017 ハイラスマーレ魔導高等学院
ハイラスマーレ魔導高等学院。
ハイラスマーレ国の象徴であり王の居城であるスカイキャッスルの北に位置する国唯一の魔導高等学校にして、教育機関の最高峰。
広大な敷地の中には、教室はもちろんのこと、魔法を研究するラボや巨大な図書館などがある。また、魔法を加減なく使えるよう100メートル×100メートルの運動場があったり、東京ドームほどの大きさの屋内演習場があったりととにかく充実している。
3年制で1学年1クラス、約20人。全校生徒約60人の少数精鋭。そのため毎年受験倍率は20倍近くになる。
この学校を卒業した人達は、魔導師として部隊に入ったり、研究者になったりと国の要所に就職することがほとんどであるらしい。
まあ要するに私達の世界の帝都大学みたいなところなのだろう。
ちなみにマーレもショーンさんもこの学校の卒業生だ。ということはマーレは2回目の学生生活になるのか……顔には出さないが複雑な気持ちだろう。
もう手続きは終わっているみたいで、マーレに連れられ直接教室へ。その際、いろいろな建物や施設を紹介してもらった。
教室に着くと、まだ誰もいなかった。やっぱり早すぎたのかな?
「まだクラスの人達は来てないみたいですね。それじゃあ確認です。あなた達はどういう経緯でここに入学するんですか?海斗?」
「俺達は海外からやって来て、王様の紹介でこの学校に編入したって設定だよな。」
1番海斗が心配だったけど、大丈夫そうね。
「バッチリです。分かっていると思いますが、あなた達が他の世界から来たことは他言無用です。よろしくお願いします。
あと、名前のことなんですが、太陽、海斗、若葉、里穂で通してください。苗字?でしたっけ?この世界にはない文化なので、伝えないほうが良いと思います。」
マーレの言葉にみんな頷く。郷に入れば郷に従え。マーレの言う通り、出来る限りこの世界の文化に合わせた方が良いと思う。
それから10分ほど経過したが、まだクラスメイトは来る様子がない。始業まであと20分くらいだけど……
バチン!バチン!
急に大きな音がして驚く。何かと思い音のした黒板の方を見ると、なんといつの間にかクラスメイトらしき人物が2人立っている
むこうもこちらに気付いたみたいだ。
「あれ?見ない人がいるね。今日何かあったっけコウタ?」
「いや、先生は何も言ってなかったぜ。見学か何かじゃねーの……って、あれ!?姫様!?」
2人ともマーレをみて唖然とする。
まあ当然と言っちゃ当然だけど、一国の姫様がクラスにいるんだもんね。しかも去年卒業したはずの。
「こんにちは。私の名前はマーレ、この国の王女です。訳あってまたこの学校に少しお世話になることになりました。よろしくお願いします。」
「いや、姫様、もちろん知ってますとも。先に名乗らせてしまって申し訳ありません。私はコウタと言います。こいつは俺の友人のレイトです。よろしくお願いします。」
コウタと名乗る全体的にひょろ長い男の子が自己紹介をし、レイトもコウタの後に続いて話す。どちらも緊張しているようで、話し方がたどたどしい。
「それで姫様、そこの4人は護衛の方ですか?」
まあそう考えるのが普通よね。本当は逆だけど。
マーレが説明する前に、私は口を開いた。
「こんにちは、コウタさん、レイトさん。私は今日からこのクラスに編入することになった里穂と言います。この3人は私の幼なじみよ。今まで海外にいたのでこの国のことは全然知らないの。いろいろ教えてね。」
握手をすると、2人の顔がほんのり赤くなる。ふふ、可愛い。
その後、わかちゃん、太陽、海斗の順で自己紹介をする。コウタさんもレイトさんも気さくな人で、すぐに話が弾んだ。
「じゃあ王様の推薦で入学することになったんだ。なんかすごいね君達。この学校って、入るのとっても難しいんだよ?」
「俺達は全然すごくないぜ。完全にコネ入学だからな。」
「でもさ、推薦されるってことは、何か特別なものがあるってことさ。それを王様が認めたってことだろ?」
レイトさんの言葉にドキリとする。国の教育の最高機関と聞いていたから、すごいところなのだろうとは予想していたけど、彼らの話を聞いて裏付けされた事実。
やっぱりすごい学校なんだ。




