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STORY TELLER  作者: 茶々丸
魔法邂逅編
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043 墓地での戦い②

海斗達の戦いの決着から遡ること数分。

俺と里穂姉は、もう一人の男と対峙していた。


「あの男、なかなかやりますね。正直速すぎて対応することができませんでしたよ。まぁ、同時にあの男の死も確定的ですが。」


「海斗を馬鹿にしてると痛い目にあうぞ。それに、お前を倒して俺たちも加勢するから心配ないよ。」


俺は魔力を電気エネルギーに変化させ、光線状に打ち出す。極太の電気光線は男に直撃したかに見えたが、当たる寸前に障壁によって軌道を変えられてしまった。

男はヘラヘラ笑いながらこちらを見る。


「すごい魔力ですが、コントロールが疎かですね。でかいだけで、ちょっと手を加えるだけで防御できてしまいますよ。どれ、手本を見せてあげましょう。」


同じように電気光線を放つ男。俺の魔法に比べれば細く範囲も狭いが、スピードが速い。


「太陽!私に任せて!!」


里穂の声と同時に。目の前に障壁が現れ魔法を防御する。しかし、相手の魔法の勢いで吹き飛ばされてしまった。


「ごめん、太陽。大丈夫??」


「うん、里穂姉の障壁のおかげでなんとかなった。けど、俺より少ない魔力でなんて威力だ。」


駆け寄ってきた里穂の手を握り、立ち上がる。恐らく魔力コントロールの差なのだろう。これは厳しい戦いになりそうだ。


今度は炎の玉と雷の矢を同時に放つ。全方向攻撃、これならどう捌く?


「いいですね。私をもっと楽しませてください。」


男は右手に魔法障壁、左手から同じように雷の矢を使って対応してきた。魔法障壁は水の魔力を込められているようで、火の玉は当たった瞬間にかき消されてしまった。雷の矢の本数は圧倒的に俺の方が多いが、1本1本の威力、コントロールは相手の方が上。数本の雷の矢が直撃しそうな矢だけを確実に撃ち落とし、残ったものはこちらに飛んでくる。それを里穂姉の放った光弾で撃ち落とす。


「2人でギリギリの状態ね。一応は均衡を保っているけど、海斗のことを考えるとあんまりゆっくりはしていられないわ。」


男の魔法を撃ち落とし続ける里穂姉の額に汗が滴る。一発でも撃ち漏らせば命に関わる状況。相当な集中力が必要なはずだ。

状況を好転させるには……


「里穂姉、俺が近接戦であいつの防御を破るよ!俺の身体強化ならできるはず!」


いや、やるしかない。このまま遠距離戦を続けても、こちらに不利な要素しかない。それに、あいつはきっと里穂と同じ後衛型の魔導師だ。接近できればこっちの方が有利のはず。

けれど、里穂姉はすぐにはうんと言わない。きっと俺のことを心配しているのだろう。近接戦闘になれば、危険は今とは比じゃない。


「里穂姉が思ってること、ちゃんと分かってる。危なくなったら戻ってくるから。」


「……うん、わかった。本当に無理しないでね。約束だよ。」


「大丈夫だよ。若葉も待ってるし、早く帰ろう!!」


里穂姉に向かって親指を上げ、自分自身に身体強化の魔法をかける。俺の身体強化の魔法は、ショーンさん直伝の雷属性の魔法だ。スピードとパワーの強化だけでなく、触れるだけで相手にダメージを与えられるし、反射神経も飛躍的に向上する。これで一気にたたみかける!!

男との距離は約50メートル。雷の矢や風の刃をかわしながらどんどん接近していく。しかし、距離が近づくにつれ徐々に飛んでくる魔法の量が増え、かわせなくなっていく。あと20メートルのところで、ついに前進できなくなってしまった。


『太陽!!私が防御するから、一気に突っ切って!!』


男の魔法を避けながら様子を見ていると、里穂から念話が送られてくる。俺は里穂を信じ、一気に前に出た。


「この状況で前に出ますか。なかなか勇気がありますが、耐えられますかね?」


喰らえば致命傷の魔法は、里穂の魔法障壁で防御する。だが、全てを防御することは出来ず、傷はどんどん増えていく。

あと10メートル、7メートル……いける!!

俺は地面を蹴り、一気に距離を詰めた。


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