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214話 たどり着いた答え

 超高速で突撃してくるノア。

 同時に剣を振り、こちらに刃を突き立てようとする。


 視認できないほどに速く。

 音を置き去りにするほどの超高速の突き。

 それがノアの『必殺』なのだろう。


 対する俺は……

 なにもできていない。


 回避も、防御も。

 迎え撃つことも。

 どの選択も選ぶことができず、立ち尽くしているだけ。


 剣は構えているものの、次の行動がまったく見つからない。

 なにをすればいいかわからない。


 こんな俺はどうしたらいい?

 どうして剣を振る?

 なにをするべき?


 わからない。

 なにもわからない。

 混乱して、現実を見失い、失意に溺れていく……


 心が底に落ちる。

 そこで見たものは……


「……そうか」


 極限まで追い詰められて。

 限界まで心を擦り減らされて。


 そんな状態になったことで、逆に自分のことを理解することができた。

 飾らず、取り繕わず。

 底まで落ちたからこそ見えてくることもある。


 心がどん底に落ちて。

 底から見上げる。

 今の自分を見上げて、識る。


 俺はおじいちゃんに剣を習い、剣士となった。

 剣を振る目的は、誰かを守るため。

 おじいちゃんが俺を助けてくれたように、俺もまた誰かを助けたいと思ったから。


 それが俺の剣を持つ理由。


 ならば、剣士の道を歩く理由は?

 剣士でなくてはならない意味は?


 それは……


「俺が……おじいちゃんの剣を継いでいるからだ!」


 おじいちゃんに剣を習い、今の俺がある。

 つまり、おじいちゃんの志を継いだようなものだ。


 故に、俺は剣を握る。

 剣士であり続ける。


 自分で得たものではない。

 俺の剣士の在り方は、おじいちゃんに与えられたものだ。


 ……しかし、それのなにが悪い?


 俺は、おじいちゃんを尊敬している。

 あの人の生き方、優しさ、心の在り方……その全てを尊敬している。

 だからこそ、おじいちゃんの剣を継げることを嬉しく思った。


 おじいちゃんの剣を継いで。

 そして、俺もいつか、アルティナやノドカやユミナ……あるいは他の誰かに剣を教えて継いでもらうのだろう。


 そうして技術を繋いでいく。

 心を受け渡していく。


 与えられたものが悪いなんてことはない。

 自分で見つけられないことが悪いなんてことはない。

 むしろ、誇ろうではないか。


 俺は、おじいちゃんから剣を教わり。

 そして、『剣士』であることを継いだ。


「だからこそ!」


 ノアに負けるわけにはいかない。


 彼は強い。

 剣は力強く、音を超えるほどに速く、しかも変幻自在。

 もしかしたらおじいちゃんよりも強いかもしれない。


 しかし。


 彼は『剣士』ではない。

 そんなことは俺が認めない。


 自分の欲を満たすために人を斬り。

 力こそ全てと恥ずかしげもなく口にする。


 それはただの悪党だ。

 剣の道を歩く剣士ではない。


 故に。

 俺はノアを否定する。

 おじいちゃんから教えられた、この剣で。

 おじいちゃんから継いだ、剣士である誇りを胸に。


「……見えた」


 全ての迷いが晴れた時、俺は一筋の光を感じた。


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