3人が飛び出てきた。
「カーエル様、続きは?」
「お前はねだり上手だな。大丈夫続きは康介の家でな。」
「しのぶは甘え上手の床上手で一番のおきにいりなんだ。」
お気に入りなんだ じゃねぇよ。
お前らまとめて宇宙のもくずになってしまえ。
真っ赤になりながらいまにも口から火を噴きそうな俺をちらっと横目でみて、2人はカーエルにつかまり空にまった。
「カーエル、明日のお昼には帰りますから。ここまできてくださね。絶対ですよ。」
明日のお昼、本当にくるのかな…
誤字脱字、変換ミスてんこ盛りかもですが、速やかに訂正していきたいと思っておりますので、長い目で見てやってください(>_<)




