お爺様の別荘
私は不安を胸に恐る恐る、馬車に乗って3時間ほどすると古びた街についた。
「ここは私が治めている子爵領の最果ての街だ。いままで領地経営の仕事に追われこの街の存在をほとんど忘れていた」父はさびれた街を見て呟いた。
私達って子爵領の主なの? 私は子爵家の令嬢なの? なぜ我が家はこんなに貧乏なの? 私は疑問が次々頭に浮かんだ。
「父の別荘までは馬車であと少しのところにある、マリアも体調が悪いのに長旅で疲れただろう、ここで少し休んでいこう」との父の言葉に、何も見るとこもないので、別荘にさっさと行こうと言おうとしたが、横でうるさくしている弟が私の隣で寝ている。 どうやら彼は疲れて寝てしまったらしい。
うるさい弟と思っていたが寝顔は天使のように可愛い。
私は馬車を降りて母と2人で街をあるいた。
街の中央には人の気配があまり感じられず、さびれた店が5件ほどならんでいた。
別荘はこの街に近くにあるということは、この街で私たちは買い物をしなくてはいけないのか、憂鬱な気持ちになってきたが、しっかり見ておかなくてはいけない。
野菜を扱う店、肉を扱う店、雑貨屋さん、洋品店、そしてそこから少し離れたところにパン屋さんがあった。
私も前世パン屋のチェーン店のオーナーだったのでパン屋にどんなパンを売っているのかとても興味を持った。
パン屋に入り苦虫をかみつぶしたような年老いた女性が私たちをいぶかし気にみていた。
多分、お母様は領主の妻としてこの街を訪れたことはなかったのだろう。
領主の妻にいくら領土の端にある街だと言っても、この扱いはない。
私は並んでいるパンを見たが、どれも固そうで見るからに不味そうなパンがならんでいた。
私と母はパン屋を出て、野菜を少し買い、私のたっての願いで隣の肉屋で小瓶に入った牛乳と牛乳に比べ比較的安価なチーズを買った。
どうやらこの国では新鮮な生のミルクより、長く保存できるチーズのほうが、たくさん出回っているらしいし人気があるようだ。
母はチーズは大きな物を買ったが、高価な牛乳を買うことにすこし抵抗したが、私は今日は引っ越し祝いをして、新しい門出を祝いましょう。
長らく使ってない別荘に着いたら、掃除も必要だし、私達には体力が必要だから、栄養をとらないといけない、と母に言うと母は私の居間にも折れそうな体の私を見て、「寝ている間にあなたは大人になったようだ」と私に言った。
前世では大人も大人、30歳の大人だったのよ、母様。
再び、馬車に乗り砂地のような道を10分ほど馬車でいくと、少し窪んだ土地の場所に古びた別荘が建っていた。
別荘と言うより、廃墟に近い家だ。 父のお父様は誰も住まなさそうなこの砂地交じりのこの土地にに別荘を建てたのだ。
父は子供の時に一度行ったことがあると懐かしそうに家をながめていたが、私は映画で見た、ホラーの館のようにみえ再び心臓がパクパクした。




