第19話「さらばショパン!!」
ラフマニノフ「ショパン!折り入って話があるんだが!」
ショパン「何?重要な決定を下すときにいつも使うこの重要決定専用部屋に僕を呼び出したりして」
ラフマニノフ「実は、俺、ショパンとは距離を置こうと思う」
ショパン「えーーーーー?何で?」
ラフマニノフ「ショパンでいう別れの曲みたいな悲しみを体験したくなったんだ。つまり、1人になりたいということだ。最近、孤独になりたい自分がいる。別れがあるから、いつか再会したときに喜びが倍増するというものだ。今まで、ショパンに頼りまくっていた。ナイバルに弟子入りしようと思う。ナイバルは俺の弟子入りを歓迎してくれた。実は俺、ショパンのピアノ曲以上のピアノ曲を作曲できるようになりたいんだ。ショパンは憧れだった。お前を超えたい!」
ショパン「なんで?ラフマのほうがピアノ協奏曲やオーケストラの使い方が格上だよね?? ピアノ演奏技術でも上だし。会社を持っていてビジネスマンとして大金持ちの大成功者で全然負けてないのに」
ラフマニノフ「実際はお前の方が音楽家として俺より優れてる。優劣をつけるなら、お前の圧勝だ。ショパン国際ピアノコンクールが1927年に開催されて、ダントツ別格天と地の差月とスッポンで正真正銘、世界最高のコンクールであるのに対して、ラフマニノフコンクールはまだできて数年しか経ってないし、規模もショパンコンクールに比べたら鼻くそみたいなもんだ。自分はショパンに負けていると実感したよ。最近、ミヤザワトモヒデにそれを指摘されて、自分の自
信が崩された。自分はショパンより格上なワケがない。それは、ショパンコンクールとラフマニノフコンクールを比べたらわかる。ショパンの圧勝だよ。俺はうぬぼれていたんだ。だから、いつか音楽家のショパンを超えるために、ショパンの格上、音楽の超大天才、冥王星にいるナイバルに弟子入りしようと思う!」
ショパン「なんだか、君に天才だと認められたみたいですっごく嬉しいよ!ラフマ。でも、僕はラフマと別れたくない!一緒にいたいよ!絶対に行かないでくれ!」
ラフマニノフ「いつか、ショパンみたいなピアノ曲が書ける作曲家になって戻ってくるよ!音楽学校の方は、一時期閉校とするかショパンのみでやってくれ」
ショパン「ラフマがいなくちゃやる気なんて起きないよ!嫌だ!嫌だ!絶対に嫌だ!行かせないからな!ラフマがいたから、今までの生活がより楽しくなったのに。それを壊すなんて嫌だあ!」
ラフマニノフ「お前にひとつ、頼みがある!」
ショパン「なんだよ!今、涙で何もできないよ!」
ラフマニノフ「別れの曲を弾いてくれ!俺のために」
ショパン「嘘だろ?本気で?もう決心は固いの?」
ラフマニノフ「俺は絶対にナイバルの元に行く!お前を音楽家として超えるために!」
ショパンはピアノを取り出した。
霊界最高のピアノ「マイダッハ」静かに椅子に座り、放心状態になりながら、ゆっくり別れの曲を弾きだした。
いつもよりゆっくりと大事に、今までのラフマニノフとの思い出をピアノの音色に込めて、魂を込めて、号泣しながらの約4分間の名演奏だった!
特に、一番盛り上げるところでショパンは「ウウウウ」と一番涙を流した。
今まででこんなに感情を込めた演奏はしたことがなかった。ラフマと偶然付き合い始めてから、色褪せた日常に光が差した。
ラフマニノフはまさにショパンの太陽だった。
ラフマニノフも泣いていた。
無表情で静かに涙を流した。
手で目をこすっている。
ショパン「ラフマ。今までありがとう。君との日々は忘れない!」
ラフマニノフ「俺もだ相棒!いろいろありすぎたな!」
2人は熱い抱擁をして、抱き合った!
ラフマニノフ「おーい!ショパン起きろ!」
ショパン「ん?あれ?あっ?なんだ!今のは夢だったの
か!」
ラフマニノフ「なんの夢見てたんだ?これから音楽学校に行って、生徒たちに教えることが山ほどあるというのにのんきな奴だな!」
ショパン「イヤ、実はさ⋯」
ショパンは夢見たことを全て話した!
ラフマニノフ「ありえない夢だな!夢は反対って言うからな!俺がお前から離れるわけがないだろ?以前、あれだけー緒にいようと約束したじゃないか!それに、俺がお前に音楽家として負けているわけないだろ?俺のコンクールはまだてきて数年しか経ってないからショパンコンクールより劣っていても仕方ないさ。いずれ、ショパンコンクールをも超える世界一の大コンクールになるさ!音楽学校をお前ひとりに任せたら大変なことになるから、お前を一人にしないさ!それに、ショパンの魅力的で欠点だらけのピアノ協奏曲を完成させたのは、オーケストレーションに優れたラフマニノフだって言われていたように、俺たちはいつも助け合う運命なんだよ。ショパンはオーケストレーションよりピアノを更に極めろ。まだまだ向上できるさ。ナイバルのように。俺はオーケストレーションを更に極めるからな。俺までがピアノ曲作曲家を極めても面白くないからな」
ショパンは目頭が熱くなり、ラフマに飛びついた。
ショパン「よかった!それでこそラフマだ!いつまでも一緒だよね!確定だよね!」
ラフマニノフ「当たり前だ!」
ショパンは当たり前と思っていたラフマが離れてしまうという恐怖を夢で仮体験した。
それは、ラフマニノフという太陽が当たり前に存在すると思うなという夢からの教えだったのかもしれない!




