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STORY TELLER  作者: 茶々丸
女神編
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147/168

147 女神の戦い①


『マジックバースト!!』


渾身の魔力を上空に放つ。

ドール達はみんな上空から迫ってきていたので、方向が絞りやすかった。

私の尋常じゃない量の魔力をぶつけられことで、魔力を吸収しきれずに反対方向に吹き飛ぶ人形達。

偽物のマーレ・オブ・マギでは到底吸収しきれない量の魔力は、そのまま空間を満たす。


その際、普通の人達が魔力酔いを起こさず、尚且つ太陽が思いっきり戦える魔力量に調整する。


そんな絶妙な魔力調整を、広範囲に、しかも攻撃魔法をそのまま転用して行うなど、以前の私には到底不可能な芸当。

私はマーレ・オブ・マギを、完全にコントロールしていた。


「オッケー!あとは……」


多分ドール達は今のマジックバーストでほとんど戦闘不能に持ち込めたはず。

あとは目の前の少女……リースを倒せば私の役目は完了だ。


まぁ、それが1番の問題なのだけれど……


最初に魔法剣を交えた後、動く様子のないリース。

上空では太陽とウォーデン王が壮絶な魔法の撃ち合いを繰り広げているが、我関せずという感じで私のことをじっと見つめている。


「リース、私の準備が整うのを待ってくれてるの?」


返答がないことはわかっていたが、それでも聞かずにはいられない。


「……。」


眉一つ動かさない友達の様子を見て、改めて認識する。

今のリースは私の知ってるリースじゃない。

今のリースは、ウォーデン王の忠実なる人形。


でも、そんなの嫌だ。

絶対に元のリースに戻してあげるから……待っててね!!と心に決める。



「そっちから攻撃してこないなら、遠慮なく準備させてもらうよ!」


普通にやりやっても、私がリースに勝てるわけない。リースは私の師であり、魔法も体術も数段上だ。

それはウォーデン国でのフリードや海斗兄との戦いでも明らかだ。


戦ったら負ける。だからこそ、卑怯でもなんでもいいからできることをやるんだ。


私がリースに唯一対抗できるものは、マーレ・オブ・マギ。

リースもマーレ・オブ・マギを使うことはできるけど、私に比べて魔力の量が圧倒的に少ない。加えて出来ることもかなり限られてると言っていた。

多分あの時の話は嘘じゃない……と思う。

嘘じゃなかったら、勝利は絶望的だけど……


どっちにせよ、ただでさえ旗色は悪いのだから、私からどんどん仕掛けていかないと話にならない。



マーレ・オブ・マギを発動し、私からリースまでの空間の魔力を再び吸収し尽くす。

今の私は、半径約500メートル以内の全ての魔力を正確に感知することができる。そして、その魔力を自由自在に操ることができる。自然界の魔力だけでなく、人間の体内の魔力も例外ではない。

範囲内であれば、本当は譲渡も可能なはずなんだけど……直接的な譲渡しか試していないので、今回はそれには頼りたくない。

まあ、もし私と太陽が負けそうになったら、里穂姉やマーレに魔力を譲渡して、助太刀してもらいたいところだけど……上手にできるかわからないので、そうならないことを祈る。


私達の周りから魔力が失われたことによって、再び魔法が使えなくなるが、2人ともマーレ・オブ・マギを使えるので、自らの身体の周りに魔力を放出することでそれを解消。


意味がないって?とんでもない。

魔力を放出するということは、つまり自分の体内に貯蔵した魔力を使うということ。当然貯蔵した魔力がなくなれば魔法は使えなくなる。

つまり、貯蔵量の多い私の方が有利なのだ。


私達は直接相手の魔力を吸収することはできないけれど、互いの魔法……正確には特殊魔法は吸収することができる。

だから戦闘は結論的に物理魔法と体術によるクロスレンジが主体となる。


クロスレンジで戦いながらリースの魔力切れを狙う。これが今できる最も合理的な戦い方だ。


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