第17話「ナイバル」
「いずれこの国の王になる」
川から打ち上げられた黄金魚にドラゴンの生命が刻まれた。
その魚を望遠鏡みたいにアップして見てみると、その魚の細胞にドラゴンの命が宿っていた。
青色をしている。目が見えて、動いてる。このドラゴンはまだ赤ちゃんだが、いずれ国を大きく改革する革命王になるのだという。
ドラゴン人間「キングストロークドラゴン」だ。彼は世界を変える大きな使命を持ってこの世に降誕した。
その黄金魚に宿った時に、空には大きな虹が出現したという。
科学者の白地郎は黄金魚を発見し、珍しいので持ち帰ることにした。
手に持った瞬間に、神の声が白地郎の頭に流れ込んできた。
「この魚を8カ月間、守り抜いてください。この魚には世界を変える救世主ドラゴンが宿っています」
はっきりと聞こえた。
空耳ではなかった。
何度も何度も聞こえてくる。
白地郎は科学者だ。
ドラゴンが宿っているか調べることにした。
白地郎「むっ?? なんだこれは?」
ラフマニノフ「ショパン。もう、飽きてきたぞ!」
ショパン「もう?君は飽きるのが高速だな。寝ながら読み聞かせる本はこれが読みたい気分なんだけど」
ラフマニノフ「ショパンの読み方が発声が下手くそなのかもな。私がこの前にやったスピーチみたいに魂をこめ、抑揚のはっきりした読み方でやってみたまえ」
ショパン「わがままだな。読んでやってるだけありがたいと思え!」
ラフマニノフ「そんなこと言うなら、もうラフマカレー作ってやらないぞ!いいのか?それでも」
ショパン「あれは一週間に一度の楽しみなのに?? それすら奪うっていうのか!薄情者が」
ラフマニノフ「えい!ややこしい!もう読み聞かせはしなくていい。言い合いで目が覚めてしまったからな」
ショパン「ねえ、ラフマ。最近、音楽学校のことで相談があるんだけど」
ラフマニノフ「??」
ショパン「僕は生前はピアノのレッスンとかの先生をやるのが楽しかったし、自分でもかなり高レベルの教授だなと自負していたんだけど、なんか教えるのがめんどくさくなってきてしまっているんだよね。この人に教えても、僕は超えられないなって思っちゃう」
ラフマニノフ「ショパンを超えるピアノ音楽作曲家を誕生させるのがお前の野望であり、目標ではなかったのかな?」
ショパン「なんか、今、音楽学校が設立されて半年くらい経つけれど、全然そんな素質のある人は見当たらないというか。教えても無駄だなとか思っちゃうんだよね。ラフマはなんか注目生徒いる?我らの音楽学校で一番優秀な生徒でも、僕はおろか、ラフマすら超えられる人はいないと未来を予感させる生徒しかいないんだけど」
ラフマニノフ「あくまで予感だよ。それに、そんな簡単に私たちを超えられるわけがないだろう。いくら優秀な生徒たちであっても。でも、いつの日か現れるかもしれない。それに、そういう私たちの後継者を育て上げるのが、この仕事の面白さだよ。いきなり、なんでもできる奴が現れたらそれほどつまらないことはない。思い通りにいかないから面白いんだよ」
ショパン「でも、ピアノの演奏の教授職はやっぱりやる気が出ないんだ。雑魚が多すぎるよ」
ラフマニノフ「雑魚を一流に育て上げるまでの試行錯誤が面白いんだよ。お前は分かってないな。それにやる気は行動して、動いて初めて出るんだ。やる気がないからってやる気が出るのを待っていて何も行動しなかったら、いつまでもそのやる気がでないまま、ずっと無行動で終わってしまう。自発的に、やる気が起きないときこそ、とにかくやり始める。行動する。動く。これができればもっとピアノ演奏教授職が面白くなるぞ?私は、吸収が遅い生徒程、教えがいがあって面白いからな。これからのお前の課題だよ。やる気が出るのを待つな。自らやり始め、やる気を出すんだ」
ショパン「その気分のコントロールが思い通りにいかないんだ」
ラフマニノフ「片足がなくなっても、動いてやる!くらいの精神でいけ!」
ショパン「そうだよね。できないじゃない、やるんだ。やるしかないんだ!」
ラフマニノフ「私はお前と音楽学校ができて嬉しいぞ!だから、やる気を出してもらわないと困る。俺はやる気満々なのに、お前が意欲がなかったら、悲しいぞ!」
ショパン「弱気になってしまっているんだ!実は、先日に一件、ガッカリすることがあって」
ラフマニノフ「なんだ?なんの話だ?」
ショパン「僕は地球の霊界の中では、ピアノ史上最強の作曲家として名を馳せているけれど、冥王星にいる宇宙人のナイバルって人が、わずか40歳という人生で600曲のピアノ曲を作曲したらしいんだけど、そのピアノ曲が結構、、高クオリティーなんだよ。。僕と1歳しか違わない生涯で、僕の何倍もピアノ曲の『超』とまではいかなくても、、傑作を生みだしていたんだ。僕はそれを今、全て研究しているところなんだけど、どうみても僕に次ぐピアノ作曲家なんだよね。彼は霊界を題材にした交響曲まで見事なオーケストレーションで作っていて、あまりにいい曲で久しぶりに興奮したよ。僕とナイバル。どちらが天才かって言ったら、ナイバルに軍配なんだよね。それで、自信喪失しちゃって。僕の格上がすぐに見つかったんだ。でも、地球じゃないんだ。冥王星で。だから、あまり関係ないとしても、音楽学校で自分が教えてるのが恥ずかしいくらいなんだ。ナイバルを見てると」
ラフマニノフ「宇宙はそりゃ、広いんだから、お前より格上はたくさんいるさ。今回は同じ近所の星にいたんだよな。でも、お前の英雄ポロネーズやバラード4番とかは唯一無二だ。ナイバルでも作れないよ。断言してもいい。お前にはお前の良さがある。上には上がいるのは当たり前のことだ。それで、自信を失うんじゃなく、その上の存在を研究して、自分の成長と向上のための材料にすればいいんだ。ナイバルはお前よりも音楽家としてのキャリア、経験年数が多いだけかもしれない。音楽的格上がいることを喜び、むしろ、ワクワクして、悔しがってみろ。お前にはいい刺激だよ。私にもナイバルに会わせてくれ。ナイバルの作曲した全作品を聞いてみたい!」
ショパン「わかった。ってか、もうあるよ。この音楽プレイヤーに全て入っているからデータを転送してあげるから、君の音楽プレイヤーを持ってきて!」
ラフマニノフ「まあ、ショパンにはいい苦薬だったみたいだな。ナイバルっていうワクワクをくれる人物が見つかったんだから、感謝しろよ!ナイバルに」
ショパン「君にはいつも、大事なことを教えられてる気がするよ。ありがとう!! ナイバルはいずれ僕の舟歌のようなピアノ曲も生み出せるようになる可能性がある。。楽しみだな。。ピアノ音楽が僕とナイバルで更に発展し、、レパートリーが増えることを嬉しく想う。ナイバルは僕のピアノ音楽作曲家としてはライバル候補だよ」




