第28話「サーカス」
ショパンとラフマニノフがダブル校長をしている音楽学校「エキスパートピアノ」にひとつの手紙が届いた。
それは霊界で最も人気なテレビ局「ホワイトブラック」がらのものだった。
「音楽学校の宣伝を霊界全体で弊社が協力する代わりに、サーカス団を作って、テレビに出演してもらえないでしょうか?サーカスにショパンとラフマニノフが出演し、私たちのテレビで生放送すれば、きっと高視聴率は間違いないでしょう!音楽学校の知名度も今以上に更に爆上がりすることが期待できます」
ショパンは実は自身のブログで「サーカスに出演したい。バック転や側宙が得意なんだ!」ということをサラっと書いたことがあり、それを見た霊界最高のテレビ局「ホワイトブラック」の局長がショパンのアクロバティックなバック転などはきっと話題になると考えた。
繊細で神経質なショパンがそんな演技するのは斬新で意外性があり、きっとみんなにウケると思ったのだ。
ショパン「⋯ってことなんだけど、ラフマはどうする?サーカスにぜひ出てくれるかい?絶対に出てほしい!私は斬新な姿を見せたい。音楽家がサーカスなんて斬新だろ?それが重要なのだ!霊界のテレビに新たな旋風を巻き起こしたい!」
ラフマニノフ「それいいな!お前の意欲は賞賛に値するよ!これから練習していこう!」
こうして、サーカスが開催された。
「ショパンとラフマニノフのサーカス」
という題名で行われた。
エキストラが20人ほどいて、大きな舞台で始まった。
ショパンがいきなり連続バック転しながら、テレビに姿を現した。
ラフマニノフも同時に入ってきた。お互い、バック転をしながら。
ショパンはわざとバック転している最中に転倒した。
そして、頭を強く打った。
それを見たラフマニノフがそそくさとショパンに駆け寄った。
ラフマニノフ「ショパン!大丈丈夫か?頭強く打ったろ?おい、しっかりしろ!」
ショパン「もうダメな⋯わけないだろう!相棒!!!ここは霊界だ!どんなに危険なことしても体はへっちゃらさ!」
ラフマニノフ「地上時代の癖が抜けねえんだよなーーー!」
ミュージカル風に音楽が流れながら、演技が開始された。
ライオンがいきなり中央から魔法のように出現し、ダンスしはじめた。
犬と猿もいきなり出現した。
空にはハトが円を描くように飛んでいる。
ショパン「いくら犬と猿が仲が悪くても、霊界に来ればそんなの関係なーーーいのさ!ゲ、、いや、、ライオンよ!ダンスしたまえ!ほら、犬と猿も仲良く手をつないでダンスしたまえ!」
ラフマニノフ「私たちは霊界に住んでいるから何でも自由さー。好きなことをしたいようにできるのさー!ショパン!今日は何する?」
ショパン「今日はみんなでサーカスだ!でも、ピアノがないぞ!ピアノがなくては私ではなくなる!」
ラフマニノフ「ピアノならあそこだ!」
ショパン「なんと、遥か天井近くに取り付けてあったとは。では、私たちの歌を。私がピアノ。ラフマニノフがボーカルで!」
空中をブルンブルン回転しながら、ピアノに座ったショパンはピアノを弾いた。
それに合わせて、ラフマニノフが歌を歌いだした。
「霊界歓喜の歌」
ベートーベンの第九の歓喜の歌のように、霊界でショパンとラフマニノフが作曲した新たな歓喜の歌だ。
地球圏霊界の最大のヒット曲を目指して、、ショパン&ラフマニノフが共作した。。
エキストラたちもラフマニノフの歌唱に続いて、歌いだした。
ラフマニノフ&エキストラ「私たちは、苦しみばかりの物質界から解放された自由な鳥なんだ。あの時にできなかった全てを今こそ、実現しよう!!」
30分くらいのサーカス。
ハトがショパンに10匹以上集まって、ピアノを演奏しづらくした。
ショパン「ああ、ハトめ。私にピアノ演奏をさせないなら、君たちが代わりにしたまえ!」
ショパンは空中を大きく回転しながら、ラフマニノフの立っている場所まで行った。
ハトは人間の姿にいきなり変身し、ラフマニノフの元に行ったショパンの代わりに演奏を始めた!
人間の姿をしたハトは鳥人間みたいな姿をしていた。
5本指の手がしっかりあるが、翼もある。
ショパンは回転しながらラフマニノフに近づいたので、まじめに歌っているラフマニノフに接触して、ラフマニノフが今度は転倒した。
ショパン「ラフマニノフ、大丈夫?」
ラフマニノフ「当たり前さーーー。この世界では⋯もう分かっているよなーーー」
一番の大サビでショパンとラフマニノフの2人は仲良く並んで、大きな声で歌った。
テレビにはショパンとラフマニノフが一番目立つように映っている。
当たり前だ。
この2人が主役だからだ。
ショパン&ラフマニノフ「今、この最高の瞬間を、最高の気分で味わおう!ショパンとラフマニノフ。私たちからの贈り物だから。ただ、見ている人たちを喜ばせたいだけ!さあ、みんなで歓喜しよう。存在している喜びよ!神からもらったこの生命を。不安になり、孤独になるときは私たちのことを思い出して!私たちはずっと君たちの心のそばにいるから!僕たちから無限大の愛を!これからもこの世界をみんなで楽しく作っていこうねーーーーー!」
サーカス終演後にショパンとラフマニノフの雑談タイムがあった。
司会「どうでしたか?今回のサーカスは?何か手応えは??」
ショパン「私のバック転や側宙はとても斬新だったと思います!私は生前、病弱でしたから、今は違うんだ!進化しているんだってことをみんなに見せたかった。今までにない新しいことをするということをこれからもこだわりたいです」
ラフマニノフ「私からもいいですか?いや、体操選手にでもなったかのような錯覚を感じました。ショパンがバック転にこだわるんです。変わってますよね!」
司会「いや、とても新鮮なサーカスでした。今までこのような形のサーカスはなかったんじゃない?」
ショパン「今までにない新鮮さだからこそ、やる価値があるんです。私たちは音楽学校をやってます。エキスパートピアノという学校なんですが、ぜひ、私たちの今日の活動で、音楽に興味を持つ人が増えてくれればと思います」
ラフマニノフ「ショパンを超えるピアノ作曲家を、私を超えるピアノ演奏家を、目指してください。私たちはその志ある人の背中を押していきますから」
司会「今日はありがとうございました」
ライオンの着ぐるみを脱いで、、楽屋にいたゲン。
そう、、サーカスに登場したライオンはゲンだったのだ。
ゲン「いつか、、このラフマへの協力が、、報われますように!! きっと神様は見ているよね!! はあ、、ラフマの相棒になりたいよ!!」
ゲンは心の中でそう叫びつづけている。
果たして、、ゲンの悲願は叶うか。




