112 青春の魔法学院編3 恋と因果の女神 メイティア
「イケメンの波動がしたわぁ~ん!」
空間に声が響く。どこからするかわからない声にシンディはおろおろする。
「な?なんだこの声は?? どこからしやがる?!」
「ここよぉ~! こ~こ!」
どうやら手に取った本からするようだ。本が飛び上がりフワフワと浮きだした。
「シンディちゃん! この本から聞こえるよ!」
「あなたね?! この本を開いたのは!!」
浮いている本からきゃ~きゃ~と甲高い声が聞こえてくるが、シンディは何も言わずバン!と本を閉じてしまった。
「ちょ、ちょっと! なにすんのよあんた!」
「チッ!……やっぱダメか」
「かわいそうだよ~シンディちゃん……」
閉じても声は消えないことを確認したシンディは、本に向かって問いかける。
「おい! お前は誰だ?ここで何をしている?」
「あ~ら? 人に名を訪ねる時は自分から名乗るものではなくて?」
「チッ……! 俺はシンディ・バーンズ。ウェスタ魔法学院、攻撃魔法科の1年生だ」
「わたしは恋と因果の女神メイティアよ! 覚えておきなさい! お~ほっほ!」
「なんだぁ? 恋と因果だ? んな女神聞いたことねぇぞ……」
「そのメイティアさんは、どうして本の中にいるの?」
「おいミーシャ! バカなこと聞くんじゃねぇ!」
「実はね~悪いやつに本に閉じ込められてしまったのよ……でも安心して! この本を見つけられたということは、わたしを解放できるということなの!!」
「行くぞ、ミーシャ」
「あら? いいの?わたしは……つよいわよ?」
「今なんていいやがった」
「ふふ♪ つよいって言ったのよ」
「ほ~う? それは……俺よりか?」
シンディの心に火をつけてしまったメイティアは、さらにたたみかける。
「あなた、強さを求めてるでしょう? それも、かなりの……」
「おまえならそれを埋められるってか?」
「そうよ。それと、さっきの質問に答えてあげる、わたしは貴女より、強いわ」
シンディはうつむき、少し考えたあと、唸るように声を絞った。
「……かえ」
「え?」
「解放してやるから俺と戦え!」
「シンディちゃん! ダメ!」
「お~ほっほ! 俺より強いのが気にくわないと言わんばかりね! いいわ! 本の最後のページを見てごらんなさい!」
そこには、女神メイティアの召還方法と、注意事項が書かれていた。
※注意事項 この女神に認められしもの、強大な力を手にせん。ただし、死を覚悟せよ。
「上等じゃねぇか……!」
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