第二十二話の2 見世物小屋の夜
「あら、ミラちゃん今日もきたんだね」
「うん! 縄抜けできるようになったの! 次は檻から出る技を教えてもらうのよ!」
ミラは数日に一度、学校が終わると走って広場にやってくるようになっていた。
最初はチケットもないためテントの周りをうろうろするだけだったが、いつの間にか雑用を手伝うようになり、縄抜けを習ったり、ナイフ投げを見よう見まねで真似して「危ない」と仮面の男がすっとんできて自分がすっころんだり、団員たちの心を和ませるようになっていた。
「憲兵! 憲兵はどこだい!」
仮面の男が広場前でビラを撒いていた時だった。
エプロンをかけた商人風の女が慌てたように走ってきた。
「おばちゃんどうしたんだい」
「人さらいが出たんだよ! 外で遊んでた子供が数人連れていかれた」
「そりゃ大変だ」
「おい、数日前に王都から注意するよう情報が出ていた違法奴隷商じゃないか?」
「ギルドにも知らせろ!」
市民たちが集まり、騒がしくなってきた。
「…お前たち」
「はい」
仮面の男の声に団員らが集まってきた。
「この場所を憲兵と、親が集まる場所として提供するように。食事も提供を」
「承知しました」
男女複数の団員が頭を下げる中、仮面の男は静かに姿を消した。
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