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STORY TELLER  作者: 茶々丸
魔法邂逅編
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022 異世界ホリデー


「よし!明日、マーレも誘ってみんなで遊びに行こう!」


「急ね!!まあいいけど。で、どこに行くの?」


6月の半ば。シトシトと雨が降り続くのはこの世界も元の世界とおんなじ。

違うのは雨が降ると、みんな外に出ないことくらい。聞いた話によると、雨に当たるとどうやら体調を崩すらしい。


窓から見えるせっかくの夜景も、雨雲の中にいれば当然台無し。最近はいつももくもくもくもく雲ばっかりで、嫌になっちゃう。


そんな中で魅力的な提案をされたもんだから、里穂姉も太陽も、もちろん私も喜んで食いつく。


「そういえば私達、この世界に来てから遊びに行ったりとか、観光したりとか、全然してないよね。」


望んできた世界じゃないし、帰れることなら早く帰りたい。でも、せっかく来たのなら、やっぱり楽しんだ方がいいに決まってる。


「いろんな観光名所をまわりたい!!」


太陽の提案。まだ行ったことない場所がほとんどだし、マーレが来てくれたら、詳しく案内してくれるかもしれない。

しかし、里穂姉が空の方をじっと見て、首を横に振る。


「明日の天気、雨っぽいよ?」


「里穂姉、ついに空と会話できるようになったの?」


天気を読む魔法を教わる太陽を横目に、ふっふっふと海斗兄が不気味に笑う。

プロデューサーは、もう行き先を決めているみたいね。


「雨が降っても槍が降っても大丈夫な場所をちゃんと選んでおいたぜ!」


いつから持っていたのだろうか。右手には色鮮やかなちらしが握られている。

どれどれ……水族館!?


「いいね、水族館!!私行きたい!!」


10秒前の太陽の提案は一瞬で頭の中から消え去り、嬉しくて、楽しみで、ぴょんぴょん跳ね回る私をどうどうと抑える海斗兄。

動物園とか水族館とか、子どもっぽいってみんな笑うかもしれないけど、大好きなの!!

しかも異世界!どんな生き物がいるのかワクワクが止まらない。


「へぇ、水族館ね。異世界だし、ドラゴンもいるくらいだから、なかなか面白いものが見れそうね。」


「だろ?

しかも場所はなんとこのスカイキャッスルのウェストエリア。外に出なくても移動できるという好立地なのです。」


海斗兄、グッドチョイスです。女心ならびに、私の心をがっちり掴んでますよ。

そんなテンションマックスな私を見て、太陽がクスリと笑う。

笑われたっていいもん。私は水族館行きたいんだもん。


そういえば、最後に行ったのは5年生の夏休みだったな。シャチのショーを見てたらめちゃくちゃに水をかけられて、お姉ちゃんが怒ってたっけ。


お姉ちゃん、元気かな。


「じゃあここで決まりでいいな。マーレは……」


「もう誘ったよ。オッケーだって。念話からも、楽しみオーラが伝わってきたよ。わかちゃんと同じくらい。」


いつも冷静沈着なマーレが私と同じくらいはしゃいでる??

どんな念話が繰り広げられたのだろう。


雨が窓を打ち、パチパチと音を奏でる。

相変わらずの空模様だけど、先ほどとは違い、晴々とした気持ちだ。


明日は何着ていこうかな。


そういえばマーレ、姫様だけど水族館とか普通に行っていいのかなぁ。

バレたらみんなパニックにならないかな?


そんなちょっぴりの不安を胸に抱きながら、私は眠りにつくのであった。



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