第98話「生意気なトム」
「おはようございます。。今日も良い一日を!!」
「来てくれてどうもありがとうございます!!」
「…………」
エキスパートピアノ音楽学校の校門の前で、、ゲンが生み出した、、この学校の名物である
ピンクダイヤモンド猫とオレンジダイヤモンド猫が、、いつものように、、朝のあいさつをしていた。。
だが、、一緒にいたラフマニノフの愛犬であるヨークシャーテリアのトムは、、ふてくされていた。。
「ねえ、、トム!! 君もたまにはしっかりと声を出してあいさつしたらどうなの??」
「トムだけいつもふてくされていて、、最低だね」
「僕は、、君たち『物霊』と違って、、正真正銘の『真霊』。。舐めた口利かないように!!」
トムはとても生意気だった。。
ショパンとラフマニノフがやってきた。。
「ラフマニノフ様。。トムが私たちを『君たちは物霊だから』ってバカにするんです。。私はとても落ち込んでしまいます。。他の生徒たちが登校してきても、、全然あいさつしないし、、無視してばかりで、、ラフマニノフ様にしか愛想よくしないんです!!」
オレンジダイヤモンド猫がラフマニノフにそうトムのことを相談した。。
「トム!! おはよう。。 ちょっと話があるから校長室兼理事長室に来てくれ!!」
「…………」
ショパンはトムにあいさつしたが……トムは無言でまたショパンを以前のフリスビーの時のように無視した。。
「こいつ!! 本当に性格が悪い犬だな!! あいさつもしないし。。もうエサもやることないよ。。エキスパートピアノに連れてこないでくれ。。ラフマ!!」
「ショパン。。そんな冷たいこというな。。トム。。ちょっとついてこい!!」
「はい!! ラフマニノフ!!」
ラフマニノフは校長室にトムを連れてきた。。
「トム!! 絶対にオレンジダイヤモンド猫やピンクダイヤモンド猫のことを『物霊』だってバカにしちゃいけないよ?? 差別だけはしてはいけない。。君がもし、、差別されて嫌なこと言われたら、、どう思う?? 相手の立場になって、、気持ちになって、、行動してこそ、、我が偉大な愛犬なんだよ??」
「ごめんなさい!! ラフマニノフ!! 生意気な芳樹みたいに僕も、、生意気になれば、、それでみんなからある意味、、愛される気がしていたんだ。。僕はみんなに愛されたかったんだ。。普通のどこにでもいる優しい性格より、、生意気な性格も、、いないとこの学校が面白くならない気がして、、ごめんなさい!!」
「トムなりの優しさだったんだな。。だが、生意気と言っても、、嫌なことをいうことは気を付けような。。芳樹もあの自信過剰さが愛されているが、、嫌なことは言わないぞ!!」
「ワン!!」
「校門の前で、、朝の雰囲気にピッタリなピアノ曲を、、弾いて、、来校者を迎える任務を与えたい。。やってくれるか?? トム??」
「もちろんですよ」
トムはまた校門の前に姿を現した。。
そして、、ショパンとラフマニノフが開発したピアノ「カントリーヌ」ではなくて、、
ラフマニノフの会社が開発したピアノ「マイダッハ」を校門の前に置いた。。
「君は、、カントリーヌを使えばいいのに。。カントリー犬『いぬ』だから、合っているし、、君の体の大きさや手の大きさに自動的に調節して、、ピアノが変形してくれるのに、、やはり、、トムは可愛くないな。。僕が関わっているのは使いたくないってことか??」
ショパンはトムが素直にカントリーヌを使わなかったことを不快に感じた。。
「僕はラフマニノフ様だけを愛しているし、、ついていきたいんです。ピンク猫とオレンジ猫も、、ピアノを一緒に弾かない?? たまには協力して、、来校者を迎えようよ!! まあ、、君たちじゃ大したピアノ曲は弾けないと思うけどね……」
「また、、嫌味を。。この嫌味犬が……」
ショパンはトムをそう切り捨てた。。
「まあ、、トムが、、何があったの?? 珍しいね。。怠け者のだらしない嫌味なトムがピアノで来る人を盛り上げようなんて……」
「でも、、私たちはトムとは一緒に仕事したくない。。却下だよ」
ピンクダイヤモンド猫とオレンジダイヤモンド猫も、、トムと関わりたくないようだ。。
トムは、、ショパンの木枯らしのエチュードを弾いた。。
