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STORY TELLER  作者: 茶々丸
魔法邂逅編
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016 姫、護衛兼案内役兼友人

その後、里穂姉と一緒に朝ご飯を作っていると、太陽が起きてきた。

夜のことがあったので普通に喋れるか心配だったけど、いつも通りの太陽でホッとしたと同時に、少しもやもや。

いやさ、さっき自分でもただの幼なじみって言ったよ。でもさ、なんだかなぁ……

私の気持ちを読み取ったのだろう里穂姉が、クスクス笑っていた。もぉ!!


そしてあとは海斗兄だけど……

朝ご飯の時間にも起きてこなかったので、里穂姉が無理やり起こしに行きました。


コンコン


学校に行く支度をしているとドアがノックされた

ドアを開けると、なんとそこには……お姫様!?


「マーレ姫!?」


「あら、若葉。おはようございます。その服、とっても似合ってますよ。」


「あっ、ありがとうございます……じゃなくて、姫様、こんな朝早くにどうしたんですか!?」


まだ時間は7時前。姫様は苦笑いしながら答える。


「いや、実はですね……」


話によると、姫様は昨日の失態の責任を取る形で、部隊の隊長の職を解任されてしまったらしい。

そして代わりに命じられたのは……私達の護衛兼案内役をしながらハイラスマーレ魔導高等学院に通うというものらしい。


「皆さんをしっかり見守りながら、もう一度1から学び直しなさいということですので、改めて皆さん、よろしくお願いします。」


「いやいや、こちらこそよろしくお願いしますです、マーレ姫。なんか姫様に護衛と案内をしてもらえるなんて、恐縮です。」


太陽の気持ち、よくわかる。

だって元の世界でいったら、エリザベス女王にガイドとボディガードしてもらってるようなものだからね。想像したらちょっと面白いけど。


「太陽、恐縮だなんて全然ですよ。王はあなた方4人の安全と安心を誰よりも願っています。そういう意味でも私が適役なんです。

それから……」


姫様はもじもじとこちらを見ながら、恥ずかしそうにつぶやいた。


「あのぉ、私のことは姫ではなくマーレと呼んでいただきたいです。皆さんと、もっと仲良くなりたいのです。」


姫様の可愛さに、私のハートは撃ち抜かれた。





支度は終わっていたので、登校1日目ということもあり、少し早めに部屋を出た。

まだ早い時間ということもあり、城の中も人の姿はまばらで、メイドさん達がせっせと掃除をしているくらいだ。

ハイラスマーレ魔導高等学院は城を出て北に100メートルくらい行ったところにあるらしい。距離で言えば近いんだけど、私達の場合は一回300メートル近くエレベーターで降りてから行くことになるので、10分くらいかかる。

その間にマーレからいくつかお願いをされた。


まず1つ目は私達が他の世界から来たことは、他言無用だということ。このことを知っているのは、王様と4賢者と呼ばれるこの国の最強魔導師にして王の側近の4人に限られる。

もし知られてしまうと、面白おかしく取り上げられて、生活し辛くなってしまうことを気にかけての配慮だということだった。

ただこの国で生まれたように振る舞うのは、正直難しい。ということで、私達4人は海を渡って他の国からやってきた設定にしてほしいということであった。

このことは私達自身でも昨日の夜どうするか話し合っていたのだが、さすが王様、すでに対応は万全だった。


2つ目はこの国から無断で外に出ないことだ。

この国は結界で覆われていて、国の出入り等は全て魔法で管理されているらしいんだけど、私達はまだ魔法を国に登録してないので、管理することができないらしい。

王様は私達に魔法を登録して欲しくないみたい。理由としては、プライバシーがなくなってしまうからということだった。


他にも諸々とお願い事はあったけど、どれも私達のことを第一で考えてくれているのが痛いほどわかった。


「王は昨日も言っていましたが、全力で皆さんが元の世界に戻る方法を考えておられます。そしてそれまでは絶対に不自由な思いはさせないともおっしゃっていました。

だから皆さん、何かあったら遠慮なく言ってくださいね。」


「何から何まで本当にありがとう。本当にマーレ達には感謝の言葉しかないよ。」


里穂姉がマーレの手を握りお礼を言う。続いて私達も頭を下げる。


「そんな、頭を上げてください。あなた方は私の命の恩人でもあるんですからね。

それに先程も言った通り、私は姫としてではなく友人としてありたいのです。友人同士助け合うのは当たり前のことです。

だから、これからもよろしくお願いします。

さぁ、ハイラスマーレ魔導高等学院につきますよ!」


巨大な校門の先には、新たな生活が待っているのだろう。不安もあるけど、みんながいる。それに、マーレもいる。


「さあ、元の世界に戻る第一歩だ!!」


私達は5人並んで、校門をくぐり抜けた。



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