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第18話「映像編集」

ショパンとラフマニノフは2人で共演する公開演奏会のためのスクリーンに描写される映像をパソコンで編集している最中だった。


ラフマニノフ「白い花びらの花の真ん中が地球になっていて、ひとつずつ花びらが離れていき、最終的にその丸い青い地球だけが満天の宇宙空間をバックに残る。そのあとピアノ協奏曲『地球』を演奏開始だ」


ショパン「結構、美しくていいんじゃないかな。これは賛成かな。それより、僕の英雄ポロネーズの映像はどうしようか迷っているんだけど」


ラフマニノフ「自分が作曲したときの動機、どのような思いが込められているかを素直に表現すればいいんじゃないか?」


ショパン「うん、それでもいい。この英雄ポロネーズは僕が病弱で風邪をこじらせてばかりだった頃に、お父さんが看病してくれた時の頼もしさを表現したんだよ。お父さんはその時、僕のヒーローだったから。だから、英雄と名付けられたのは自分でも納得しているんだ。でも、それは曲の源になっているエピソードであって、自分の理想ではない。自分は混乱した世界を平和にした世界の王、男の勇敢さを映像で表現したいって思いがある。事実にもとづいた映像か、自分のし

たいような理想にもとづいた映像か、迷っているんだ」


ラフマニノフ「これは、まさに究極の2択だな。でも、俺は王様のほうが圧倒的にいい。お父さんには悪いが、ショパンのお父さんが個人的に看病した時の映像は共感が少ないと感じる。やはり、ロマンがあるのは世界の王様が世界を平和にし、世界統一する映像の方がワクワクするし、感動するとしか思えないがな。お父さんの子供への愛情より、やはり多くの人が魅了されるのは世界王のほうだ。俺は世界王のほうが

興味あるし、ぜひ、見てみたい!」


ショパン「じゃあ、世界王を演奏中のスクリーンに流すことにするね。映像は実写がいいか、アニメーションがいいか、どっちがいいだろうか?」


ラフマニノフ「俺に聞きすぎじゃないか?自分で決めるべきだと思うが、アニメーションのほうが心にスッと入ってきやすいな。俺たちは実写の世界で生きている。新鮮なのはアニメだな。でも、アニメーションを制作するのは大変だぞ?3か月後の演奏会に間に合わせられるのか?」



ショパン「インターネットでアニメーション制作の依頼の会社を検索してみるよ。僕はマンガとか似顔絵を描くのが生前から得意だったから、どのような雰囲気の王様を登場させるか、これから決定していきたい!」


ラフマニノフ「それより、ショパン。お前の家に槍を用いた警備員を配置していることについてだが、なんとかならないのか?無断で入り込んだ奴を槍で撃退するのはちょっとやりすぎで残酷だぞ?俺も最初、ショパンのところに無断で登場したら、槍で退治されそうになり、カッとなってその鎧を着た槍の部隊とやりあったんだ。槍だけにな」


ショパン「この霊界では思念により、思った場所に一瞬で自由に行けるからね。誰も来てほしくないって思った時に槍部隊を配置しているんだよ。でも、みんな霊体だから、痛みは感じないし、死なないからね。これで、懲りて、無断で入ることはないようになるといいなと思ってね」


ラフマニノフ「無断でというなら、お前が許可したら大丈夫なのか?」


ショパン「許可証を随時、発行して、渡しているからね。ラフマに渡しておくよ」


ラフマニノフ「首にかけるタイプだな。槍部隊に見えるようにしないとな」



ショパン「作曲しているときに、いきなり誰も知らない人がちょこちょこ現れると、集中できないからね。槍部隊は苦肉の策だよ。どうしても嫌なんだ。作曲中に1人になれないのは」


ラフマニノフ「俺は一人じゃないほうがいけどな。海で波に揺られながら、パソコンで作曲してるしな。俺たちってやっぱり対照的だな」


ショパン「生前、サンドの別邸、ノアンの家では僕専用の作曲部屋があって、馬の毛が使われた2重扉が設置されていて、そこで英雄ポロネーズとかを作曲したんだ。集中力がなくなるから作曲中は誰も入ってこないようにみんなしてくれていたよ。あっ、そうそう。コーヒー屋のゲンを雇用したいんだけど、ラフマから言ってくれないかな?家でゲンの入れるコーヒーが飲みたいって」


ラフマニノフ「ゲンは地上でライブやってんじゃないかな?まだ、幽体離脱でしか霊界に来られないから、自由にアクセスできるわけじゃないんだよ。それに、ゲンは雇用されるのは嫌がると思う。自分の店を出しているからな。俺もいずれ、自分のコーヒー店を出そうと思っている」


ショパン「ゲンのライブに見に行こうよ!」


ラフマニノフ「分かった。ゲンの様子を見に行こう!」



 2人はゲンに会いに地上世界に降りに行った。


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