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STORY TELLER  作者: 茶々丸
魔法邂逅編
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047 全学校対抗ハイラスマーレ魔法大会


「さぁ、いよいよ待ちに待った年に一度のビッグイベント、全学校対抗ハイラスマーレ魔法大会の開幕です!!

選手の入場です!!拍手をお願いします!!」


センターコロシアムに割れんばかりの歓声と拍手が響き渡る中、入場行進が始まった。


全学校対抗ハイラスマーレ魔法大会。年に一度のこの行事は、王国全土の学校が一堂に会し、魔法競技で対決する国一番のビッグイベントだ。

この大会で優勝した学校は、その年のチャンピオンスクールとなり、国からの補助金アップだけでなく、大企業やエリート魔導部隊へのスカウト、入学希望者が増えるなど、とにかく良いこと尽くしらしい。

ハイラスマーレ魔導高等学院は、対抗戦には参加しないのだが(参加したら1位は確定だろうし)、代わりに大会の最後に高等学院生徒対抗戦というものが行われる。

ルールは単純明快。4人以下のチームを編成し、なんでもありの魔法合戦。最後まで立っていたチームが勝利というものだ。

だからこそ最高に盛り上がる種目となっており、これを見るために高額のチケットの争奪戦が繰り広げられる。


特に今回の高等学院対抗戦は注目されている。

理由はもちろん、運命の本、『STORY TELLER』の行方だ。

世界に3冊しかない伝説の本を、一体どんな前途ある若者が手に入れるのか、人々は注目しているのである。


なぜ国の宝が学生の大会の優勝賞品となったのか。


それは異世界から来た4人を元の世界に返すため。


だから、私達は絶対に負けるわけにはいかないんだ。




墓地での戦いから、2週間。


1番の重症だった里穂姉は、自分にかけていた自動回復魔法と太陽の必死の介抱のおかげで、なんとか一命を取り留めた。

ハイラスマーレ城の病院に運ばれた後は、お医者さん達の頑張りもあり、次の日の朝には意識が戻り、みるみる内に回復して1週間で退院することができた。


里穂姉は、あの時の痛みについて、


「出産の時の痛みって、きっとあんな感じなんだと思う……」


と顔をしかめて解説していた。


ちなみに、実際には出産の痛みの方がすごいんだけど、それを里穂姉と私が身をもって知るのは、まだまだ先の話。


太陽と海斗兄は、魔力の使いすぎと死闘を通じての精神的な疲労、多少のケガはあったものの、ほとんどのダメージは里穂姉が肩代わりしていたため軽傷で済んだ。



あの日、太陽達が貴族会議に潜入しに城を出発した後。

とにかく3人のことが心配で心配で……でも、私が行っても足手まといになるだけだからと自分に言い聞かせながらソファーで転げ回っていると、久しぶりにみんなでご飯を食べようとマーレが部屋を訪ねてきた。

きっと自分が思っている以上に暴れていたのだろう。鍵もかかっていなかったので、何事かと入ってきたマーレに発見され、隠し通すことも出来ず……


今となっては、本当に良かったって心から思っている。だって、マーレが訪ねてくれなかったら……私が隠し通してしまっていたら……



考えただけで恐ろしくて……



話を聞いたマーレはすぐに王様に連絡を取り、私と一緒にドラゴンでルリットの屋敷を目指したが、途中で王様から怪しい魔力を東の墓地で探知したと連絡を受け、方向転換し全速力で向かった。

着いた時には、すでにショーンさんと部隊の魔導師さん達が魔法陣を突破しようと試行錯誤していた。

二重魔法陣はショーンさん達熟練の魔導師でさえ、手を焼く代物だった。私の消失魔法はトップシークレットの魔法なので、出来る限り使わせたくなかったようだが、そんなことを言っている場合ではない。時は一刻を争う。

私はショーンさんとマーレを説得し、魔法陣を消失させた。


その後は知っての通りなのだが、ショーンさん達が例のお墓を確認したところ、貴族の集会場は発見することができず、地下にはただ巨大な空洞が広がっていたらしい。後日、貴族達に確認したところ、全く違う場所で集会が開かれており、その証拠もしっかり残っていたというから驚きだ。

もちろんショーンさんやマーレは太陽達が嘘をついたなんて全く思っていない。でも、証拠がないからこれ以上追求することもできない。海斗兄と戦っていた殺し屋も、魔導師達が駆けつけた時にはいなくなっていたし……真相は闇の中だ。


墓地から帰ってきてからは、ショーンさん、マーレに加え、エリーン先生も登場。2時間以上かけてしっかりと絞られました。

もちろん怒られたこともそうなのだが、何より堪えたのは、ショーンさん、エリーン先生が帰った後、マーレの涙を見た時だ。

まだ出会って2ヶ月。でも、マーレは私達のことを本当に大切に思ってくれている。

だからこそ本当に申し訳なくて、私も涙が止まらなかった。

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