春の訪れ、お父様の畑
寒い冬が終わり春の訪れが我が家の裏庭にもやってきた。
お父様とアレクは野菜の植え替え、世話でいそがしい。
裏庭の鳥小屋も卵から雛が2匹生まれたので賑やかだ。
アレクは一回り大きく鳥小屋を作り直してくれた。
畑の土は山から枯れ葉とか今までたくさん堆積してきたので、黒くて良い土になっている。
私のアイディアで鶏糞も少し畑に混ぜた。
私は畑の隣に体に良い野草を植えているのでそれは時々アレクと一緒に世話している。
土地はたくさんあるんので、山側にきれいな花畑を作りたい。
以前住んでいた子爵領の庭には花があった。
お母様は私が病気の時、いつも枕元の置き台に花を飾ってくれた。
アレクは山に入りから、可愛いスミレのような花と小さな赤いびらのついた花を根を付けて、持って来てくれた。
アレクはスミレのような花を「お嬢様の目の色をした可愛い花だ」と言ってくれた。
可愛い、ウフフ、確かに私は最近我ながら可愛くなった。
白い肌に頬はバラ色、まだ、少し細身だけれど、健康そのものだ。
以前の赤茶けた錆びた赤銅のような髪の色もだんだんツヤツヤ光る金褐色になってきて、我ながら綺麗だと思う。
私も少しだけエプロンを作り、パンやお菓子の売り上げの利益の上に上乗せが出来るようになった。
お菓子と言っても、マドレーヌやクッキーはたまに出すだけで、アップルパイやピザなどお腹の足しになるお菓子を中心に売っている。
パイやピザの上に乗せる林檎と燻製肉は我が家ではたくさんあるから、比較的安くしているので、よく売れている。
最近では隣の子爵邸から馬車で買いに来る人がいるらしい。
あのちょっと生意気なお坊ちゃまも護衛を連れて時々買いに来る。
最近はあまり生意気なことも言わず、私の顔をチラチラ見ながら、恥ずかしがっている風だ。
私の顔、なにかついていますか? と聞いてあげたい。
お姉さまは年下男は好まないんだよ。
チラチラ見ても、パンはおまけしないで、お金持ちからは逆に高くパンを売るよ。
春風に誘われて、街をアレクと2人で歩くと商店街の人たちが私達に挨拶してくれる。
八百屋さんに行き、農場に可愛い花があったら、今度仕入れてほしいとお願いしておいた。
お母様が好きのそうな花が一杯あれば良いな、と思った。
庭にたくさん綺麗な花が出来たら、八百屋さんの野草を売ってるとなりに花のコーナーを作りすこし置いてもらおう。
花が売れない日は野草のようにタダでサービスしても良いし、八百屋さんも、店先に花を置けば少し華やかになるだろう。
その話をしたら、八百屋さんはがぜんとやる気を起こし、仕入れる農家にきれいな花があるか?聞いてくれると言った、
八百屋さんはクリスマスイベント以来、時々野菜を我が家の庭からも買ってくれるようになった。
父も少しだが、収入が得られるようになった。
父はラルクにも少しお小遣いをあげたいようだが、ラルクは俄然として小遣いを断っている。
父はラルクが一人で独立する時のため、彼の分のお金をすこしづつ貯金している。
私はその話を聞き、私もいつかラルクと離れる日が来るのかと思うと、少し寂しくなった。
そんな日が来るなら、私はこれ以上大きくならなくて良いな、子供だと思われてもいつまでもラルクの側にいたい、そんなことを思っていた。




