109 溢れる暴虐 シンディ・バーンズ編10 感情オーバードライブ
シンディの技をもろに受けたレインは、なす術もなく倒れてしまう。駆け寄った鋼鉄は、静かに下を向いてー
「レイン……」
すっ……と立ち上がると、拳をギリギリと握りしめる!シンディへの怒りの感情が、スーツを通して限界突破する!!
「感情ドライブ急上昇、臨界点、突破」
「よくもわたしのレインをっ……! ぁあああ!」
『感情オーバードライブ』
ドゥン!とその場から消え去る。気がつけば、シンディを追い越し、その場で立ち尽くす。不思議とオーラのようなものは出ない。
両手からは暗黒の光が煌めく。
「あん? 今の動き、どうやって……かはっ!」
「直撃魔法、八重黒龍」
巨大な八つの黒龍が、シンディに高速で襲いかかる!
「ディフュージョンスーツ、負荷限界突破。機能停止、機能停止」
片ヒザを付き、機能停止するディフュージョンスーツ。感情ドライブの抗精神作用により、少し正気を取り戻しつつある鋼鉄だった。
「ぐっ……! やはり疲労している体では応えるか! だが、感情オーバードライブからの八重黒龍……やつのアーティファクトも限界のはずだ!!」
「ハイフリード・ギア、負荷限界突破。機能停止、機能停止」
同じく片ヒザをつくシンディ。両足のハイフリード・ギアはガション!と開いてシュウウと煙が出ている。
「てんめ~! 奥の手隠してやがったな?!」
動けないが必死に上半身で憤るシンディ。放送できない指のポーズをしている。
「フッ! 君がレインを攻撃したからだ……オーバードライブはわたしにはまだ完全に制御できない、未知のシステム……! おそらくこれがチカラの全てではない……」
「チッ! スカしやがって! 勝負はまだ終わってね~ぞ?!」
「ああ、そのようだ」
後ろでイグニション・スターとダイナミック・サンが噴煙を上げ、まだ戦っている。相対機甲戦そうたいきこうせんは操縦者同士の決着が着いても、機甲戦は続けられる。どちらかが機能停止するまで。
「お互い身動きが取れない状況! さて、どうするか……」
「暴虐、君は何故、ハイフリード・ギアを持っている?」
「チッ……! 今だから教えてやるよ……俺がまだ、魔法学院に通っていた頃だ。あれは、暑い夏の季節だった~」
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