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第20話「お菓子の家」

ショパン「ここはイチゴジャムで塗装して⋯ここはキウイフルーツを盛り付ける!そして、オレンジマーガリン風味のスポンジ生地で壁をつくる!」


ラフマニノフ「壁はシンプルにチョコレートにしたほうがいいと思うんだが!イチゴチョコでな。リンゴチョコレートソースもトッピング隠し味にしたらどうだ?」


ショパン「それいいね!」


 2人の天才音楽家は「お菓子の家づくり選手権大会」に出場している最中だった。


 2人でペアになり、「より美味しそうな見た目で、実際に美味しくて、魅力的なお菓子の家」を作るのを競う。


 参加者は200人ちょうど。



 優勝すると獲得できるのは、霊界で最も権威のあ

ると言われ、限られた人しか招待されない地球圏霊界の最高会議「シナメルド会議」に出席する、、お偉いさんに、、その優勝作品のお菓子の家が、、ミニサイズになり、、振る舞われる。。


 まさにショパンとラフマニノフは音楽家としてだけではなく、霊界での政治の仕事もしたいと考えていた。


 霊界の法律を変え、既存の古い音楽体制を新しいものに変えていくためにも、ある程度、、お偉いさんに認められるために、、距離を近づくきっかけを作りたかった。。


 自分たちのお菓子で、、お偉い方、、特にトップのシナメルドに気に入られたかった。。



ラフマニノフ「大事なのは審査員に気に入られるものをつくることだ。より美味しそうで魅力的なお菓子の家といっても選ばれる基準があいまいで、審査員の好みしだいだから、審査員の感性を刺激するものじゃないとな。ただ、審査員の情報が少なすぎるので、結局は自分たちのより魅力的と感じたものを作るしかない。自分たちの趣向が、審査員たちとマッチするかは運とも言えるかもな。どのような家を作るのが優勝するために必要だと思う?」


ショパン「僕が考えるに、誰でも考えられるありきたりなものだと絶対に選ばれないと思う。斬新で革新性があり、意外性、面白いアイデア、工夫などがやはり大事だね」


ラフマニノフ「意外性か!独特で味のある感じが必要ということか。では、私たちは音楽家らしくピアノの鍵盤を普通の階段ではなく、洒落た螺旋階段に描くというのはどうだ?」


ショパン「壁に音符をつけた楽譜も書こう。このお菓子の家のテーマは『ある男性が恋人との別れの悲しみからの再会の喜び』にしよう。クッキーを使い、恋人の男性が手を伸ばしながら、行かないでくれって女性を追いかけるシーンを再現し、机に座って別れを悲しむ男性をチョコレートで作り、最後に女性と再会して、、抱き合う男性、、結婚式のハッピーエンドをケーキで作る。ってのは?やっぱり、恋する物語が審査員の心を動かすかもって予測したんだけど」


ラフマニノフ「たまにはお前に従うか!考えている時間もないしな。ただ、男性を女性に置き換えよう。男性目線より女性目線の作りのほうがいい。普通だと男性目線から描かれる恋愛が一般的だと俺は考えているから、斬新さを加えたい」


ショパン「新婚旅行に旅立つ宇宙船も作ろう。最後にね。恋人との新しい人生の出発の旅立ちを表現するんだ!」


ラフマニノフ「いろいろと工夫して考えるのって面白くて最高だな!」


ショパン「その意気だよ!ラフマ。楽しむのが一番だ!楽しめば自然といいのができるからね」


 霊界では思念により、お菓子が出来上がる。実際にお菓子は考えたとおりに実体として現れる。なので、お菓子を手作りする必要がないのだ。すでに用意された限られた材料から、自分の考えうる最高のアイデアを駆使して、お菓子の家を思念で組み立てる。なんと、この大会にはショパンとラフマニノフがライバル視するモーツァルトとベートーベンのペアも参加していた。



モーツァルト「すっかりと君たち2人は板についてきたね。私からのアドバイスだ。作品テーマは『太陽』にするといいよ。ピアノの螺旋階段は作らなくていい。階段なんてあまり目立たないし、魅力もない。注目されないものに凝っても仕方ないだろう」


ショパン「モーツァルト、君は僕たちの話を全て聞いていたのか。人のことを心配する余裕があるなら自分の心配しろ!僕たちは人からのアドバイスは採用しない。あくまで、自分たちの力で優勝したいから」


ベートーベン「相変わらず、ショパンは頑固だ。まあ、好きにすればいいさ。複雑な作りよりもシンプルにしたほうがいいかもしれないしな。表現の数が多いからいいってもんじゃないしな。まあ、3時間の制限時間が与えられているから、焦ることはない!シンプル・ザ・ベスト!」


ラフマニノフ「モーツァルトとベートーベンが作るお菓子の家はスゴイ興味深いな。後で拝見させてもらうからな。期待外れにならないように全力を尽くせよ!」


モーツァルト&ベートーベン「そっちこそ!」


ショパン「全く、僕らに気遣う余裕があるなんて。なんか腹立ったよ。油断してるからあいつらは絶対に優勝はできないと思う。油断してるやつに神様は微笑まない!」


 大会結果はショパンの予想を覆して、モーツァルトとベートーベンが優勝した。


ショパン「なんでだーーーーー!審査委員長!なんで?なんで?なんで?モーツァルトたちの家を見たけれど、全然作りこまれてなかったとしか思えないんだが。ただの窓の日差しで日光浴している人をシンプルに、表現しただけじゃん!僕たちの方が魅力的じゃない?」


審査委員長「ヒントは私たち5人の審査委員の服装にあった。みんな、太陽に関係するものが書かれていた。『太陽』こそが隠されていた大会テーマだったのだよ」


ショパン「そうだったのか。だから、モーツァルトは太陽をテーマにしろと言ったのか」


ラフマニノフ「ワハハハハ。まあ、楽しかったからいいではないか。ショパン」


ショパン「ガーーーーン。モーツァルトはそこまで見抜いていたとは。負けた......」


モーツァルト「太陽が隠された大会テーマだと気づいてほしかった理由は、ショパンたちと対等の状態で勝負したかったからだよ。まあ、観察力や洞察力、経験値で差が出るところだね。なんで私が太陽と言ったのか、、疑問に持てれば、、おのずと気づけたかもね。。しかし、、ショパンは私のアドバイスを激高して、、無視した。。ショパンが未熟なだけだね」


ショパン「キー!! 悔しい!!」

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