111 青春の魔法学院編2 隠された魔法書
ミドレー先生の容姿を眺めていると、モヤモヤした気持ちになってきたので、素早く窓にヒュバッっと顔を背ける。1限目はどうやら詠唱からの魔法構築論らしい。シンディ以外の生徒は先生の話す内容をもくもくとノートに取っている。
いつもと変わらぬ日常、変化がない毎日。いっそのこと何か起こらないかと頭の中で考えていた彼女は、黒板に書かれた文字をめんどくさそうにノートに写していく。時間が過ぎていき、もう1限目の終わりだ。ミドレー先生が資料をトントントンとしながらシンディになにか言っている。窓の外の景色をボ~と眺めていた彼女は3回目でようやく気がついた。
「シンディさん?! 明日、授業に使う資料を図書館から借りてきてくださいます??」
あからさまに嫌な顔。それをみかねたミーシャが助け船をだす。
「先生! わたしも一緒に図書館に行ってきます!」
そーじゃねぇんだよと言わんばかりに顔を右手で覆うシンディに、ミーシャが後ろに周り彼女の腕を抱き締める。とてもにこやかでシンディの顔を見つめながら。
「まあ、ミーシャさんも手伝ってくださるのなら安心ですわね?! それではまた明日!!」
そう言いながら先生は教室を出ていった。
「ミーシャ! またいらねぇサポートしやがって! なんで俺が行かないとならねぇんだ?!」
「シンディちゃん! 図書館の怖いウワサ、聞いたことあるでしょ?」
「あるけどよ……あれだろ? タイトルが空白の本がひとつだけ置かれていて、それを借りたやつは生命力が吸い取られるっていう……」
「そ~それだよ! 放課後、確かめに行ってみない?」
「チッ! しかたねぇな……」
放課後~図書館
誰もいない図書館に疑問を抱くシンディ。生徒の1人もいないその空間は恐ろしいほど静かで、不気味だった。ミーシャは彼女の腕をギュッと握りしめ、心配そうに辺りを見回す。
「怖いのか? ミーシャ」
「だって……誰もいなくて……静かで……」
「んなもんとっとと借りて帰りゃいいんだ!」
そうして、ミーシャを元気?づけるシンディは、自分より少し低い目線の本がひとつ鈍く光っていることに気づく。
「なんだこりゃ?」
「シンディちゃん……これ、タイトル空白じゃない?」
シンディが手に取った瞬間、空白だった本のタイトルが徐々に浮かび上がってきた!
『女神メイティアとイケメン大冒険』
初めて聞く女神の名前に首をかしげながら、ページをめくると、本全体が輝きだし、空間に声が響いた!!
「イケメンの波動がしたわぁ~ん!」
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