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第35話「家を建てる」

ショパンとラフマニノフは音楽学校「エキスパートピアノ」の校庭の敷地に自分たちの手作りの家を建設しようとしていた。


ショパン「家を手作りできるのも、霊界ならではだね。音楽家が建物を建てるなんて地上世界では絶対に無理だよね。大工とかの仕事だからね。でも、この物体建設機を使えば、設計図通りに建設してくれるから、便利だよね」


ラフマニノフ「でも、物体建設機に頼らず、俺らだけで作りたいと思うんだが、どうかな?お粗末で簡単なものでもいいからさ」


ショパン「じゃあ、作ってみようよ。実際に。できれば木製の建物がいいな。木が好きなんだよ。僕は」


ラフマニノフ「俺たち気が合うな。木だけにな。。実は俺も洒落てはいなくても、試行錯誤して作った俺たちオリジナルの建物を作りたいと思っていてな」


ショパン「自分たちだけで作った建築物か。なんでもいい。作ろう」


 建築の基本のキの字も知らない2人がいきなり建てられるわけもなく、途方にくれてしまい、結局、全然進まなかった。


 物体建設機では、設計図さえあれば誰でも作ることができるが、それでは2人の本望ではない。


 2人は至急、音楽学校の全生徒に向けて、校内放送をした。


「全生徒に告ぐ。ショパンとラフマニノフ先生が家を建てるらしいので、建築関係の資格、知識、技術がある人は至急、校庭の職員室の前に集まるように!」


 結局、4人が集まった。


 その4人がショパンとラフマニノフの願いを聞き入れながら、家を手作りしていった。


 ショパンとラフマニノフは4人の大工などに頼むだけでは物足りないので、釘を打つ手伝いをしたり、木材などの資材を運んだり、手伝いまくった。


「パシュン、パシュン」



 ショパンは自動くぎ打ち機に恐怖のあまり、股間に寒気がした。


 あれで体をやられたらどんだけ痛いか。あれが地上世界で使われているとなると、使い方しだいでは超危険で、恐怖だなと思った。地上世界を卒業していてよかったと思ったほどだ。


大工の1人「ショパン。もっと早く木材を運んでくれ。これではいないほうがいいくらいだ」


ショパン「なんだと?僕は校長だぞ?なんでそんなに偉そうなんだ?いばるな!」


大工の1人「うるせえよ。黙って言うとおりにしな!」


大工のそのまた1人「すいません。ショパン先生。この人は飛びぬけて高い技術を持つ職人さんで、プライドがめちゃくちゃ高くて、作業中のみ、乱暴な悪い言葉遣いになってしまいます。作業が終われば、優しい性格に戻りますので、耐えていただけますか?彼がいないといるでは天と地の差で仕事の進むスピードが変わります」


ラフマニノフ「威勢があっていいな。面白いな。仕事中だけはミスしないように全集中してるからこそ、神経使っているからこそ、口が悪くなるんだな。それだけ情熱を持って仕事しているんだ。ショパン。耐えろ!」


ショパン「ラフマには全然あんな態度しないのに。人によって変わるのはどうかと思うけどね」


 結局、休憩をはさみながら、25日間で簡素な木材で建設された家は完成した。


ショパン「25日間もかけるつもりなかったんだけどね。建築仕事を完全に舐めてた」


大工「25日しかかからなかったんだよ。。逆だよ。。頭悪ーな。。」


ショパン「その言葉遣い、、なんとかならないのか?? 作業はもう終わったんだぞ??」


ラフマニノフ「俺はスゴイ楽しかったぞ?ありがとな」


「こちらこそ、こんな偉大な仕事を任されて光栄です!」


地盤調査、地鎮祭、地盤改良工事、地縄張り、根切り、地業、捨てコンクリート、配筋工事、生コンクリート打設、内外部給排水工事、土台敷き、足場組み、建方工事、上棟式、屋根工事、サッシ設置工事、中間検査、電気工事、断熱工事、床下地工事、外壁工事、クロス貼り、床フローリング・タイル貼り、造作工事、建具設置、足場外し、照明工事、電気の調整、その他の設備施工、外構工事、竣工検査、引き渡し。


 これらの一般的な新築住宅が建てられる流れを無視することもできたが、結局、全てを実行した。


 最初は簡素でいいとか、適当でいいとか言っていたが、4人の集まった大工などに説明され、家を一から建てるには、たくさんの工程を経る必要があるということを知った。


 ショパンとラフマニノフは家を建てるだけで、こんなにやることがあるのだと甘く見ていたのだ。


 しかし、できるかぎり初心者なりに手伝ったので、なんだかんだ言って、ショパンとラフマニノフのオリジナルの家が完成した。



 2階建てでほぼすべて木製になっている。


 ショパンとラフマニノフの交換日記が展示されていて、全て見れる。


 また、2人の自筆譜や、ショパンとラフマニノフの出演の映画もある。いずれも、この家でしか見られない。


 また、ラフマニノフのコーヒーカフェが設備されている。


 音楽学校の全生徒の中で一日10人限定で入場券がランダムで配られる。なので、みんな自分が当たらないか毎日、ワクワクできる流れになっている。ランダムなので、優秀な生徒のみに配られるというわけではないので、この音楽学校でしか見られない貴重なショパンとラフマニノフの交換日記などが、よりいっそ、この学校の価値を高めていることになる。


 2人のファンだったら、ぜひ、入学したいところだろう。


 ちなみにショパンとラフマニノフの特別なサインも1人1枚、必ず行けば手に入るようになっている。


 また、ショパンとラフマニノフの様々な伝記や本などが何十冊とそろっている。


 そして、何より、ショパンとラフマニノフが開発したお菓子「ストロベリークッキー」が売られている。


 4人の大工には入場券を特別に発行してあげた。


ショパン「ラフマ。やっとできあがったね。これで、この学校の魅力がまた1つどころか3つくらい増えた!!!嬉しい!」


ラフマニノフ「新しいことにどんどんチャレンジしていこうな。モーツァルトとベートーベンの学校に負けないようにしていこうな。俺たちはあくまでピアノを愛する、ピアノに全てを捧げていくという同志だからな」

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