相当、、今の猫たちの発言にショックを受けて、、寒いドラマチックな木枯らしに急遽、、変更したようだ。。
木枯らしのようにダイナミックな曲は、、今の、、心の動揺を、、素直にぶつけられると考えていたらしい。。
「僕のピアノ曲を弾くとは、、意外だな。嬉しいよ。。生意気な君に認められたようで……」
ショパンが少し、、嬉しがった。。
「さすがに、、ラフマニノフ様が教えているだけあって、、トムのピアノは犬の中ではトップクラスだね」
「犬がピアノを弾くことなんてそもそもあまりに少ないから、、比較のしようがないけどね」
「君たちも何か弾いてみなよ。。ラフマニノフ様に褒められたいならね。僕より下手なのは仕方ないよ。。君たちは猫なんだから」
「なんだとーーーー!! 私だって弾けるよ!!」
ピンクダイヤモンド猫は、、トムを勢いよくどかし、、「猫ふんじゃった」を弾いた。。
「木枯らしのエチュードのあとに、、猫ふんじゃったか。。レベルが違い過ぎて、、さすが、、『真霊』と『物霊』の格の差が出てしまったね」
トムはまた生意気な発言をした。。
「いい加減にしろ!!」
ショパンはついに切れて、、トムを足蹴りした。。尻を蹴った。。
「あああああああ!!!! 嬉しい!! アゲハにしばらく蹴られてなかったから、、快感だーー!!」
トムは反省するどころから、、、喜んでしまった。。
「クビだよ!! クビ!! 君はもう、、エキスパートピアノに来なくていい!!」
「えっ?? そんな??」
ショパンがついにトムにクビ発言した。。
「差別的発言のせいで、、猫たちが可哀そうだ。。悪影響だから、、仕方ない。。直らないみたいだし」
「どうしたの?? なんか騒がしいね??」
副校長のゲンがすっ飛んできた。。
ゲンは猫たちとショパンからすべてを聞いた。。
「猫たちにはあのショパンとラフマニノフより格上の音楽家の角田エリスがいる。。角田エリスは猫の化身だからね。。だから、、犬たちに全然、、バカにされることはないよ。。」
「でも、、角田エリスはそうでも、、私たち、、オレンジ猫とピンク猫は『物霊』でしょ??」
猫たちがゲンに聞く。。
「言っておくけど、、オレンジ猫とピンク猫たちはれっきとした『真霊』だからね?? 角田エリスも……」
「えっ??」
トムが気まずい雰囲気になった。。
「どう?? トム?? あんたは間違っていたみたいね??」
「形勢逆転だね??」
「でも、、僕はもうショパンによってクビにされちゃったからね。。さようなら!!」
トムは学校を出ようとした。。
「待て!! トム!!」
「何??」
「君はなぜ、、あんな差別発言をするようになったの?? みんなが嫌がるような態度をわざと出しているように見える……」
ショパンはトムにそう聞いた。。
「川口芳樹に影響されたんだ。彼みたいに生意気で尖っていたら、、ショパンやラフマニノフが嬉しがっていたから、、わざと嫌な態度していたんです。。本当にごめんなさい」
「トムなりの優しさだったのか」
「僕、、もう、、ここには来れないから、、後悔しています。。僕は間違ったことをしちゃったんだって……」
トムは涙目になった。。
「クビは冗談だよ。。ラフマが悲しむからね。ラフマが悲しむことは、、僕は絶対にしない。。君のことを誤解していたかもしれないね。。これからは、、この学校で、、ピアノを校門の前で弾いて、、みんなを迎えてほしい。。毎朝、、毎朝ね。。やってくれるかい??」
「本当ですか?? ありがとう。。ショパン。。嫌味な発言も、、差別とか悪口にならないように気を付けます」
ラフマニノフが走ってきた。。
「トム。。大丈夫か?? ショパン。。みんな。。トムは悪気はなかったんだ。。許してやってくれ!!」
「もうみんな許してくれたみたいです。。僕がいないとみんな寂しいからしょうがないですよね!!」
「そうだ!! そのような生意気な言い方なら、、誰も傷つかない。。トムも進化しているな!!」
「ねえ、、ラフマ。。君は、、本当にモテるね。。僕に、、ゲンのダブルバディを持っていて、、愛犬のトムに、、教え子の川口芳樹、、妻のバイオレットも。。本当に凄いね!!」
「俺は、、最高のモテ男だからな!!」




