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貧乏神からの贈り物  作者: 雪風花


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冬が来る前に、、、

焼肉は家族には好評だった。

以前子爵領の当主をしていた時も洪水が起きてからは焼肉は口にしてはいなかったので、我がハミルトン家にとれば、何よりのご馳走だった。

特に父はワイングラスを片手に機嫌がよかった。

もともと父はお爺様とは違い、領地経営の仕事は向いていなくいろいろな地域をまわり農業改革に力を入れていたが、その実が結ぶと言う時大洪水はおきてしまった。

洪水は他領でも起きたが、特に打撃が酷かったのが我が子爵領だった。

ここに平民として追いやられたこともしかたのないことかもしれない。

母の仕立ての仕事が決まった報告と私にも僅かながらお金が入ったことを夕食を食べながら報告した。

父の方からは、冬に向けて屋根の修理と居間にある暖炉の煙突掃除をするという。

厨房のほうの調理用ストーブは煙突は細く、すぐ屋敷の外壁に取り付けてあるので問題なく使えるが居間にある暖炉の煙突は2階の屋根裏部屋から屋根に出て掃除するしかないらしい。

居間にある暖炉が使えるようになれば、冬は暖炉でパンを焼くこともできそうだ。

馬車があれば、街への外出も楽になり。アップルパイやビザパイもパン屋さんに置いてもらうこともできる。

馬車の話になるとラルフはすこし悲しそうな顔をした。

馬を子爵邸のある街の馬車屋に戻してきたが、少しの間だが世話をしているうちにラルフに懐き、別れがつらかったようだ。

大きくて力が強い馬だったようだ。

ラルフの悲しそうな顔は見たくないので、私はお金を貯めたらその馬を買い戻そうと言った。

それには父も母も賛成してくれお金をだしてくれると約束してくれた。


その日から2日後、ラルフと私はパン屋さんにいった。

パン屋のお婆はすぐ売れるのでもうすこしパンを増やしてほしいと、ニコニコ顔だ。

私はもう少し街の皆にも食べられるようパンの値を下げてくれたら、一回に10個持ってくると言った。

最初に持ってきたときよりブドウパンは少し大きくなっている。

私はラルフのためにたくさんのお金がほしかった。


その後小麦粉を買いに雑貨屋さんにいった。

雑貨屋さんで仕入れた情報によると、この地方は雨も少なく、冬もさほど雪は降らないが、もう少し寒くなると年に2,3回位は降るということだった。   

ただ山から吹く風は大変寒く暖炉の薪は欠かせないとのことだった。

そう言えば、雑貨屋さんの部屋の片隅には薪が積み上げられている。

これは、この時期交代になる山の向こうの辺境伯領の兵士が薪を売りに来てると言う。

山の向こうというと国境を守っている辺境伯領の兵士のことなのだろう。

国境を守る兵士も王都からくるが任期を終えると王都に帰る。

「兵士の姿がこの街にもチラホラ見えるので、本陣はもうすぐ到着かな? 年に一度報告がてら、本陣には国境を守る領主とその妻も同乗するので、3日ほどではあるけど、この街も大変な騒ぎだよ」と言った。

でも、私はこの子爵領は深い山があるので隣の国を守る兵士は山を越えられないと聞いたけど、と私は店主に疑問をぶつけた。

店主は「山は越えないで、すぐ隣の子爵領から迂回して彼らの持ち場の領に行く」と言っていた。

ここに彼らが来るのは、都から来た兵士の休養を取るためだと言った。

隣の子爵領の街で、兵士たちに多くの苦情がでたので、ここまで来て、3日ほど休養を取るようになった。

「もうすぐ本陣が到着するので、ここいらの娘さんはあまり外に出ない、お嬢ちゃんも気をつけたほうがよい」と言ってくれた。

ラルフも横でその話を聞いていて、「命に代えてもお嬢様を守りますが、危険なので早く帰りましょう」と言ってくれた。

こんな小娘を相手にする兵士は居ないと思ったけど、ラルフの言葉がとても嬉しかった。

辺境伯の兵士は剣が強そうだ,私はラルフの命が大切なので、ここ一週間ほどは念のため街には近づかないほうが無難なのかなと思った。




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