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第36話「ゲンの牛乳宣伝」

ショパンとラフマニノフは温泉に来ていた。


 いつも来る温泉だ。


 大きなライオンの石像の口からお湯がジャバジャバ出ている温泉。


 床や壁や天井など全て大理石。


 2人のお気に入りの場所で、最近は3日に1回は来ている。


ショパン「ああ、気持ちいいね。ここは最高だね。この白いおしぼりの匂いがまた何とも言えない。最高!!」


ラフマニノフ「温かく熱っしたタオルの肌触りや匂いは実は俺も好きなんだよ。だから、顔にそのタオルをかけて、温泉に浸かるんだ。タオルは必須だよな」


ショパン「あっ!ゲン!来てたのか?最近、よく会うね!」


ゲン「ショパンさんとラフマニノフさんと裸の付き合いの仲になれることが嬉しいな」


 いきなり、ゲンは牛乳を取り出した。


ゲン「霊界最高の牛乳、バンバです。よく、温泉後の牛乳はみんな飲みますが、温泉に入っている最中に牛乳飲むのはなかなかやる人いないんじゃないかな。だから、斬新なことを大切にしているお二人なら一緒に飲んでくれますよね!」


ショパン「うーん。あれ、カメラがある。なんで?」


ゲン「今日はこの温泉のCM撮影を少し手伝ってもらいたいんです。ショパンさんとラフマニノフに出演してもらいたい」


ラフマニノフ「そうなんだ、ショパン。ゲンはコーヒー屋の他に、この俺たちのお気に入りの温泉も経営しているんだ!ゲンとは友達だから、どうか手伝ってあげようと思っているんだが、ショパンもCMに出演してくれないか?」


ショパン「ギャラは?」


ゲン「いつか、、エキスパートピアノに入るというのは?? 教員として。。」


ラフマニノフ「ゲンの淹れたコーヒーを毎日、飲むことができる。それだけで十分だろ?ショパン」


ショパン「まあ、ゲンとは友達だし、、やってやろう。。話を察するに、温泉中に牛乳を僕らが飲んでいるところを撮影し、CMで使うということかな?」


ゲン「察しがいいですね。その通りです。二人には牛乳の温泉に入ってもらいます。牛乳の温泉に入りながら、牛乳を飲みながら、あるセリフを発してもらいます。。


「いい湯だな。僕ら、温泉の牛乳が大好き。みんなで浸かってしまうほどのおいしさ!ゲンの温泉牛乳なり!」


ショパン「えっ?? 牛乳に浸かるの?てか、牛乳を宣伝するの?」


ゲン「はい。コーヒーと牛乳はとても相性がよく、切っても切り離せない間柄。牛乳も売り出したいのです!」


 こうして、CM撮影が始まった。



 「ゲンのよる解説」


 まず、ショパンがピアノ演奏し、ラフマニノフが指揮をし、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番の1楽章の最も美しいメロディー部分を弾いている映像が流れます。


「ショパンとラフマニノフ。2人の天才音楽家が音楽をそっちのけになってでも、気になって入ってしまう温泉。ゲン温泉!」


と僕がナレーションをし、ショパンとラフマニノフは演奏を止め、いきなり退場してしまいます。


 そして、温泉に到着し、温泉に浸かる映像が流れます。


 そしたら、


「その温泉の牛乳は、ショパンとラフマニノフがファンになり、気持ち悪くて吐いてしまうほどたくさん飲んでしまうほどの味わい」


と僕のナレーションがかかります。


そして、3人で一斉に


「ゲンの満腹牛乳!」


と叫び、牛乳瓶を掲げて、一気に飲み、終わります。


ゲン「ってな感じですかね」


ショパン「それなら僕からアイデアが!」


ラフマニノフ「なんだ?? アイデアって」


ゲン「……」


ショパン「僕たちがピアノ協奏曲を演奏しているところで、ゲンが無理やり、僕たちを引きずりながらゲン温泉まで連れていく。


 そして、


『無理やり、連れていきたくなる温泉』


というフレーズを使った方がいいと思うんだけど」


ラフマニノフ「そうだ。俺からも提案なんだが、CMの最後に、腰にかけていて白いタオルが取れてしまい、股間を隠し、恥ずかしがるというものはどうだ」


ショパン「出た!ラフマって変態な気が少しあるかもね。露出狂とかじゃないよね??」


ゲン「そうですね。2人からアイデアをもらえるなんて嬉しいです。自分一人だけの考えでCMを作っても、嬉しくない。みんなで作り上げることを一番大切にしたいことですからね。分かりました。それも全て採用しましょう」


 こうして、CM撮影はなんとか終わった。


 3人はCM撮影後、温泉にまた浸かった。


ゲン「なんとかCMが出来上がりました。オンエアが楽しみです。ショパンとラフマニノフが温泉のCMに出るなんて、なんか新しいことやってるなって嬉しくなります」


ショパン「ゲン。いつも思うんだけど、ゲンも僕らの音楽学校に入らない?エキスパートピアノに。ゲンには才能があるかもしれない」


ゲン「いえ、私はシンガーソングライターであり、ピアノの才能はないです。それは、以前、僕もピアノに興味を持って練習をたくさんしましたが、先生のラフマニノフに向いてないと言われてしまったのです」


ショパン「ラフマが『向いてない』って言ったの?君に?ラフマらしくないなあ。才能が無い人こそ、これから努力して、練習して、天才にしてやるって、困難なことほど燃えるタイプの先生なのに」


ラフマニノフ「ゲンは本当に残念だった。いくら教えても上達しない。英雄ポロネーズも弾けないんだ。でも、ゲンの作る曲は、作曲はとてもセンスがある。個性的だ。ピアノは弾けないが、それをカバーする魅力がゲンにはある」


ゲン「自分でもとてもショックでした。ピアノが上手くなりたいのに、それが叶わないなんて。才能がなかった」


ショパン「宇宙の神、ミヤザワトモヒデに頼んで、記憶力を変えてもらえば?? そういう方法があるらしいよ。記憶力を意図的に秒速で向上させる機械があるらしいよ」


ゲン「いえ、それでは僕が僕ではなくなります。僕はありのままの自分でいたい。ピアノが下手なのも、自分という人間のカラーなんですよ。ピアノが死ぬほど上手なショパンみたいな人もいれば、逆の僕みたいな人もいます。それでいいんです。自然に任せたい。でも、まだあきらめてないんです。心の底では。だから、家に帰ってピアノをいじってます。記憶力を上げる脳トレもしてますし。その目標や目指すべきものを達成するまでの過程が一番幸せだし、楽しいのです。過程をこれからも楽しんでいきたいです。全てが初めからうまくいき、持っている人には同情します。試行錯誤して、達成するまでの面白さを味わえないのだから」


ラフマニノフ「そうだ。その意気だ?相棒よ」


ショパン「ちょ。相棒は僕でしょ?ゲンも入れるの?三角関係じゃん。それじゃあ」


ゲン「ショパンさんのラフマ愛はとてつもないですね」





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