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舞い降りた天使たち  作者: 結城南


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16/20

色々な事情

楽しんでいただけると嬉しいです☆彡

和やかに和平交渉が終わると妖精王が右手に控えていた従者、庭であった彼を差し、

「そういえば、庭の奥でこいつと出会ってじゅーすとかいうのをちそうになったと聞いたが、私にもごちそうしてもらえないだろうか。大層うまかったときいたのだが。」

「あ、はい。よろこんでぇ。」

訳のわからぬままただティのそばにいた俺は慌てていつもの居酒屋チックに叫ぶと庭へ急いだ。

もらえないだろうかって王様にしては気軽くないか?

普通王様って飲んでやっても良いくらいの横柄な態度だと思うのだけど、そういえば従者と言われた彼の方が王様っぽかったような…

さすが和平を結んだとはいえ敵地の真っただ中へくるだけはある。

腰の低い王様だ。と感心してしまう。

ついてきていたクラウスは厨房へ行き、小さなカップとかをセッティングしてくれた。

俺は庭へ行き、おいしそうなみかんやリンゴを大量に収穫する。

でもさすが異世界、季節関係なく全部一斉に実っている…

りんごとみかんを一緒に収穫って…

とか思いながら急いで厨房に戻り、半分に切ったミカンを水差しに絞った。

リンゴはすりおろして、布でこす。

2種類の果汁100%ジュースができあがった。

「多めに作ったので、みなさんも飲んでみてくださいね。」

そういって厨房のみんなにもおすそわけした。

最近は俺の作った果物や野菜もおすそ分けしているので厨房の人たちも結構好意的。

たぶん…あれから毒殺騒ぎはおきてないし…

もう大丈夫だと思いたい…

さっきの部屋に戻るとクラウスが用意したみんなのカップにジュースを注いでいく。

ティがカップをもち、「神に感謝を…」

というと一口飲んだ。いただきますのかわり?

それをみてみんなが口をつける。

「これはなかなか、気に入った。」

そして、おかわりしようとしたので

「りんごでも作ったので、よろしければこちらもどうぞ。」

と、俺がリンゴのほうを注いだ。

「人間族か?」

「わたしの白き巫女です。」

ティが胸をはる。

なんで…?

「ほう、お前の持ち物か。」

「ちがいます。わたしの愛する人です。」

そう言って俺の肩を抱き寄せた。

なんか恥ずかしいけどうれしい。

「酔狂な、下等な人間族と婚姻を結ぶなど…生きるために食事などせぬといかん下等生物が…」

王様の左隣に控えていた従者の言葉になんとなくむっとする。

「でも、これはおいしいでしょ?食事しないとこのおいしさには気づけませんよ?」

「うむ。これは確かに美味であるな。」

王様は美味しそうに飲み干した。

言った従者はバツが悪そうに黙ったがまだなにか言いたそうに見えた。

食事しないのに美味とかはわかるんだ。

りんごの方もおいしそうに平らげ、どこにそれだけはいるんだろうと思うくらいたっぷりとおかわりして飲み干した妖精王一行は今日は客間で1泊することとなり 部屋へ行ってしまった。

部屋から出るとき、控えていた彼が俺に笑顔で一礼していったのが印象的だった。

それからティの書斎に場所を移し、今回の事を説明してくれた。

「カーとルゥがひろむのとこへ行って1ひとつきこちらでは約1年、二人のいない戦線は崩壊しつつありました。

一応参謀であるティもいなくなってましたしね。

もともと先頭で派手に戦っていた二人が突然姿を消したことで、戦線は押され、天使族は敗走につぐ敗走でかなり旗色がわるくなっていたのですが。妖精族やエルフ族の攻撃も決定打に欠き優勢ではあるものの、ほぼ硬直状態におちいっていました。事情の分からない向こうとしてはいつ二人が復帰してもおかしくないのですから、優勢なうちに和平を結んでしまおうと思っても不思議ではありません。我々も二人がいつ戻るかわからない以上、これ以上戦線を悪化させるのは得策ではないと思い、和平をきりだしました。私は和平を言い出す前に二人を呼び戻すべくそちらへいったので和平のいきさつはいまいち存じあげませんが。

そして、3者一致で和平が結ばれました。

カーは和平交渉には自分は必要ないだろうと帰ったとたんにさっさと向こうへもどってしまいましたから、戦闘はもはや再開されることはないでしょう。

今回はとりあえず戦場で結んだ和平の内容を詰める交渉で妖精王直々に来られたようですが、妖精王の従者殿が言うには襲撃者はおそらくエルフ族ではないかということでした。まだ確認はとれておりませんが。

ここへ来る途中に、認識阻害のフードを被った男に襲われたと。

屋敷が近かったので、王を屋敷へほかの従者と共に逃がし、一人で戦ったそうなのですが、なにぶん相手も結構な手練れで負傷して、庭に迷い込んだらしいのです。

庭には不審者よけの結界がはってあるので、その襲撃者は入ってこれなかったのでしょう。

妖精族も別に食事はしなくてもいいのですが、蜜を好みますので、甘い匂いに誘われてひろむの育てている養蜂箱の蜜に引き寄せられたということらしいです。」

だから、養蜂箱に張り付いていたのか。

じゃぁ果汁ジュースじゃなくて蜂蜜あげたほうが喜んだのかな?

