075 終わりは始まり
「……ぃ………ぉい……おい!!起きろって!大丈夫か!?」
…ん?ここは……
目の前には大柄な男……先輩??
「良かった、気が付いたか。旧校舎に飛び込んだと思ったら勝手に鍵はかかるし。
と思ったらすぐに開いて、入ったら中で寝てるし。しかもなんか増えてるし。」
周りを見ると、若葉、里穂姉、海斗兄の順番で肩を寄せて座り込んでいる。3人とも体をもぞもぞさせ、今にも目を覚ましそうだ。
「先輩、その格好、12月に寒くないんすか?」
「何バカなこと言ってんだ。まだ5月だよ。」
5月?
そういえばさっき先輩、旧校舎に飛び込んでって言ってたよな。ってことは、もしかして……
入り口にかかっている時計が目に入る。
時間は……16時35分。
「えっ、じゃあ俺達……えっ!?」
頭が追いついてこない。どうなってんだ??
「お前寝ぼけてんのか?
ほら、さっさとそこの3人も起こしてから、練習に戻ってこい!!
ランニング、文句は言わせねーよ??」
つまり、あの半年は、こっちの世界では1分にも満たなかったってこと?
そもそもあの半年は……本当に現実だったのか?
バサッ。俺のカバンから、何かが落ちる。
引き寄せられた目線の先には……
「いや、現実だよな。」
フッと笑みがこぼれる。
茶色い革表紙の本。
開かれたページには、一言、こう書かれていた。
『終わりは始まり。』
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ここまでは、私のシナリオ通り。
彼らの運命は、私の手の中にある。
彼らは、この理不尽な運命を正すための、
欠かせないピース。
正しき結末へ。
ここからが本番だ。




