第89話「雨の中で」
「ラフマ……今頃、何してるかな??」
ラフマニノフがシナメルドと共に太陽に行き、3日が過ぎたころには、、ホームシックのようなラフマシックになってしまっていたショパンだった。
ショパンは携帯電話を取り出し、、ラフマニノフにメールを送ろうとしたが……
「ダメだ!! 今回は連絡は取り合わないとラフマと約束したはずだ。距離を置くから、、再会した時の喜びが倍増すると。距離を置いたら置いただけ……」
ショパンは校長室の窓を開け、、空に浮かぶ光輝く太陽を見つめた。
「今頃、、ラフマ、、あそこにいるんだよな……」
独り言を放ったショパン。
「あれっ?? 雨だ。雨が降ってきた」
ショパンは一階の校長室の窓から外に飛び出た。
「ポツ、ポツ、ポツポツ、ポツポツポツ……」
徐々に強くなってきた。
ラフマを想い、、空を、太陽を見ながら、、雨に打たれているショパン。
ショパンの目の中に雨が入り、、それで目を閉じた。
ショパンの目から涙と、涙のような雨の水が流れ落ちる。
「今までいろいろあったね。ラフマ。3日会えないだけでこんなに寂しいなんて。君は本当に僕の太陽そのものだったんだね。離れてみて初めて実感させられるよ……」
「ショパン!! どうした。そんな悲しそうな顔して……」
「芳樹。どうしてここに??」
「落とし物を届けに来たんだよ。これ、、ラフマニノフのハンカチだろ。ショパンが以前、プレゼントした……」
生意気な生徒、、芳樹が落とし物を届けに校長室まで来ていたらしい。
「あんたがそんな泣いてるなんて初めて見たよ。ラフマニノフに会えなくて辛いのか??」
「いいや、、そんなことはないよ。雨の水が目から零れ落ちただけだ。涙じゃないし、、泣いてない!! 僕はそんなヤワじゃないよ。。人の心配してないでさっさとピアノのレッスンに戻りなさい。あと2分後に君らの3Aの教室では、、ゲスト講師のナイバルが教えてくれるんだろ??」
「ショパン。。俺に嘘つかなくていいぜ。。顔みたら、、すぐに分かるからな。それより角田エリスに『ピアノ演奏と作曲の最大のコツを教えてくれない??』って彼女に何度も頼んでいるんだけど、、『私はまだまだ未熟なので教えられません。学ぶことならいくらでもありますが』って言われて、、謙虚過ぎてつまらねえなって思ったよ」
「早く教室に行きなさい。それから、、ハンカチ。ありがとな。あと2人抜けば、、首席だね。最初に会ったときに見下してバカにして済まなかったね。こんな逸材になるとは思わなかった……」
「ラフマニノフに早く帰ってくるように連絡しておくよ!! あんたが俺を褒めて謝るなんて異常事態に違いないからな」
「おっと、、余計なことはしないでくれ」
「それから、、雨に打たれながら相棒を想い、涙を流すショパンは絵になっていたぜ!!」
「泣いてないって!!」
芳樹はそういって次の授業へと向かった。
「ラフマ……」
ショパンはハンカチで涙を拭き、成績表の作成へと戻った。