そんなことを考えていると一人のメイドさんが入ってきた。

「人払いをしているはずですが?」

クラウスの鋭い声にも反応しない。

俺をにらみつけたまま、まっすぐこちらへ歩いてくる。

「なぜ、お前はまだ生きている。白き巫女は私がなるはずだったのに。なぜ、男のお前が白き巫女になる。」

ぶつぶつと言いながらこちらへ速足で向かってきた。

振り上げた手にはナイフが光っていた。

クラウスとティが俺の前で守ってくれた。

「やはりあなたでしたか、監視は付けていたのですが、まさか直接襲いにくるとは…しかもこのタイミング…誰かにそそのかされましたか…?」

まだ黒幕がいると?

「男のお前になにができる。ティリエル様には私がいるというのに。子も産めないお前がなぜここにいる。男のくせに白き巫女などと…ティリエル様、あなたの白き巫女は私ではないですか。なぜそんな異世界の男など…」

入ってきた衛兵に彼女を渡し、クラウスが立ち上がって膝を払う。

「怖い思いをさせましたね、すいません。」

「いや、彼女の言うことはもっともだし。俺、ティにほかに奥さんいてもいいからな。確かに子供うめないし、お前ここの当主なんだろ。跡継ぎは作らないといけないしな。」

俺が言うとティががばっと俺を抱きしめた。

「ほかに迎えたりなんかしません。跡継ぎはクラウスかルゥの子供がなればいい。私はひろむ以外誰もいりません。」

言いきられてうれしかった…が、きっとそんなわけにはいかないだろう。

わかっているから、もしほかの人を迎えても俺は心穏やかにいようと決心した。

「彼女にめぼしはつけていたのですが、あの一件以来毒混入事件は起こっていなくて彼女がやったという確証が得られなかったのです。ほかに行動を起こすこともなく。なぜ今なのか。彼女は操られていたのかもしれません。」

「操る?」

「魅了などで操る時、あまり複雑な命令だとミスがでやすくなるので、簡単な命令しかださないのが普通なのです。」

あぁ、カーエルの「来い」とかか、思わず納得する。

でも時間指定くらいできなかったんだろうか。

「一人の時に襲え」とか、まぁ俺はおかげで助かったけど、襲われたのがクラウスとティのいてくれる時で。

「きっと今ですね。ちょっとお待ちください。」

そう言って突然クラウスが部屋から出て行った。

なにが今?

そしてクラウスはホームズ衣装を着てパイプをくわえて戻ってきた。

「ごほん、妖精王様たちが襲われたのも天使族かエルフ族かは見分けがつかないように認識阻害のフードをきていたらしいですし。うまくいけば天使族と妖精族を疑心暗鬼におちいらせるように仕組まれたのかもしれません。

妖精族には天使族が襲ったと思わせ、天使族には妖精族がありもしない襲撃を抗議して、難癖をつけていると思わせる…?

その混乱に乗じてあなたを殺せば…怒ったティが妖精族との和平交渉を反故にするということをねらったのではないでしょうか。

まさか襲撃後にこんなに和やかにお茶会しているとは思ってもいないでしょう。エルフ族は昔から頭足らずが多いと聞きますが、こんな作戦がうまくいくとでもおもったんでしょうか。」

クラウスの鼻でふんっと笑うのをみて エルフ族、きらわれてるなぁと思わずにはいられない。

自分の推理に満足したのかパイプをくわえ優雅に椅子に座る。

「クラウスってホームズ好きなの?_」

「はい、向こうへ行ったとき何冊か参考のため本を借りてきたのですが。その中にあったホームズがとてもきにいりまして…」

借りて…?

「私がこの世界の事を知りたいので本がほしいが、お金をもっていないと言うとご近所の親切なご婦人方が図書館へいけばいくらでも読めると。で、そこからもちだすには図書カードというものがあれば持ち出しも可能だといわれました。」

まてまて、図書カードつくるには身分証明しないとだろ。

「これです。」

クラウスが差し出した図書カードには俺の名前が…

どうやって作った。

「ひろむの家にありましたよ?」

いつの間にみつけたんだ、それを勝手に…良いのか?他人が使っても

まぁ俺は、本借りないから俺は別にいいけど…っとそこでふと思い立った

「ってことは本返しに向こうへいくんだよな。俺も連れてって。」

「やっぱり返しにいかないといけませんか…」

「借りたものは返す、あたりまえだろ。」

さてはこいつ借りパクするつもりだったな…天使がそんなことして良いのか。

「しかたありませんね。わたしも同行します。」

ティが言うとクラウスが慌てだした。

「だめです、屋敷をからにするつもりですか。」

「だって、向こうで1日もいたら私は1か月もひろむに会えなくなりますよね、そんなことたえられるはずないでしょ。」

はぁっと大きなため息をつき、クラウスがおれた。

「わかりました、本はひろむに託して私がこちらに残ります。」

えらくあっさりひいたな?

「そのかわり、カーを連れて帰ってくださいね。」

「え…無理」

即答かよ。

「なら、私が行くのであなたはお留守番です。」

前門の虎、後門の狼的に固まってしまったティの肩をポンポンと叩き、クラウスは悪魔の微笑みで

「明日、向こうへ行くまでにお返事を…」

そう言って退出していった。

頭を抱えて悩むティを残し俺も自室へ帰った。

いろんな事を見聞きしすぎて頭ぱんぱんで疲れてしまった。

久しぶりの里帰り、こっちにすでに2年ほどいるから、向こうでは…そこで俺の意識は闇の中へ落ちて行った。












誤字脱字、変換ミス等てんこ盛りかもですが速やかに訂正していきたいと思っておりますので長い目で見てやってくださいm(__)m

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