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第8話「花屋さん」


 ショパンとラフマニノフは少年「響希」くんのために花屋さんに来ていた。


ショパン「母親にプレゼントする花なら、すみれをおすすめするよ。香りがとにかく癒されるし、飾っておくだけで雰囲気が良くなるし、私は砂糖にまぶして食べたりもしたよ」


響希「食べたんですか?すみれって食べれるの?」


ラフマニノフ「これこれ、ショパン。食べるなんて可哀想だろう。花だって一生懸命生きているんだからな」


ショパン「そんなこといったら、コーヒーだって豆から作る。豆だって立派に生きているんだから人のこと言えないんじゃないか?コーヒーたくさん飲んでいる君は」


ラフマニノフ「コーヒー豆と花を一緒にするな。花は飾るためにあるんだ。食べるためじゃない」


響希「あの、なんでいつも言い合いになるの?仲良くしてください」


ショパン「そうだそうだ!ラフマはいつも突っかかってくるからな!冷静な響希くんを見習いなさい」


アゲハ「あんたたち、私の存在を忘れないでよ。すごい疎外感だわ。私が響希を可哀想だと思い、幽体離脱して連れてきたんだから」


ラフマニノフ「響希くんは霊界は初めてかな?」


響希「ええ、とても美しい場所だと思います。目が見えるってこういうことだったんだって忘れてました。憧れの2人に会えてうれしいです。ラフマニノフの2番とショパンの2番が特にお気に入りです。こんなロマンティックな曲を作曲した人はどんな人なのか興味がありました」


ショパン「どの2番だい?? ラフマはピアノ協奏曲しかないと思うけど、、僕のは、、ノクターン?? ピアノ協奏曲?? スケルツォ?? バラード??」



響希「バラード2番です。ショパンのピアノ曲は20曲聞きました。ラフマニノフさんのは全作品聞きました」


ラフマニノフ「君!さすがだ!ショパンより私の曲の方が魅力的だから全て聞いてくれたんだろう!」


ショパン「君、僕の曲全然聞いてないじゃん。10分の1も聞いてないじゃん。ラフマだけずるい!」


ラフマニノフ「残念だったな!ショパン!私のが優秀なのだ」


ショパン「これからは全て聞いてよね!絶対だよ!」


響希「分かりました。ショパンさんのも全て聞きます。ラフマニノフさんのピアノ協奏曲2番だけでショパンさんより優秀な作曲家だということが分かりました。オーケストラの使い方がうまいですね。ラフマニノフさんは」


ショパン「ピアノが本当に好きな人には私の曲の方が響くはずなんだけど、響くのは名前だけだったのか?」


ラフマニノフ「寒いぞ!ショパン!」


響希「これからはショパンさんのも無理やり聞きます。嫌でも聞きます。だから、許してください」


ショパン「音楽は嫌々聞くものではない。もし、自分の好みに合わず、退屈で嫌になるなら聞かなくていいぞ!私の曲の良さを知っている人はいくらでもいるからな」


響希「ショパンさんよりラフマニノフさんのほうがかっこよくて好きです。身長が大きく、手も大きく、顔も素敵で、ピアノ演奏技術も極めて高く、素晴らしい音楽家ですよね。ショパンさんはほとんどピアノ専門作曲家なので、オーケストレーションが使えるラフマニノフさんのほうが作曲家として優れていると思います」


ラフマニノフ「さすがだ!少年!ショパンも確かにスゴイが、私はもっとスゴイ!」


アゲハ「どう考えたって、ショパンの方が作曲家として優れているでしょ。何、二人とも現実から逃げてるのよ!それより、早く、すみれの花でも買って、母親に届けてやりなさい!」


響希「この花はショパンに捧げます。すみれが大好きだってことだから、すみれの花を。ラフマニノフさんには、バラの花を! どちらも黄色です。。」


ラフマニノフ「私って黄色いバラが似合うのか? ピンクじゃないのか??」


アゲハ「響希くんって変わった感性してるわね」


 ショパンはすみれを。ラフマニノフにはバラを。


響希くんは憧れの2人の作曲家の顔を見て、興奮した夜を過ごした。

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