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貧乏神からの贈り物  作者: 雪風花


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小公女聖菜とマッチ買いの少女マリア2

歩いて街に着いた頃には、すっかり体が冷えてしまった。

抱えていたブドウパンも徐々に冷めて冷たくなっていった。

私は、足早にパン屋さんに向かったが、運悪く霧雨のような雨が落ちてきた。

この地方めったに雨は降らないしほんの少しの雨だが、霧のようにべったり肌に張り付いて、寒さが身に染みた。

私は母が古い毛布で作ってくれた肩掛けをすっぽり頭からかぶり、パン屋の店の中に入った。

パン屋の壁に寄りかかっている少年がいたようだが、毛布をかぶっていたのでよく確認できなかった。

店の中は奥で大きな薪ストーブでパンが焼かれているのか、ほんのり暖かい。

珍しくお客様も何人かいるようだ。

私は持っ着たパンをこの店で売ってほしいとお婆(ばば)に頼んだが、今忙しいのでそこに置いて行ってくれと言われた。

私は代金ももらえないで3つ置くのはもったいないので、袋に一つだけブドウパンをいれて外にでた。

よく見ると、少年が蹲(うずくま)っていた。

これは、どこかで見た光景、本の中で見た光景だ。

わたしは店の中にいたオババに少年の保護を頼もうと思ったが、意地悪オババが引く受けてはくれそうにない。

確か本に出てくるパン屋のおばさんは、ふっくらして善良そうな優しい人だった。

とりあえず、持っているブドウパンを彼の膝の上に乗せた。

ほら、はよ食べろと思ったが少年はいぶかし気に私を見ていて、やがてブドウパンを食べた。

2つ目も美味しそうにむしゃむしゃ食べる姿に、やはりこの子はお腹が空いているのだと思ってたら、少年は自分の鞄から財布袋を取り出し、驚く私に銀貨を2枚渡した。

え~~~、本と話がちがう、パンを貪り食べたのは少女だったようだし、私はその時勘違いしてしまったことに気がついた。

その時、「お坊ちゃま、またそんなところに隠れて」と付き添いの人が少年を見つけて駆け寄ってきた。

そして私を誘拐犯のような目で見ていた。

しばらくすると少年と付き添いの者は馬車止まりの方へ消えていった。

やせて私の恰好がみじめだから、少年は私に銀貨を2枚もめぐんでくれたのかな? 私はすっかり悲劇のヒロインのようになり、下を向きトボトボ歩いていると、泥道に銀貨が一枚落ちていた。

小公女セイラの話とはまるで違う変な展開になってしまった。

え、私ラッキーかも、銀貨が一枚増えてしまった。

私は銀貨を3枚持ち洋品店に入った。

この銀貨があれば、、、何でも買えるような気になり、銀貨一枚でラルフの毛布を買ってあげた。

彼の毛布は別荘にあった毛布でかなり古く、薄い暖かくない毛布だったので、一枚ではこれからの季節には寒すぎる。

銀貨を一枚だすと、銅貨のおつりが3枚きた。  おつりの銅貨2枚で男性用下着を父とラルフに買ってあげた。

私は母の古いドレスが気になっていたので、婦人用ドレスを見ていると店主は今この店にはドレスを作る人が辞めたばかりなので、そのドレスは見本で売れないと言われた。

母は洋裁が上手なので生地を見ていると、薄緑の綿の生地があった。

この色は不人気であまり売れが良くないので、良かったら安く売るよ、と言ってくれた。

生地一巻で大人用ドレスが2着作れると言った。

私は銀貨一枚で買えるか?と聞くと銀貨一枚で売ってくれると言った。

ついでにとなりの水色の綿生地も銀貨一枚で安く譲ってもらった。

「お嬢さん商売上手だね。この街に一つだけある洋品店だが、腕の良いドレスを作ってくれる人が見つからなければ、閉めることになるかもしれないので、閉店セールだね」と私に言った。

私の母が、、、と言おうとしたが、ちょうどお客様が来たようなので、店をでた。

霧雨はすでに止んでおり、残った銅貨で雑貨屋でマッチの大箱をたくさん買った。

私は浮かれて店を出たが、毛布に洋服の生地、を持ちどうやって戻ろうかと急に現実に戻り途方に暮れた。

力のない私にはこれらの荷は途方もなく重く感じた。

マッチを擦れば、私の願いはかなうのかしら、馬鹿げたことだとは思いながら、私は買ったばかりのマッチを擦ってみた。   頭から毛布をかぶった、まるで、マッチ売りの少女だわ。

マッチ一本火事の元、どこかで聞いたセルフを吐いた。

とたん、何処からともなく、ラルフの私を呼ぶ声がした。

私の置手紙を見て、ラルフが心配して馬で街まで迎えに来てくれたのだ。

私は地獄に仏とばかり、ラルフにしがみついてしまった。

ラルフは困ったような顔で私と荷物を見て、やがて買った商品と私を馬に乗せ自分は馬をひき歩いて屋敷に連れ戻してくれた。

その間、小公女の話はカットして、私の冒険の話を馬の上でラルフに馬に乗ってる間話し続けたので、喉がひどくガラガラになってしまった。

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