次の日の出来事
そう言えば、昨日、ホワイト家に人達があまりにパンを美味しそうに食べるので、お肉屋さんにわたすパンまで渡してしまった。
燻製肉は我が家でも好評だけど、今日お肉屋さんに少し食べてもらいたいので、また作るからと弟のダニエルに言った。
弟は昨日ホワイト家から帰って以来とても良い子で我がままを言わない。
最近弟は私のことを骸骨姉様とも呼ばない。 私と母様の作る料理を毎日楽しみに食べてくれている。
わたしは少しづつ体に肉がついてきて、子爵邸を出てからだんだん健康になってきた。
これが神さまからの贈り物かな? とその時の私は思っていた。
ラルフにホワイトさんにラルフの仕事の手伝いをしてもらうつもりだからよろしくとお願いした。
ラルフはとても恐縮して、「お願いなんてとんでもないです。 私のためにありがとうございます」と答えた。
私が馬車の馭者もできるようなので、ラルフが忙しい時は彼に馭者を代わってもらい街に行くと言うと
「お嬢様をお守りするのは、私の役目です」と言ってくれた。
その言葉はなんだか嬉しいので、これからも私のことよろしくね、と彼に言った。
本当は私が彼を守ってあげたい気持ちなんだけどね。
馬車で街まで行き、先にお肉屋さんに行くと肉屋のおじさんはいつものように陽気に私たちに声をかけた。
私が肉入りパンを差し出すと、さっそくパンを食べて、燻製肉はとても美味しいと褒めてくれた。
「干し肉はこの店にもあるが、冬の間これなら馬車で来た客も多少の保存がきくので、喜んでくれそうだ」と言ってくれた。
肉屋さんはいつも私達におまけをしてくれるし、良い人なのですこしならと言うことで引き受けた。
肉屋さんは燻製にするための大きな肉と私達家族が食べる肉をサービスしてくれた。
代金の代わりにこの肉で良いと言うと、驚いていたが私はそれでよかった。
これで我が家にこの冬、無料で食べられる肉が出来た。
肉屋の叔父さんにお礼を言い、私たちは急いでホワイトさんのお宅を訪問して、ホワイト氏を我が屋敷に連れ帰った。
給金はいまのところあまりだせないが、ホワイト家族が食べる食料品は我が家で提供すると言うことで話しは決まった。
ホワイトさんには感謝されたが、私は彼にはちゃんとした仕事をしてほしかった。
この屋敷にいたら、僅かな賃金で雑用ばかりをしなくてはならない。
母が用意してくれた、昼食を皆で食べて、私はさっそく外の釜で燻製肉を作った。
ホワイトさんには、この要領を覚えてもらい、最終的には、燻製肉を作ってほしい。
私も初めて作ってなんとか出来たので、最初は手伝いの形で慣れたら任せても良いと思った。
彼は熱心に私たちの作業を見ていて、薪入れの時は注意深く見ていた。
とりあえずラルフと相談して朝は居間の暖炉と厨房の薪オーブン用の薪を庭の倉庫から持って来てもらったり野菜の保存倉庫の管理をお願いした。
必要な野菜はメモで書いて置くので、早く使ったほうが良い野菜から出してきてもらう。
春になり暖かくなったら父の畑を手伝ってもうらことにした。
父は畑をもっと大きくして、自分の作った野菜をたくさんの人達に食べてほしいと言った。
さすがもと領主だけある言葉に私は感心したが、お父様が無料で野菜を配ってたら、八百屋さんはたまったもんじゃない。
八百屋さんと提携してた農家さんも困ることになると言う難しい問題がでてくる。
お父様の希望を叶えるには何年もの歳月がかかるので、今感がえる問題ではないが、父の笑顔とは裏腹に私はこの問題は難題であると思った。
ホワイトさんには今日焼いたパンと家族用の燻製肉を少し持たせ、自宅に馬車で送ったが明日から雨や雪の時以外は徒歩で早朝きてくれることになり、その分帰宅時間はなるべく早くすることにした。




