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第12話「霊界大浴場」

ある霊界の大浴場。


 ラフマニノフは風呂についてる蛇口から水をひねり出し、勢いよく飲みだした。


ラフマニノフ「ガボボボボボ!!!」


ショパン「風呂上がりにいつもコーヒー牛乳飲むんだから、あまり水道水なんて飲まないほうがいいんじゃない?喉を渇ききってから飲むから美味しいって以前、言っていたくせに」


ラフマノニフ「お前は分かってないんだよ。ここの銭湯の水道水はめちゃくちゃ美味いことをな。お前もほら、飲んでみろ!ほら!」


ショパン「ちょっと⋯ガボボボボボ」


ショパンは半ば強引にラフマニノフに頭を抑えつけられ、蛇口から出る水を飲まされた。


ショパン「ラフマ!強引すぎるよ。それに僕はこれから美味しいココナッツミルクを飲むんだから、水で腹満たしたくないよ!味もいまいち違いが分からないし」


ラフマニノフ「アームストロングも飲んでみろ!」


アームストロング「なんか、喉が気持ちいいですね。ミントみたいな爽快感というか。スースーしますね」


ショパン「ミントなんて味しなかったけど」


ラフマニノフ「お前は分かってないんだよ。ここの水道水は美味いと思い込めば美味い水が、まずいと思えはまずい水が、普通の水と思えば普通の水が出るようになっているんだ。つまりその人が思っている水がそのまま出るってわけだ」


ショパン「アームストロングってミントの水を意識していたってこと?」


アームストロング「さっき、チョコミント食べたから、そのミントの味が口に残っていただけだと思いますが」


ショパン「ラフマの嘘つき!そんな思い通りの水が出る魔法の蛇口なんてあるわけないだろ?」


ラフマニノフ「バレたか。まあ、いいじゃないか。だが、ここの水は霊界でも評判のおいしい水らしいぞ?」


カノ「おーい、俺のこと忘れてない?すごい疎外感なんだけど??」


ショパン「カノも飲んでみなよ!この蛇口から出る水を」


カノ「うーん、やはり、普通の水にしか思えない」


 みんなが水について話している時に、なんとラフマニノフのピアノ協奏曲2番がいきなり風呂全体に流れ出した。


ショパン「あっ!!!ラフマのコンチェルトだ。なんでいきなり流れたの?あれっ、そういえば話に夢中になっている間にラフマがいない。どこいったんだ?」


 なんと風呂場の中に小さなテレビが出現し、ラフマがタオル一枚でピアノに向かい、ピアノ協奏曲2番を生演奏しているシーンが飛び出した。生中継と書かれている。


アームストロング「そうです!内緒にしておいてと頼まれていました。ラフマは今日、この銭湯でコンチェルトをオーケストラと一緒に生演奏する企画を計画していました。ショパンには内緒でと頼まれてました。その名も『銭湯後のピアノ生演奏』です。ラフマニノフのコアなファンから、銭湯後にタオル一枚で飛び出て、風呂後の湯気とともにピアノを演奏するラフマニノフが見たいという報酬付きリクエストがあったので、それに応えることになりました」


カノ「ラフマ。なんでそんなの引き受けたの?報酬が莫大とか?」


アームストロング「報酬は十億ポイントです」


ショパン「えっ!そんなに?」


アームストロング「ショパンと半分に報酬を分けてやるんだって言ってました」


カノ「あいつ、なんだかんだいって義理堅いなあ」


 ラフマニノフはタオルで局部を隠し、ピアノ協奏曲2番を弾いた。しかし、あまりに魂込めて全力で弾いているので、タオルが徐々にずれて、股間が丸見えになった。


「キャーキャー」


 観衆は騒いでいるが、ラフマニノフはお構いなく弾いている。


 ラフマニノフ自身の作品、2番を弾いた後、なんとショパンのピアノ協奏曲1番2楽章ロマンスラルゲットを演奏したラフマニノフ。


 ショパンは自分の作品を弾いてくれるラフマニノフに感激した。


ショパン「ラフマが僕のコンチェルトも弾いてる……」


 ショパンは自分がラフマニノフに認められているようで、嬉しかった。ただ、ラフマニフの股間はみんなに丸見えだった。


 ラフマニノフは演奏後、床に落ちたタオルを広い、股間を隠し、一礼した。割れんばかりの拍手と喝采。


 アームストロングは言わなかったが、この企画は「ラフマの貴重な全裸が見たい方必見!すべて隠さず見せます!」というサブタイトルがあった。


 そして、ラフマニノフはまたショパンたちの元へ戻ってきた。


ラフマニノフ「どうだった? みんな!俺のライブは!」


ショパン「見てるこっちが恥ずかしくなったよ!股間丸見えのままだったじゃないか!恥ずかしくないの?」


ラフマニノフ「俺の立派な股間にはたくさんの需要があるのさ」


カノ「お前、ただの変態じゃない?」


ショパン「十億ポイントのギャラのせいで、ラフマはここまで落ちることになったのか?」


ラフマニノフ「まあ、細かいこというな!見たい人に見せただけだ。合法だ。ほら、ショパン。5億ポイント受け取れ!」


ショパン「なんで?いらないよ?君のものだろ?」


ラフマニノフ「お前のピアノ協奏曲1番も弾いたんだから、お前の作品を演奏した以上は、お前にもギャラを渡す義務がある」


ショパン「そうか。君がそこまで言うならもらおう。でも、一億でいいよ。演奏したのは君なんだから」


 アームストロングはショパンに聞こえないように小声でラフマに話しかけた。


アームストロング「ラフマ。わざとショパンの曲を弾いて、ショパンにポイントをあげる口実を作ってあげたんだね。ショパンがもらうのを拒否しないように。納得するように。いいところあるじゃないか!」


ラフマニノフ「あいつには救われてばかりだからな。普段は照れくさくて言えないが、オレを孤独から解放してくれた恩人だからな」


カノ「おーい、また、俺のこと忘れてない?すっごい疎外感なんだけど!!!」

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