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STORY TELLER  作者: 茶々丸
魔法邂逅編
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29/168

029 四賢者


ここはスカイキャッスルの400メートル地点にある賢者の間。ここで週1回、王と四賢者で会議を行う。

会議の内容としては、政治のことから国のインフラのこと、戦争のことなど様々だ。

国にいる王、マーレ、ショーン、エリーンは実際に参加し、もう1人は諜報活動中の場所から遠隔魔法で参加している。


「現状ウォーデン国を攻めるのはかなり厳しいっすね。ウォーデン国の魔導師達は、人数もさることながら、魔力量が平均的に高い。隊長クラスになると、1000を超えるやつらもざらにいるんすよ。

それにうちの軍はハイラスマーレ国から移動する手間もあるっす。長距離行軍は体力も削られるっす。マイナスな要因ばっかっすね。」


「確かに1ヶ月前にマーレが戦った奴らも、倍以上のうちの軍と互角にやりやっていたからな。」


開戦から今に至るまで、戦争は膠着状態にある。

この間みたいにハイラスマーレ国の近くまで攻めてくることは稀だ。そもそもあの時は攻めてきたのではなく、太陽達を捕まえるために来ていたのだ。


「とりあえずもう少し様子を見てみるっす。今度は良い情報を持って帰れるように頑張るっす。」


リモート参加の賢者は王に敬礼する。

そんな賢者に心配そうに笑いかける王。


「お主を失うのは友としてももちろん、国としても大打撃なのじゃ。くれぐれも、無理はせんように。頼むぞ。

さて、それでは今日の議題はこれで終了じゃが……マーレ、エリーン、あの子達の様子はどうじゃ?」


「あっ、俺もそれ聴きたかったんすよね。総魔力量2000超えの化け物達、その後どうすか?」


王とリモートの賢者は期待いっぱいの表情。対してマーレ、エリーンはため息。

エリーンがまず話し出す。


「若葉の方は消却魔法の制御の練習に励んでいますが、新種の魔法なだけあって、私自身もどう指導していいものやらって感じですねぇ。でも、魔法自体は本当に強力で、どんな魔法も一瞬で消却されますねぇ。」


若葉の魔法は新種の魔法なので、消却魔法という名前がつけられた。

世界を揺るがす魔法。その存在を知るのはこの会議に参加する5人と本人達だけだ。


次にマーレ。


「えーと残りの3人ですが、まず里穂。あの子は天才です。10教えたら20にも30にもして実践してくれます。昨日はついに広範囲回復魔法を覚えました。」


「多人数の症状把握と共に、一人ひとりへの魔力分配を必要とする高難度魔法をたった1ヶ月っすか。やばいっすね、その子。」


実際、里穂の成長速度は著しいものだった。

マーレと属性もぴったり合うということもあり、教わった側から全ての魔法を完璧にマスターしていった。

また、他の属性の魔法にも素養があり、攻撃系魔法も使いこなす、まさに万能型魔導師。

今戦線に出ても、隊長クラス……いや、それ以上の力を発揮するかもしれない。


「ただ、残りの2人がですね……

魔力がずば抜けていることもあり、制御に苦戦しているんです。この間も制御に失敗して……」


「ハイラスマーレに地震が発生したからな。あれは驚いた。」


ショーンがうなだれる。


この間とは3日前のことで、初めて模擬戦と称して太陽と海斗が戦ったのだが、勢い余って校庭に30m四方の大穴を空けてしまったのだ。


「実際の戦闘では活躍してくれそうじゃが、対抗戦では危険行為で一発退場じゃな。困った困った。」


困ったと言いながら楽しそうに話を聞いている王様。ちなみにマーレはあの後、監督不行届けで反省文を提出させられたらしい。


「しかし大丈夫ですか?魔法大会であいつらが優勝しないと、STORY TELLERが他の者の手に渡ってしまうのですよ?」


ショーン自身はSTORY TELLERを優勝賞品にすることも、4人に渡すことも反対なのだ。だが、王はいつもと変わらず余裕の表情でショーンを諫める。


「まあその時はまた考えるとしようじゃないか。それに、わしはあの子達が負けるとは思えんがのぉ。」


王は確信していた。

自分の見込んだ子ども達は、必ず期待通りの結果を出してくれるだろうと。


STORY TELLERは他の誰でもない、あの子達が持つことにこそ意味があるのだ。



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