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第16話「デリシャン」

海のレストラン「デリシャン」に来ていたショパンとラフマニノフ。


 この店はショパンとラフマニノフの行きつけで、2人のサインが飾ってあり、超有名音楽家と会えるかもしれないという期待から、客の出入りが多くて大繁盛していた。


「キャーーー!!!ショパンとラフマニノフだ!!!」


 入店した瞬間から割れんばかりの拍手喝采が飛び出した。


 2人はここの料理のメニューの考案も行っている。売り上げの一部は2人に入ることになる予定だったが、2人はそれを拒否した。


「お金じゃないのよ!この店に関しては!」


ということである。


ラフマニノフ「皆さん、こんにちは。こちら、相方のショパンです。そして、その超格上、私、ラフマニノフです。今日は、どうぞ超一流の食事と音楽を楽しんでいってください」


ショパン「超天才の私たちによるピアノ演奏と料理もどうぞご堪能ください!」


 月に3〜4回のペースで来ているこの「デリシャン」は、運が良ければショパンとラフマニノフという音楽の巨匠たちに会えるかもしれないという楽しみが客に足を運ばせる理由の一つだった。


ジンサ「おう、お前ら!今月もよく来たな!お前らのおかげで俺らコックはウハウハだよ!ありがとな。海から捕りたての魚たちを使った海鮮丼でも作ろうか?」


ショパン「もちろん、それを毎回楽しみにしているんだよ!ガーリックチーズピザも焼いてくれ!」


ラフマニノフ「ジンサ!お前の考えた料理より俺の考えた料理のほうが人気みたいだな。悪いな!音楽家の俺が更に格上になっちまって。天才かな!俺!」


ショパン「格上格上ってその言葉、謙虚さのかけらもないね。連呼しすぎだよ。確かにレシピを考案したのはラフマだけど、作っているのはジンサなんだから、そんなこと言っちゃだめ。作ってくれる人が天才だから、ラフマの料理は人気なんだよ!」


ジンサ「ラフマ。お前の天然料理と俺の革新的料理、どちらが人気で美味しいか。最近、人気投票した結果が出たよ!」


 ジンサはラフマに紙を一枚手渡した。


「そんなこと人気投票しなくても、俺の革新的料理の方が美味に決まっている。勝負するまでもねえ。海のコックを舐めるなよ?」


と書かれていた。 


ラフマニノフ「お前、まだ勝負してねえだろ?本格的にやるか?」


ジンサ「望むところだ!お題はチャーハンにするか?どちらがより美味しいチャーハンを作るか勝負だ!」


ラフマニノフ「そうだな。お前の得意料理で勝負してやろう。これもハンデだ!」


ジンサ「よりによって一流料理人の俺の得意料理で勝負するだと?? ハンデだあ?? 俺を舐めすぎだぜ?? バカマニノフ!!」


ラフマニノフ「いいから、いいから!! チャーハンは俺も自信あるんだ!!」


ショパン「僕はとにかくピアノ演奏をするよ!2人で勝手にやってくれ!」


 ラフマニノフはモッツァレラチーズにしょうゆを使ったチーズチャーハンを作った。


 一方、ジンサはあさり、エビ、イカ、ホタテなどをふんだんに使ったシーフードチャーハンだ。


 オリーブオイルを使い、塩をアクセントにした。


 ラフマニノフもジンサの料理を見ていて、いきなりオリーブオイルを入れだした。


 そして、来ていた30人の客にそれぞれ、2人のチャーハンを味見させた。


 すると、なんとラフマニノフが勝利した。投票数はラフマニノフ26、ジンサ4、だった。約9割がラフマニノフに投票した。


ジンサ「なんっっだ!これは!!!!!!」


 ジンサは自信喪失して、店を早退してしまった。


ショパン「ラフマ。あまりに不自然じゃない?僕はジンサの料理はもっと評価投票されてもよかったと思うけど??」


ラフマニノフ「当たり前だろ!これが俺の実力だ!俺は今日来る客はチーズが好きな客しか来ないように裏で手を回していたからな!ジンサは最近、私たちにばかりメニューを考案させるから、これを機に自分を未熟だと反省し、ジンサ自身のレシピを作る技量を上げてもらいたいんだよな!」


ショパン「なんか卑怯じゃない?フェアじゃないような」


ラフマニノフ「強い奴が勝つんじゃない。勝った奴が強いんだ!それに、勝負するときに敵が公平な条件でいつも勝負してくれると油断してはならないとジンサに教訓として教えたんだ。これから、世界一の海のコックになってもらいたいからな」


ショパン「公平性に欠けてでも、勝つことの大事さを教えたんだね!相手が公平にルールを守って勝負してくれる保証はないもんね。卑怯とか言ってるのは甘いってことを言いたいんだね!」


ラフマニノフ「まあ、卑怯と言われてでも、勝たなくちゃならないときがあるんだよ。この料理対決では命がかかってないが、ジンサが悔しさで更に進化したコックになってくれることを願ってやったまでだ」


ショパン「ラフマ。なんか、単純そうに見えて、結構考えてるんだね。深い考え方だ」


ラフマニノフ「さあ、ショパン。次はピアノ演奏で俺とお前、どっちが客を魅了させられるか勝負するぞ?」


ショパン「今度は裏で手を回してないだろうね?」


ラフマニノフ「お前と勝負するときは、本当の意味で勝ちたいからセコイことは一切しない!!!」


ショパン「じゃあ、何の曲にする?」


ラフマニノフ「◯◯だ!」


ショパン「わかった!!」

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